宝島再発見 - 2021-04-03_台鉄特急脱線事故死者50人、台鉄局「過去73年で最悪の鉄道事故」

  • 03 April, 2021
2021高雄春天芸術節(スプリングアートフェスティバル)が3日夜、高雄市立美術館の芝生で開催され、パフォーマンスが始まる前、観客がすべて起立して、2日に台湾東部・花蓮県で発生した台湾鉄道の特急列車、太魯閣号(タロコ号)脱線事故のために一分間黙とうした。この事故で、50人がなくなり、188人が負傷している。(写真:高雄市文化局提供、CNA)
台湾東部・花蓮県大清水トンネルでは2日午前、列車の脱線事故が発生した。台湾南東部・台東行きの在来線・台湾鉄道の特急列車・太魯閣号(タロコ号)は2日午前9時28分、崇徳と仁和の間の東線で脱線し、5号車から8号車がトンネルの中に引っかかっている。2日12時時点では、34人が死亡、68人が負傷したことが分かった。新婚の列車運転士も命を落とした。沿線で工事をする列車工事用車両が斜面から落下し、列車に直撃したのが原因だと考えられている。(写真:CNA)
台湾北部・新北市樹林発、台湾南東部・台東行きの台湾の在来線・台湾鉄道の特急列車、太魯閣号(タロコ号、列車番号408)が児童節(子どもの日)と清明節(墓参の日)四連休の初日である2日午前9時28分に、斜面を滑り落ちた列車工事用車両に直撃され、大清水トンネルで深刻な脱線事故が発生した。工事用車両が8号車に直撃したため、5号車から8号車は一時トンネルに引っかかっり、列車がひどく破損、変形した。写真はトンネルに入って乗客を救助する台湾北部・新北市消防局の特別捜索チームと破損・変形した車両。(写真:新北市消防局提供、CNA)
蔡英文・総統は3日午前、花蓮の各病院を訪れ、台湾鉄道太魯閣号(タロコ号)の脱線事故の負傷者を見舞い、犠牲者の家族を慰問した。(写真:CNA)
台湾駐在のアメリカ、イギリス、フランス、オーストラリア、ヨーロッパ連合(EU)などの代表機関は相次いでフェイスブックを通じて慰問の意を表している。(写真:各国の台湾駐在機関のフェイスブックより)
日本の菅義偉首相は2日、ツイッターに投稿し、「台湾のみなさんへ、台湾東部において列車事故が発生し、多数の死傷者が出ているとの報に接し、大変心を痛めています。なくなられた方々への御冥福を心からお祈りすると共に、被害に遭われた方に対し、心からお見舞い申し上げます。」と慰問した。(写真:菅首相のフェイスブックのスクリーンショット)
台湾北部・新北市樹林発、台湾南東部・台東行きの台湾の在来線・台湾鉄道の特急列車、太魯閣号(タロコ号、列車番号408)は、2日午前9時28分に、台湾東部・花蓮県で脱線事故が発生、50人が死亡、150人以上が負傷している。行政院は、脱線事故で亡くなった人たちを追悼するため、3日から5日まで、全国で三日間半旗を掲げることを決定した。(写真:CNA)

リスナーの皆様、こんばんは、宝島再発見の時間です。台湾東部の花蓮で2日、台湾の鉄道史上最悪の列車事故が発生しました。3日午後6時時点では、51人が尊い命を失いました。台湾国際放送は2日、公式ウェブサイトとフェイスブックページを通じて最新情報をどんどんお伝えしていましたが、短波放送とインターネット放送は、時間枠の制限があって、最新情報をお伝えすることは出来ませんでした。誠に申し訳ございません。

今週この時間では通常の番組を一回休ませていただきまして最新情報を含めてこの列車の脱線事故についてお伝えいたします。

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今年の4月4日は、児童節(子どもの日)で、清明節(墓参の日)でもあります。台湾では、4月2日から四連休に入りました。天気がよかった関係もあって多くの人たちは、この四連休を利用してお墓参りに行っています。故郷に帰って家族そろってお墓参りに行くと同時に、プチ旅行をする人も少なくないようです。

このような楽しい雰囲気の中で、連休初日の4月2日午前、大きな事故が発生しました。台湾の在来線・台湾鉄道の特急列車、太魯閣号(タロコ号)の脱線事故でした。この特急列車には、台湾東部の花蓮と台湾南東部の台東へ里帰りしようとする乗客が大勢いました。家族連れの乗客も少なくなかったです。花蓮と台東は、地理的な関係で台湾の他の県や市と比べてやや交通の便が悪いです。花蓮と台東に行くには、台湾鉄道の「花東線」を利用するのが一番便利です。しかし、この路線は、カーブが多いため、列車はスピードを出して走行することが出来ず、台北から花蓮に行くには、特急で行っても2時間半ぐらいかかりました。しかも、本数と座席数が少なかったため、連休になりますと、チケットがすぐ完売になったのが普通です。

