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GO GO台湾 - 2021-04-03_老梅綠石槽~竹子湖「カラー祭り」

  • 03 April, 2021
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台湾北部ではこの春の時期「カラー」も見ごろ。天気のいい日には多くの人が花と写真を撮ったり、花を摘んだりして楽しんでいる。
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独特な地形がまるで緑の絨毯に覆われたかのような姿の「老梅綠石槽」は“絶対に行くべき台湾の秘境”の一つとされている。毎年3月から5月が見ごろだ。

トーク①:春だけの秘境、新北市石門の「老梅綠石槽」≫

4月1日から台湾は南の島・パラオ共和国との「トラベルバブル」が始まりました。この「トラベルバブル」とは、新型コロナウイルス対策を講じたうえで、隔離なしでお互いに渡航を認めるという渡航パターンのこと。4月1日に最初のツアーが台湾から出発しました!

台湾では昨年(2020年)の3月19日から中華民国(台湾)国籍を持たない外国人の入国を原則禁止としましたので、およそ1年ぶりに観光復活への扉が開かれた形です。

とは言っても、まだいろいろと様子を見ながらということで様々な制約があって、空港での核酸検査やツアーでの出入国、帰国後には5日間の強化版自主健康管理と、9日間の一般の自主健康管理、そして再度核酸検査を受ける必要があります。

でもこれをきっかけに少しずつ旅行ができるようになるのかどうなのか、期待しつつ見守りたいと思いますが、皆さんは、また台湾旅行が解禁になったらどこに行きたいですか?

台湾では今、もう夏のような気温の毎日が始まりました。汗かきの私にはつらい季節がまたやってきましたが、だんだんと暖かくなってくると「老梅綠石槽」の季節到来です!

台北市の北、新北市石門区にある「老梅綠石槽」では、毎年3月から5月にかけて、美しい“苔の海岸”が見られるんです。しかもその海岸の形も特殊。

元々は、台北市の北部、新北市との境にある「大屯山」の噴火後に残った海岸線の火山岩礁で、その岩礁の柔らかい部分と固い部分が、長い年月をかけて波に浸食されて縦の溝ができ、その溝の表面に東北風と呼ばれる北東からの季節風がもたらした波が当たって、温かくなるこの時期になるとだんだんと緑色の苔が生えてきます。

その独特な地形がまるで緑の絨毯に覆われたかのような姿は神秘的で台湾のネットユーザーからも「絶対に行くべき台湾の秘境」の一つとされています。ただ近年は人気が高まり多くの人が訪れています。

でも人がいっぱいと言っても、滑りやすく危険なことと、苔の保護のために苔の生えている海岸線の先まで行ってはいけないようになっていますので、人が邪魔になるなんてことなく、素敵な写真が撮れますよ。

ちなみに、苔の生えているところに足を踏み入れると罰金対象となりますので気を付けてくださいね。

今年は天候の関係で、早くに緑の苔がきれいに生えてきましたが、例年3月から5月ごろまでが見頃です。春のこの時期にしか見られませんので、この時期に台湾に来る予定がある場合にはぜひ足を運んでみてくださいね。

ただ、向かう前にひとつ調べておいた方がいいことがあります。それは干潮の時間を調べること!

海岸線の岩礁ですので、満潮だと水に埋もれてしまって、その神秘的な姿を見ることができません。ですので、まずは干潮の時刻を調べて、その前後1時間くらいに合わせていくのがおススメです。

なお、台湾の潮汐予報は、交通部中央気象局のホームページ(https://www.cwb.gov.tw/V8/C/)からも確認できます。トップページの「海象」をクリックすると、その中に、「潮汐預報」がありますのでそれをクリックすると台湾各地の潮汐予報を見ることができますよ。

この「老梅綠石槽」の潮汐は、台湾の北部・新北市の「石門」の予報を参考にしてくださいね。

「老梅綠石槽」までのアクセスは、台北新交通システムMRT(台北メトロ)レッドラインで北の終着駅「淡水」まで行き、駅前のバス停から862、863、865、867、877、892のいずれかのバスに乗って「銘德一村」バス停か、名前が覚えにくかったらその次の「老梅」バス停下車。通りに沿って海岸に5分ほど歩くと到着します。

苔が見ごろのシーズンでしたら、多くの人が同じ目的地に歩いているので迷わないと思いますよ。

トーク②:「老梅綠石槽」の周辺スポット≫

そうそう、この「老梅綠石槽」を楽しみながら海岸線を西に進んでいくと、苔の海岸線を一望できる歩道があります。そこか全体の風景も楽しんでください。そしてそこからさらに西に10分ほど進んでいくと先月、このコーナーでご紹介した台湾最北端の灯台で、まるでマリンルックのボーダーシャツを着ているかのような白黒のボーダー模様が特徴の「富貴角灯台」、に着きますよ。

「老梅綠石槽」から「富貴角灯台」に行き、そこから近くの「富基漁港」まで行って、そこで新鮮な魚介の料理を楽しんで、「富基漁港」から徒歩10分ほどの場所にはレンガ造りの迷路が楽しめる「老梅迷宮」がありますので、そこでちょっと遊んでから帰る…というコースもいいかもしれません。

