今日ご紹介するキーワードは「jie3jie」。
中国語・台湾華語で「お姉さん」という意味の言葉です。
中国語では漢字は「姐姐」と書きますが、台湾華語の場合はそれだけでなく「姊姊」もあります。
どちらも年上の女性に対する呼び方ですが、ではどうやって使い分けるんでしょうか。
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先日、台湾のあるフェイスブックのファンサイトで、“文字の使い方の違い”について質問した動画が話題となりました。
その動画の中で、司会者が参加者にこのような質問をしました。
「教育部が発行している辞書の解釈で、もし血縁関係のない、自分よりも年上の女性のことを指す場合はどちらの字を使うのが正しいでしょう?」
そして選択肢として「姐姐」?それとも「姊姊」?と2つの書き方を上げました。
動画の中では質問を受けた芸能人が悩んだ挙句、「姊姊」の方を選びますが、結果は不正解。正解は「姐姐」でした。
動画ではその後、司会者から解説があって、「『姐姐』は年上の女性に対する一般的な用法で、血縁関係のない年上の先輩や自分より年上の同僚にも使える。一方で、『姊姊』は、親族関係にある年上の女性に対して使う」と説明していました。
つまり、自分の姉のことを言うときは、「姐姐」でも「姊姊」でもどちらでもOK!
自分の姉の旦那さん、つまり義理のお兄さんのことを中国語・台湾華語では「jie3fu1」と言いますが、義理の兄は親族になるため、その時の書き方も「姐夫」と書いても、「姊夫」と書いてもOK!です。
一方、女性の敬称「~さん」として使うときの「xiao3jie3」は、「小姐」と書くのはOK!ですが、親族ではないので、「小姊」と書くのは間違いなんです。
また、年上女性が年下男性と付き合うことを「jie3di4lian4」と言うんですが、この時、「姐弟戀」と書くのはOKですが、まだ親族にはなっていないので、「姊弟戀」はNGなんです。
そんな違いがあったんですね~!
でも実は、この動画を見た台湾のネットユーザーの中にも、この二つの「jie3jie」の違いに「気付かなかった!」という人が結構いました。
一方で、「小学校の時に習ったよ」という声も多数あり、「これは常識だよ!職場でも先輩女性のことを呼ぶとき、『●●姐』と呼ぶでしょ?それに、台湾の人気女性アーティスト謝金燕(
Jeannie Hsieh)の有名な曲も『姐姐』と書く。そういうことだよ。『姊姊』の方は、家族のときに使うんだよ」と具体例を挙げて説明している人もいました。
この説明を受け、知らなかった、気付かなかったというネットユーザーからは、「そういうことだったのか!」とか「雑学が増えた!」という反応がありました。
なお、中華民国台湾の教育部が編さんしている国語辞典の改訂版によると、“姊姊”のボポモフォと言われる注音記号は、「ㄗˇ˙ㄗ」ですが、発音は「ㄐㄧㄝˇ˙ㄐㄧㄝ」だと書かれていて、その説明には、「親族の中で、自分より年上の女性に対する敬称である。姐さんの“姐”という字を使ってもよい」と書いてあって、親族の中で自分より年上の女性を指す場合はどちらも使えることがわかります。
もう一度簡単に説明すると、親族の中の年上の女性に使うのは「姊姊」、自分より年上の女性に使うのは「姐姐」。
今度、「お姉さん」に関する単語を耳にしたら、どちらの漢字を使われているか見てみてくださいね。