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Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送GO GO台湾 - 2021-11-20_台南・中西エリア

  • 20 November, 2021
GO GO台湾
台南の人気スポット「林百貨」と、先ごろ外観の修復工事が完了したお隣の「兜空間Dou Maison」。夜になるとライトアップされ辺りは幻想的な雰囲気となり人気スポットとなっている。(写真:CNA)

トーク①:林百貨≫

皆さんは、台南といったらどんなイメージですか?

台湾南部・台南と言えば、「台湾の京都」なんて呼ばれたりする、“台湾の古都”で、街のあちらこちらに古い建物がありますが、日本人観光客に人気のスポットの一つが「台南林百貨」。行かれたことありますか?

日本統治時代の1932年に、山口県出身の経営者・林方一氏の出資によって創業したデパートで、当時、台湾のモダン時代の流行をけん引しました。地元では5階建てビルという意味の台湾語で「五棧樓仔」と呼ばれとても賑わっていました。

建物の設計は石川県出身の建築家・梅澤捨次郎氏で、建物は鉄筋コンクリート造りの5階建て、1階から4階は売り場、5階にレストラン、そして屋上庭園と神社があって、台南で唯一、エレベーターを備えていて、制服姿のエレベーターガールが乗務して操作を行っていたことから、当時は、林百貨店に行って、台湾語で「流龍」と呼ばれるエレベーターに乗ることがオシャレな楽しみ方の一つでもあったそうです。

そんな華やかな場所だったのですが、戦後、経営者が日本へ帰ると、林百貨店は錆びれ、人々の記憶から徐々に当初の風格が忘れ去られていきました。

ところが、2013年に、歴史ある建物のベースはそのままに、リノベーションをして、MIT(メイド・イン・タイワン)商品や、クリエイティブグッズなどを扱う、台湾のおしゃれグッズが集まる人気スポットと生まれ変わりました。

当時、注目を集めたエレベーターも残されているだけでなく、今も実際に動いていますよ。もちろん、安全に動かせるように、モニターが付いたり、現代のシステムが取り入れられていますが、エレベーターの扉の雰囲気や、今、エレベーターが何階にいるのかを示す階数表示がレトロな針が動くインジケータータイプだったり、エレベーターのカゴが到着すると「チンッ♪」という音が鳴ったりするところは当時のまま復活しています。

かなり小さいエレベーターで、今は定員5人までとなっていますが、5人乗ると結構ぎゅうぎゅうです。でも、エレベーターのすぐ横に階段があるのですが、訪れた人はちょっと待ってでもこのエレベーターに乗ってみようという人が少なくありません。私もとりあえず初めて訪れた時に乗ってみました。あの到着した時の「チンッ♪」という音は何だか気持ちがいいですね。今はエレベーターガールはいませんが、訪れた際にはぜひ乗ってみてください。

ちなみに、エレベーターのすぐ横に階段があるのですが、その階段の壁の下の方に、一見するとスピーカーのような丸い穴があるのですが、これはエレベーターの空気穴なんだそうです。階段で上り下りする際にはぜひ注意して見てみてくださいね。

そして当時と同様に、今も1階から4階は売り場フロアとなっていて、そこを抜けると、5階は飲食フロアになっています。レストランが入っているというわけではなく、小さな屋台のような飲食店が入っていて、日本の居酒屋さんのような雰囲気です。何だか、ここが日本なのか、台湾なのか、そして現代なのか、過去にタイムスリップしたのかわからなくなる、不思議な気分になりますよ。

そして、その上の屋上にも行くことができます。6階という表記がされていますが、その“6階”屋上には、レンガ造りの壁に第二次世界大戦でに空襲を受けた際の砲弾の痕が残った、当時のままの壁が一部残されています。

また、「末広社」と呼ばれる神社もあります。神社は開業から半年後に建てられたそうですが、商売繁盛の神様が祀られています。当時の神社は空爆で壊されてしまったため、現在は新たに建てられたものですが、鳥居と黒い石は当時のものなんだそうです。

