GO GO台湾 - 2021-02-20_朱銘美術館

  • 20 February, 2021
新北市の北東部・金山エリアにある「朱銘美術館」。ここは台湾の有名な現代彫刻家・朱銘の台湾最大の屋外彫刻美術館。地形を生かした自然の空間に作品が溶け込んでいる。(写真:CNA)

トーク①:永康街の「度小月」が閉店、コロナによる観光客減少の影響≫

台湾は今週、旧正月の連休が明け、新たな一年がスタートしました。私は旧正月の連休中も仕事をしていたとはいえ、間でちょこちょことお休みを取っていたので、今週1週間は曜日感覚が戻ってこないまま過ぎ去っていきました。

私は今回5年ぶりに台北で旧正月を迎えたのですが、家の近所は旧正月2日目までは本当にどこもお店が閉まっていいて、開いているお店と言えば、コンビニとカフェチェーン店と宝くじ売り場くらいで、たまに開いている飲食店を見つけても行列になっていたりと、外食はちょっと苦労しました。

旧正月3日目くらいから徐々にお店が開き始めたりはしていたんですが、いつもの台北とは違う、人も車もお店もちょっとのんびりした時間が流れていました。

そんな旧正月連休中、日本人観光客にも人気の観光地・永康街を通ったときに、台南名物・擔仔麵の有名店「度小月」が毎日休まず開いていたんですが、結構人が並んでいたので入らずに別のお店に行ったんです。ところが何と!旧正月連休明けの仕事初めの日2月17日に突然閉店のお知らせが流れてきました。事前に何のお知らせもなく、突然のことでニュースにもなっていました。観光で訪れた際に食べに行ったことがあるという人も多いのではないでしょうか。

元々人気観光地という場所柄家賃が高かったうえに、新型コロナによって外国人観光客が来られなくなったことにより閉店を決めたそうです。

私も連休中に通りかかった時になんで入らなかったんだろうと後悔しています。

なお、「度小月」の永康街以外の他の店舗は引き続き営業をしています。ただ、この永康商圏では、「度小月」の他にも、永康街に戻ってきていたマンゴーかき氷を広めたことで有名な「ICE MONSTER」が閉店したり、こちらも観光客に人気の上海料理のお店「高記」が移転したりと、昨年(2020年)の3月からすでに45軒ものお店が閉店しているそうです。

新型コロナの感染状況は落ち着いていて、これまでとほぼ変わらない生活ができている台湾ですが、観光地ではやはり影響が出ています。

皆さんが早く台湾に行きたい!と思っているのと同じように台湾のお店の人たちも皆さんに早く来て欲しいと願っています。

トーク②:朱銘美術館≫

一方で海外に旅行に行けない今、台湾の人たちは旧正月の連休中も国内旅行に飛び回っていて、各地の観光スポットは人であふれていたようです。

台北市のお隣、新北市の北東部、萬里エリアと金山エリアでも、連休に入る前から、渋滞すると予測され、交通部観光局の北海岸および観音山風景区管理処は渋滞を避けるために、無料のシャトルバスや駐車場の案内などを出したりもしていました。

というのも、この萬里エリアと金山エリアには、“女王頭(クイーンズヘッド)”で有名な「野柳地質公園」や「龜吼漁港」「金山老街」「朱銘美術館」などの人気観光スポットがあるんです。

この新北市北東エリアの「野柳地質公園」や「金山老街」は、以前このコーナーでご紹介したことがありますが、萬里エリアにある「野柳地質公園」は、風や波によって浸食された変わった形の岩が並んでいる景勝地で、キノコのような形をした岩や、キャンドルのような形をした岩、スリッパのような形をした岩など、不思議な形をした岩があちこちにあります。しかもどれも自然が作り出したものですが、こんなに面白い形が偶然できるものなのかと驚きます。中でも最も有名なのが、まるで王冠を被った女王の姿にも見えることから名づけられた「女王頭(クイーンズヘッド)」は、この「野柳地質公園」のシンボルとなっていていますが、自然のものなので今も風化が進んでいて、「クイーンズヘッド」の首にあたる部分が年々細くなっていて、あと数年で折れてしまうのではないかとも言われています。自然の力のすごさと、不思議さを感じられるスポットとなっていますよ。

また、広い公園内では時期によっては夜間にこの不思議な形をした岩たちをライトアップし、それを背景に野外コンサートなども行われたりしています。

まだ行かれたことのない方は、ぜひ「クイーンズヘッド」の首が折れてしまう前に行ってみてくださいね。

その「野柳地質公園」の近くにある「龜吼漁港」は、カニがとても有名で、ここでとれる「萬里蟹」は台湾のブランド蟹となっています。しかも、台湾の海で採れる蟹の8割以上を占めるそうですよ。蟹だけでなく、他にも新鮮な海の幸を楽しめるお店がたくさん並んでいるので、美味しい魚介類を堪能できます。

「野柳地質公園」から「龜吼漁港」までは歩いても行けますが、歩くと30分ほどかかるので、タクシーに乗るのがおススメです。車だと5分ほどで着きますよ。

そして、金山エリアにある金山老街といえば、清朝時代に栄えた街で、300年以上の歴史がある金山最古のストリート。ここの「金山鴨肉」というお店のアヒルのお肉も忘れずに食べてくださいね!とご紹介したことがあると思います。オーダーしたらすぐに料理が出てくるので自分で席までもっていくスタイルなんですが、なんとオーダーする場所と席がある場所は、オールドストリートを挟んで向かい側にあるため、人であふれるオールドストリートを料理をもって渡らないといけないのです。そのため、オールドストリートを料理が乗ったお皿を手に歩いている人の姿をよく見かけます。

