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ナルワンアワー(金曜日) - 2021-01-29_植民地だった台湾、なぜ台日友好か 韓国とどう違う

  • 29 January, 2021
ナルワンアワー(金曜日)
世界有数の超高層ビル、台北市のランドマークでもある「台北101」の外壁に23日午後6時から10時まで、台湾と日本の友情を象徴するメッセージ「日台友情」などが九つ映し出されている。日本の対台湾窓口機関「公益財団法人日本台湾交流協会」台北事務所の泉裕泰・代表(=大使)は、あいさつの中で、10年前、日本で東日本大震災が発生した際、台湾は支援の手を差し伸べた。明るくライトアップされた「台北101」のように、暗闇にあった日本に明かりをもたらしたと感謝を述べた。(写真:CNA)

 中華民国台湾と日本の間には国交こそありませんが、非常に良好な関係を築いています。先週のこのコーナーでもご紹介しました通り、台北駐日経済文化代表処が明らかにした、日本の人を対象とした台湾への意識調査によりますと、台湾に親しみを感じると答えた人が77.6%とおよそ8割に達しました。また、全体の73.6%の人が現在、台湾と日本の関係は良好だと答えています。逆に、財団法人台湾民意基金会による、最も好きな国に関する調査結果でも、好感度ランキングで日本は2017年、2018年と2年連続で85%弱をマーク、いずれもシンガポールに次ぎ2位となりました。相思相愛の仲といえますよね。

 こうした中、インターネットの掲示板で、あるネットユーザーが質問を投げかけました。少しデリケートなテーマですが、ご紹介しましょう。

 このネットユーザーは「台湾も韓国も、かつて日本の植民地となった歴史があり、また衝突により血を流した歴史は、映画にもなっている。でも、日本と韓国は時折、敵視しあい、競い合うのに対して、台湾は日本に極めて友好的だ。中には、今でも日本に統治されたいとまで考える人もいる」と指摘、台湾の人たちは、どんな理由で、かつての統治者を好きになったのだろうか、と問いかけました。

 これに対し、様々な意見が寄せられました。「日韓がライバル関係であるのに対して、台湾は一歩遅れているからこそ友好関係が築けるのだ」という、双方の力関係を理由にあげる人もいましたが、台湾と韓国が歩んできた歴史の違いや、民族意識の違いを挙げた人が、より多く見られました。

 ある人は、共に日本の植民地になったとはいえ、台湾はあくまで、当時の清朝から日本に「割譲」された形であり、歴史的には一度も日本の侵攻を受けたことがないからだ、と指摘しました。

 このほか、「戦後の国民党体制、そして中共と比べたら、それは親日にもなる。韓国は日本以外には統治されたことがないから、日本を敵視するんだ。」という意見もありました。さらに「韓国にはかつて王朝があり、彼らは民族意識も強い。一方で台湾は、かねてから多くのエスニックグループが暮らす多元的な社会で、歴史的にも、中国大陸福建省南部をルーツとする人たち、広東省をルーツとする人たち、さらには台湾に元々暮らしていた台湾原住民族の人たちが台湾内で争ってきた。内輪もめでお腹がいっぱいだったからだ」という指摘もありました。

 今日、ご紹介した見方は、あくまでも台湾のインターネット上の一部の意見であり、台湾の人々の意見を代表するものではありません。ただ、日本ではあまり紹介されない見方ではないでしょうか。

 ともあれ、間違いなくいえる事は、私が台湾で15年間暮らしてきて、日本人という事で得をしたことがあっても、嫌な思いをしたことは一度もないという事です。これは本当にありがたい事で、こうした良好な関係が次の世代にも引き継がれるよう、私自身も自覚して暮らしたいと思います。そして、今後さらに相互理解が進み、より良い関係を構いていけることを、心から願いたいと思います。

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