台湾鉄道は、この問題を解決するため、カーブを通過するときもスピードを落とさずにスムーズにいける振り子式列車を日本から導入しました。台湾初の振り子式列車には、「太魯閣」という名前が付けられました。なぜこの三文字を名前にしたかといいますと、花蓮県に位置する「太魯閣国家公園」は、国内外に名を知られている風光明媚な景勝地であること、地元の先住民の言葉に由来するこの三文字の英語表記「Taroko」は、標準中国語、台湾最大の方言・台湾語、二番目に大きいエスニックグループ・客家語などの本国の言葉のみならず、外国語の英語、日本語でも非常に覚えやすいこと、この二つの理由から、日本から導入された台湾初の振り子式列車に「太魯閣号(タロコ号)」という名前が付けられ、2008年から正式に台湾鉄道の運行に加わりました。今回、事故を起こしたのは、この太魯閣号(タロコ号、TEMU1000)です。連休初日なので、満席のおよそ400人が乗っていました。立ち席を買った人が多かったため、死傷者が多く出た深刻な列車事故となりました。

太魯閣号(タロコ号、TEMU1000)は、日本の日立製作所がJR九州885系電車をベースに製造したものです。

私は出社する前、テレビでどんどん出てきた速報とショッキングな画面を見て早速、ウェブニュースの更新を始めました。この二日間のニュースをまとめてお伝えいたします。

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台湾北部・新北市樹林発、台湾南東部・台東行きの台湾の在来線・台湾鉄道の特急列車、太魯閣号(タロコ号、列車番号408)が児童節(子どもの日)と清明節(墓参の日)四連休の初日である2日午前9時28分に、台湾東部・花蓮県の大清水トンネルで深刻な脱線事故が発生しました。列車が、斜面を滑り落ちた工事用車両によって直撃されたため、ひどく破損、変形しました。

台湾の国土交通省に類似する、交通部が運営する台湾の国有鉄道、すなわち台湾鉄道を管理する機関「台湾鉄路管理局」によりますと、この列車脱線事故は、台湾鉄道にとって過去73年で最悪の鉄道事故です。交通部の王国材・次長によりますと、3日午後6時時点では、51人が死亡、188人が負傷、そのうち、41人が入院中です。フランス人1人とアメリカ人2人は、事故のため亡くなりました。負傷者のうち、外国人が3人います。1人はオーストラリア人、残りの2人は日本人です。幸いに三人とも軽傷です。台湾で学ぶ中国大陸の学生も1人軽傷を負いました。

台湾鉄道で前回、大きな列車事故が発生したのは、1948年5月28日のことでした。乗客が燃えやすい不審物を持って列車に乗り、火災を引き起こしました。車両4両が全焼し、合計64人が死亡しました。これは、1948年の「新店渓列車火災」でした。

2日に発生した太魯閣号(タロコ号)の脱線事故で、51人が亡くなったため、台湾鉄路管理局は、この事故は1948年の「新店渓列車火災」に次いで、過去73年で最悪の列車事故と位置づけました。

行政院は、列車の運転士2人を含め、脱線事故で亡くなった人たちを追悼するため、3日から5日まで、全国で三日間半旗を掲げることを決定しました。

台湾鉄路管理局は、慰問金などを含め、事故で亡くなった人の遺族に台湾元540万元(約日本円2093万円)を、重傷者に台湾元240万元(約日本円930万円)、軽傷者には台湾元60万元(約日本円232万円)の賠償金を支払う予定ですが、まず負傷者に台湾元5000元(約日本円2万円)、死者の遺族に台湾元10万元(約日本円38万7000円)の慰問金を支給しました。

交通部の王国材・次長は、犠牲者への賠償金の算出方法について、「犠牲者への賠償金は、台湾元540万元を基準とする。内訳は、犠牲者の慰問金が台湾元10万元、鉄道事故の賠償金が台湾元250万元、台湾鉄路管理局の特別救済金が280万元だ」と説明しましたが、犠牲者と負傷者がさらに多額な賠償金を得られるよう努力するとも述べました。

王国材・次長によりますと、事故を起こした列車には、496人が乗っていました。そのうち、3人は、台湾鉄道の職員、1人は清掃人員、120人は立席を買った乗客です。

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蔡英文・総統は2日、事故に関する消息を受けると、ただちに関連機関に対して全力で救助するよう指示すると共に、2日午後、「台湾鉄道災害対策センター」を視察し、関連の報告を聴取しました。

蔡・総統によりますと、事故の発生を受け、政府は、ただちに災害対策センターと前進指揮所を設置、現在、消防、警察、空中部隊などの機関は、災害救助に積極的に取り組んでいます。中華民国国軍も台湾のほかの県と市も相次いでレスキューチームを花蓮に派遣して救助に当たっています。