ちなみにこの迷路、大人は顔が出るくらいの高さですが、子供たちにとっては巨大迷路。

迷路を俯瞰してみればすぐにわかる出口も、自分が中に入り込んだらなかなか難しいので、先が見える大人でもなかなかスムーズに出られないので、意外と子供よりも大人の方がワイワイ楽しんでいるかもしれません。

ぜひチャレンジしてみてくださいね。

逆に「老梅綠石槽」から東に行くコースもおススメです。「老梅」バス停からバスで東におよそ10分「石門洞」バス停を降りたところに「石門洞」があります。

この「石門洞」は、自然が作り出した岩のトンネル。実は地形学上の正式名称は“海に浸食されたアーチ”という意味の「海蝕拱門」と言います。

その地形学上の名前の通り、「大屯山」の噴火後に残った海岸線の火山岩礁が波によって削られ、地殻が隆起したことで、今では10メートル以上の高さのあるアーチ型のトンネルとなっています。その一層一層の美しい層を間近ではっきりと見ることができますし、「石門洞」のトンネルの先に海と空が広がり、人気のフォトスポットとなっているんです。

しかもこの「石門洞」は階段があって、上って上から海を見渡せる展望スポットにもなっています。

この「石門洞」付近の海岸は波の穏やかな砂浜になっていて、海岸沿いには魚やヤドカリたちもたくさんいます。釣りをしている人や、子供を連れてきて魚やカニを捕まえて遊んでいたりもします。

この時期、4月から5月にかけては、台湾の原生種であるユリや、多肉植物の「シナマンネングサ」がたくさん咲いて、「石門洞」の上から眺めるときれいですし、この付近の生態系の豊かさを感じられます。

ちなみに、このエリアの名前が「石門」と呼ばれるようになったきっかけは、この「石門洞」にあるそうで、日本統治時代にこの自然が作り出した奇妙なトンネルの形に驚いた日本人がこの地を「石門庄」と名付け、それがのちに地元の村の名前となり、それが今も使われているんだそうです。

トーク③:竹子湖「カラー祭り」≫

台湾北部ではこの春の時期、このほかにもおすすめのスポットが「大屯山火山群」の近くにある「竹子湖」。

標高670メートルの場所に位置する「竹子湖」は、かつては火山の噴火によってできた天然のダムで、水が引いていくことで肥沃な土壌が残り、そこで農村が形成されました。

近年では、その地元で生産している花などの産業と、自然や文化資源を組み合わせたレジャー農業が発展していて、台北市で3番目のレジャー農業エリアとなっています。

その「竹子湖」では、この時期、カラーの花が満開となり、「竹子湖カラー祭り」が行われています。カラーはちょっと白いユリに似ている、ラッパのような円錐形の形が特徴の花です。中国語では「海芋」と書きます。

現在、この「竹子湖」のカラー畑の総面積はおよそ13ヘクタール、東京ドーム2.8個分。台湾全体の生産量の80%以上を占めているそうです。

ですので、この時期この「竹子湖」に来ると、あちらこちらでカラーが咲いていて、とても優雅な気分になります。

しかも、ただ鑑賞するだけではありません。なんとこの「カラー祭り」の時期は、カラーの花を摘んで持って帰ることができるんです。

カラー摘みができる農園には「採海芋」と書いてあります。この“海”、“芋”はカラーの花のことを言います。

カラー摘みができる農園を見つけたら、畑への入場料を払います。

大体100~150台湾元(日本円でおよそ390~580円)くらいで、6本~8本摘んで帰れますよ。

また、カラーは湿地性のものと畑で育つものとあって、この「竹子湖」では両方が楽しめます。湿地性の畑でのカラー摘みをする場合は“胴長”と呼ばれる胸元まである防水のズボンを着用しなくてはいけませんが、畑で育つカラーの方はそのままの格好で摘むことができますので、女性にはこちらの方が人気です。

カラーの花というととてもエレガントで、私の勝手なイメージとしては、マーメードドレスのウエディングドレスを着たすらっとした女性が持つようなおしゃれな大人のイメージで、私には似合わないかなぁ…と、花屋さんでも自分で買って帰ったこともないのですが、台湾ではこんなに身近に、しかも自らカラーの花を摘むことができますよ。

なお、どんな状態のカラーを摘んだらいいかというと、ベストは3分咲きから5分咲きのもの。それだと毎日水を替えれば10日間ほどきれいな花を楽しめるそうです。

ただ残念ながら生花は日本に持ち帰ることはできませんので、花は台湾滞在中に楽しむか、台湾でお世話になった方などにプレゼントしてもいいかもしれません。

また、花を摘むことよりも、カラーの花畑で素敵な写真を撮るのが目的!という人も多くいるので、どの畑も素敵な写真が撮れるように花畑のベストポジションにブランコやオブジェなどが設置されていますので、それらも活用して皆さんもぜひここで素敵な写真を撮ってみてくださいね。

「竹子湖」までのアクセスは、「竹子湖カラー祭り」開催中は、台北新交通システムMRT(台北メトロ)レッドラインの「石牌」駅下車、駅前のバス停から128番もしくは「小8」番のバスで、台北メトロ「北投」駅からだと、129番もしくは「小9」番のバスに乗っていずれも「竹子湖」バス停下車です。

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