日本でも百貨店の屋上に行くと小さな神社があったりしますが、日本時代の台湾でもこのように神様を祀っていたんですね。

ちなみに、現在、台湾の商業建物の屋上に神社が残っているのはここだけで、「台湾で唯一、神社がある百貨店」と言われているそうですよ。

あ、そうそう。林百貨店に行ったらぜひトイレにも行ってみてください。

トイレもリノベーションされていますが、雰囲気は昔のまま。個室が木の扉に真鍮のドアノブでレトロな雰囲気です。扉が、下の部分は通気がいいように“ガラリ”になっていたり、上の部分は厚めのすりガラスだったりと、現代のトイレに慣れている私たち(…私だけでしょうか?)にとってはちょっと落ち着かない部分もありますが、そのレトロな雰囲気を味わってみてください。

そして、林百貨店といえば、夜もおススメ!

大きな窓が広がる、ベージュに近い色のレンガ造りに似たような壁面に、温かみのあるライトが照らされライトアップされた外観はとってもきれいで幻想的なんです。

夜の林百貨店もぜひ楽しんでくださいね。

トーク②:「兜空間Dou Maison」修復完了≫

そして、先日、この林百貨店お隣、林百貨店を正面から見て右隣りにある

「兜空間Dou Maison(ドゥ・メゾン)」の建物も外観が修復され、林百貨店と同じく夜、ライトアップされ、歴史ある幻想的な雰囲気を作り出していて、今、人気となっています。

この「兜空間Dou Maison(ドゥ・メゾン)」も林百貨店と同じく、1932年に建てられた建物ですが、これまで長年、様々な業者が入居して、色々と手を加えられたことで、外観や窓の分割や装飾などがバラバラで、当時とは異なる外観になっていたため、台南市の文化局が建物の所有者と交渉をして、修復することとなったんです。

何度も協議を重ね、バルコニーを復元し、窓には窓枠を増やして、当時の雰囲気を復活させています。

台南市は近年、「老屋立面專案(古い建物のファサードプロジェクト)」を進めていて、その一つとして修復が完了しました。

今後は、カフェやブティック、ギャラリーなどが集まる複合施設として運営されるそうです。

外観が統一された雰囲気はとてもいいですし、林百貨店と共にライトアップされた姿を見ていると、当時の賑わいの中にタイムスリップしたかのような、ふらりと違う世界に迷い込んだかのような気分になりますよ。

次回、台南に行かれた際には、ぜひ夜のライトアップまで楽しんでくださいね。

林百貨店、そしてリニューアルした「兜空間Dou Maison(ドゥ・メゾン)」までのアクセスは、在来線台湾鉄道「台南」駅下車。駅前のバス停から1番か7番のバスに乗って「林百貨」バス停下車です。

台南駅から歩いても20分ほどですので、街の雰囲気を楽しみながら歩いていくのもおススメです。

トーク③:台南西市場&蝸牛巷&葉石濤文學紀念館≫

そして、日本統治時代から残る建物の修復が行われたのは、この林百貨店や「兜空間Dou Maison(ドゥ・メゾン)」だけではありません。

そこから徒歩10分ほどの距離にある「台南西市場」。ここも日本統治時代にできた市場で、今年(2021年)の4月に修復が完了しました。

最初の建物は1905年(明治38年)に建てられましたが、残されているのは台風のために建て直された鉄筋コンクリート造りの2代目の建物で、1912年(大正元年)に完成したものだそうです。当時、南部で最大の市場だったとされていて、排水のための溝を設けたり、生ものと調理されたものの販売エリアを分けたりと、衛生面にも配慮したつくりになっていたほか、建物の特徴としては、屋根部分にドーマー窓が設置されていたり、壁には装飾が施してあったりと、当時の建物としては華やかな作りとなっていて、台南市にとって歴史的意義があり、都市の発展史においても価値があるとされ、2003年に周辺の建物と共に台南市の古跡として登録されました。

