台湾において、唯一県内に2ヶ所も国際スローシティ連盟からスローシティの認証を受けた町がある苗栗県が、「スロー」という概念をさらに生かして、海沿いの地域で青い海、青い教育、青い産業、青い観光をテーマとする「スローフィッシュ―海岸」プロジェクトをスタートさせました。
苗栗県政府文化観光局は、県内の著名なスポット、航海の安全を守る女神「媽祖」が祀られている白沙屯の拱天宮を中心点として、北は夕日の名所、好望角から、南は通霄精鹽廠まで、およそ12.4キロメートルの4輪電動自転車の運行コースを開通させました。環境にやさしくて便利な電動自転車で空と海が溶け合う絶景を堪能することができ、自然生態系体験や民俗信仰活動をも楽しめます。
苗栗県の徐耀昌・県長は、電動自転車で好望角や白沙屯などのスポットを繋ぐことによって、訪れる客がゆっくりと苗栗県の海の美しさを存分に楽しめると話しました。
白沙屯と好望角は拱天宮への参拝客を合わせて、毎年の訪れる客は平均400万人以上います。夕日スポットとして名高い好望角には日本統治時代に作られた旧海線鉄道と、3つの台湾でもっとも低い標高にあるトンネルがあります。山の下にある海岸平野を通った鉄道、海岸に建てられた風力発電の白い風車、そして澄んだ海と空が作りだした絶景は多くの写真家に愛されています。
また、近くには貝化石が見られる「過港貝化石層」という地層や、レトロな街並みでふらり散歩できる同興老街、大自然が楽しめる西湖湿地公園などがあります。
ただ、周辺道路が狭く、交通不便のため、そのあたりは観光資源がたくさんあるのに、まだ十分に生かされたとは言えません。今回打ち出した電動自転車によって、そこの観光がさらに活発できると期待されています。
苗栗県によりますと、将来的には台湾一番長い滑り台の設置や三輪タクシーの開放なども検討しているそうです。
(編集:林蕙如/王淑卿)