蔡・総統は、「すべての関係機関が全力で人命救助に当たること」、「衛生福利部(日本の厚労省に相当)が大量な負傷者が出た場合の緊急医療救助メカニズムを始動させること」、「交通部(日本の国土交通省に類似)と台湾鉄道がこれからの乗客の輸送を全力でサポートすること」、「『国家運輸安全調査委員会』」が事故原因の究明に乗り出すこと」、の四項目を指示しました。

蔡・総統は、きょうの列車脱線事故のため、若い列車運転士が命を失った。国民はみな非常に悲しんでいると述べ、「国家運輸安全調査委員会」に対して徹底的に調査を行い、事故原因を究明するよう求めたと明らかにしました。

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蔡英文・総統は3日午前、花蓮の各病院を訪れ、台湾鉄道太魯閣号(タロコ号)の脱線事故の負傷者を見舞い、犠牲者の家族を慰問しました。

蔡・総統は、犠牲者の家族に哀悼の意を表すると共に、事故の再発防止などの事後対策を徹底する決意も示しました。蔡・総統は、本国人の負傷者に最良の治療を施し、外国人の犠牲者と負傷者にも、外交部と当該国の台湾駐在機関を通して支援を提供すると約束しました。

蔡・総統は、さらに事故発生後、世界各国の政府から見舞いのメッセージを受けたことにも触れ、台湾に対する国際社会の関心に感謝すると述べました。

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日本の菅義偉首相は2日、ツイッターに投稿し、「台湾のみなさんへ、台湾東部において列車事故が発生し、多数の死傷者が出ているとの報に接し、大変心を痛めています。なくなられた方々への御冥福を心からお祈りすると共に、被害に遭われた方に対し、心からお見舞い申し上げます。」と慰問しました。

一方、日本の産経新聞によりますと、日本の加藤勝信内閣官房長官も2日午後の記者会見で、台湾東部で起きた特急列車の脱線事故に関し、「現時点では邦人の被害の情報には接していないが、引き続き現地当局に照会を行っている」と述べ、「台湾側から要請があれば、可能な支援を検討したい」とも表明しました。

加藤官房長官は、「亡くなった方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、事故に遭われた皆さまに心からお見舞いを申し上げたい」と語ったということです。

安倍晋三・前首相と台湾の血をひいている蓮舫参議院議員もそれぞれSNSを通じて見舞いのメッセージを送りました。

台湾駐在のアメリカ、イギリス、フランス、オーストラリア、ヨーロッパ連合(EU)などの代表機関も相次いで慰問の意を表しています。そのうち、アメリカの対台湾窓口機関、アメリカ在台協会(AIT)も2日、フェイスブックに投稿し、この脱線事故の負傷者、死者、その家族に哀悼の意を表すると共に、事故の影響を受けた人たちにも慰問の意を伝えました。アメリカ在台協会(AIT)は、すべての台湾の人たちの平安を願うと書き込みました。

外交部は3日、台湾鉄道特急脱線事故の外国人犠牲者がもう1人増えたことを明らかにしました。アメリカ人です。このアメリカ人に同行した友人1人はまだ見つかっていません。レスキューチームは、捜索を急いでいます。外交部の呉釗燮・部長は、アメリカの対台湾窓口機関、米国在台協会台北事務所のクリステンセン所長に関連情報を伝えました。クリステンセン所長は、感謝を述べると共に、犠牲者の家族にも連絡しました。

なお、外交部によりますと、3日正午時点では、外交部は80の国と国際組織、600人以上の国家元首、政府、外相、政府要人、国際機関からの見舞いのメッセージを受けたと明らかにし、これらの方々に深く感謝していると述べました。

日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会の大橋光夫会長も蔡・総統宛に書簡を送り、哀悼の意を表すると共に、負傷者の早期全快を祈願する旨を伝えました。

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2日午前、斜面を滑り落ちた工事用車両が、太魯閣号(タロコ号)の7号車と8号車に直撃して列車が脱線しました。これは事故原因として考えられています。この工事用車両がなぜ落下したか、運転手がブレーキをかけるのを忘れたか、それともブレーキが故障したか、工事用車両が線路に落下するのを防ぐフェンスはなぜなかったか、関係機関は、事故原因とその責任所在に関する調査を急いでいます。

児童節(子どもの日)と清明節(墓参の日)四連休の初日は、台湾の人々にとって非常につらい一日でした。50人が列車脱線事故により尊い命を失ったからです。このような事故が二度と起きないよう、政府に頑張ってもらいたいものです。

2日の列車脱線事故で亡くなった人の冥福と、負傷者の早期全快を祈ります。

 

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