そして2017年から修復工事がはじまり、今年(2021年)に工事が完了したんです。

そして、台南市は地域一帯の活性化に向けて活用していく方針で、周辺環境の整備も進めていて、来年(2022年)末にすべての工事が完了する予定です。

この周辺もこれからまた賑やかになりそうですね。

台南駅から歩いて「西市場」まで行く…と考えると30分ほどかかりますが、駅から古い建物があちらこちらに残る街並みを見ながら歩いて、林百貨店も楽しんで、それから「西市場」へ…という感じで歩いて行けば意外とあっという間につきますよ。

ですので、バスを利用してサッと目的地に行くのもいいのですが、途中寄り道しながら歩いて回るのが楽しいと思います。

そうそう、寄り道といえば、その林百貨店から、この「西市場」に行く途中にある「蝸牛巷」に立ち寄ってみてください。

“蝸牛”とは、“かたつむり”、日本語の漢字と同じです。そして“巷”とは“小径”のこと。つまりここは、「カタツムリの小径」。

地図でいうと、西門路二段と、民生路一段と、永福路二段と、中正路に囲まれた、それほど大きくないエリアなんですが、そのエリアの古い建物が並ぶ路地に、隠れ家のような、個性的でおしゃれなお店が並んでいます。そして、その路地のあちらこちらにいろんな“かたつむり”のオブジェがあって、その“カタツムリ”を探すのも楽しいんですよ。中には看板や風景に溶け込んでいる“カタツムリ”も居るので探してみてください。

もちろん、カフェなどもあるので、路地歩きを楽しみつつ、休憩もできます。

路地の隠れたお気に入りのお店を見つけると何だかわくわくしますよね。

でもなんで「蝸牛巷(カタツムリの小径)」という名前になったのかというと、台湾を代表する文学作家の葉石濤の小説「往事如雲」から来ているんだそうです。

この小説の中の「私が“カタツムリの小径”に古い家を買って住んだのは、台南の西門町で最も賑やかな宮古座劇場の裏にあり、繁華街の中にある静かな谷間であることが気に入ったからだ」という一説に由来しているそうです。

“カタツムリ”の様にのんびりゆったりと散策してみてはいかがでしょうか。

また、葉石濤という作家が気になったという方は、林百貨から5分ほどの距離に「葉石濤文學紀念館」があります。

そこでは葉石濤の生い立ちや著作に関する展示などが行われていますよ。

ちなみに、この「葉石濤文學紀念館」の建物も2002年に台南市の古跡に指定された建物で、元々は「山林事務所」として使われていたものです。きれいに修復されて、現在は「葉石濤文學紀念館」として活用されています。

赤レンガ造りの建物は2階建てになっていて、1階は葉石濤の著作物や、手書きの原稿などが展示されている他、「文学における府城の風景エリア」が設けてあって、府城(=現在の台南)の小説やエッセイ、評論、翻訳、出版契約などが紹介されています。

そして2階は葉石濤のリビングを再現したようなスペースや、文学書房、記録映像を見ることができる視聴室があります。

ぜひ、展示物も、建物自体も、共に楽しんでくださいね。

この他にも、台南市の中西区だけでもまだまだ観光スポットがたくさんありますよ!

台南を紹介したガイドブックで必ず登場する、300年以上も前に建てられた有名な「赤崁樓」や、「台南孔子廟」もこの中西区。

そして、台南の路地巡りを人気にした台南を代表する小径「神農街」もこの中西区にあります。

もちろん、台南は中西区だけではありませんので、まだまだ見どころ満載です!

結構、観光スポットはギュッと集まっている印象ではあるのですが、1日では回りきれないほどにたくさんのスポットがあるので、時間が許せば、数日、台南に滞在して、エリアごとにゆっくりと散策して回るのがいいかもしれません。

今週はその一つ、古い建物が数多く残り、それを現代とうまく融合している町、中西区のスポットをご紹介していきました。

旅行が解禁になりましたら、ぜひ台南エリアもたっぷりと楽しんでくださいね。

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