みんな、アヒル肉はマストで注文して、その他にタケノコや海鮮を炒めたもの、また焼きそばなどを合わせて頼む人が多いですよ。

他にもこの金山老街には美味しいお店や美味しいものがいっぱいですので、食べ歩きが大好きという方には特におすすめです。

そして、金山エリアまで来たらぜひ足を運んでほしいのが「朱銘美術館」。ここは、台湾の有名な現代芸術彫刻家・朱銘の屋外彫刻美術館です。

15歳より彫刻師・李金川から彫刻と絵画を学びはじめ、30歳の時に台湾彫刻界の大御所・楊英風に弟子入りし、伝統彫刻と現代彫刻を融合させた作品で世界からも注目される国際的彫刻家です。

文化の精神と太極拳の動きを融合させた「太極シリーズ」や、人間の様々な形を表現する「人間シリーズ」などがあり、ゴツゴツとしたフォルムなのに柔らかさを感じ、とても人間味のある作品が特徴です。

「太極シリーズ」の“十字手”という作品はとても有名で、台湾のところどころに展示してあるので見かけたことがある方もいるのではないでしょうか。私も以前、ホテルのエレベーターホールに、小さいサイズの“十字手”が飾ってあるのを見かけたことがあります。

そんな朱銘の作品がずらりと並ぶ美術館は、台湾最大の屋外美術館で、元々は自身の大型の作品を置いておく場所としていたのですが、そこを美術館にしようと考え、12年の歳月をかけて1999年に完成させました。

東京ドームが2つすっぽりと入ってしまう32,000坪もの広い敷地に、1000点近い朱銘の作品や、彼の収蔵品が集められています。

“美術館”なのですが屋外の部分が多く、しかも地形を生かした自然な空間に、芝生や木々といった緑も多く、池や花壇もあって、その景色の中に作品が溶け込んでいて、公園を散策するような感覚で芸術作品を楽しむことができます。

私が気になったのは、大きな作品よりも等身大の人物が並んだ作品で、どの人物もゴツゴツしているし、表情は描かれていないのに、それぞれに個性があって、まるで表情が見えてくるような雰囲気に虜になりました。

顔はわからないのに、「この人(像)、なんとなく好き」なんて惹かれる人物がいたり、陸海空の軍隊をテーマにした「三軍シリーズ」の中には、重い表情が伝わってくる人物がいたり、まるで作品を見に来た鑑賞者側であるかのような、話し声が聞こえてきそうなグループの人物たちがいたりと、朱銘が廟の彫刻を学んだベースがあるからなのでしょうか、どの彫刻も人間味や生命感を感じました。

しかも、作品の周りに柵がしてあったりするわけではないので、間近で見ることができますし、すぐ横に並んで同じポーズで写真を撮ったりしている人もたくさんいて、私もみんなの真似をして一緒に写真を撮ってきました。

自然と芸術とを楽しめる場所とあって、台湾の小中学生が学校行事で訪れることも多いようです。また、小さな子供連れで訪れる人も多く、屋外には、子供たちが床にチョークで絵を描いたりして楽しめるスポットがあったりもして、親子で遊びながらアートに触れられる場所ともなっています。

ゴツゴツしているのにどこか柔らかさを感じる作品の一つに、人物ではなくファスナーのアートもありました。これは池を囲むように石でファスナーが表現されていて、まるでファスナーを開けたら池が出てきたというような錯覚を感じるデザインとなっています。ファスナーの開いた部分の柔らかな曲線と、閉まっている部分の硬い直線の感じのコントラストがすごくリアルで、それが自然と融合している様子がとても好きな作品でした。

このように屋外にたくさんの作品があるのでお天気のいい日に行くのがおススメですが、台湾の夏場はかなり暑いので、夏に行く際には日傘を持っていくことをお勧めします。また、雨の日は雨の日で、違った空気感を感じられますし、屋内展示もとても充実しているので十分に楽しめると思いますよ。

ちなみに、「朱銘美術館」に集められている朱銘の収蔵品の中には、ピカソや、ヘンリ・ムーア、アンディ・ウォーホールなどの世界的に有名な芸術家の作品も含まれていますので、それらの展示も探してみてくださいね。

また、美術館の敷地内にはカフェなどもあります。広い敷地を歩いてちょっと休憩したいな~という場所にちょうどカフェがあるので、そこで景色を楽しみながらちょっとのんびりするのもいいですよ。

「朱銘美術館」までのアクセスは、台北駅の東出口を出てすぐ側にある國光客運のバス停から1815番の金山行きに乗って、金山區公所バス停下車、そこから「朱銘美術館」行きのシャトルバスが出ています。シャトルバスは平日火曜日から金曜日は午前10:30と午後14:00の2本、土日祝日は、それプラスお昼12:30の3本出ています。

なお月曜日は休館日となっています。

ちなみに、この「朱銘美術館」から望む丘の上に、テレサ・テンが眠るお墓があります。あわせて訪れてみてはいかがでしょうか。

私が連れて行ってもらった時も、外国人観光客よりも台湾人の観光客の方が多かった、台湾の人たちが訪れる観光スポットの一つ金山エリア。

萬里エリアの「野柳地質公園」と併せて訪れるのもいいですし、この金山エリアのスポットを目的に訪れてゆっくりと楽しむのもおススメですよ。

台湾旅行が解禁になった際には、ぜひ足を運んでみてくださいね。

(編集:中野理絵/王淑卿)

Program Host

関連のメッセージ