≪トーク①:新規感染者“0”≫
≪トーク②:台北のご当地カラーマンホール≫
新型肺炎の影響でつい下を向いてしまいがちな日々ですよね…。そんなときには「上を向いて歩こう!」なんてよく言われますが、たまには下を向いて歩くと、いつもと違う出会いがあるかもしれません。
日本では数年前、“足元の芸術”として「マンホールの蓋」に注目が集まりましたが、台北でも今、マンホールの蓋に注目が集まっているんです。
なぜかというと、先日、「台北蓋水(たいぺい・がいすい)“マンホール改造計画”」として、その土地の特徴が描かれた美しいカラーマンホールがお披露目されたからなんです!この「台北蓋水(たいぺい・がいすい)」という名前ですが、「蓋水」の部分は台湾語で(ガイスイ、蓋は最も、水はきれいという意味。)と発音し、「最も美しい」という意味。さらに、“マンホール”を意味する中国語は「人孔蓋」のですがその“蓋”という字、そして“水”という文字…と、発音と文字から意味を絡めて、このプロジェクト名がつけられたんだそうです。
その「台北蓋水(たいぺい・がいすい)“マンホール改造計画”」によって、台北市の12ある行政区のうち、南港區(なんこう・く)、大同區(だいどう・く)、中正區(ちゅうせい・く)、萬華區(ばんか・く)の4つの行政区のご当地カラーマンホールが作られているんです。
あら?でも前に台湾でカラーマンホール見たことあるよ?という人もいるかもしれません。そう、実はこれ、初めての取り組みではないんです。2012年に台北市が台北のランドマークで世界有数の超高層ビルである「台北101」とお茶の産地として有名な「貓空(マオコン)」のロープウェイなど観光スポットを描いたご当地カラーマンホールを作っているんです。私も数年前に初めて見つけた時、台湾にもカラーマンホールがあるんだ!と写真を撮ったのを覚えています。しかし、そのあと計画は継続されなかったんですが、8年ぶりに再始動したんです。
今回、4人のデザイナーのチームがそれぞれの区を担当。このご当地マンホールは、美しさだけでなく、その土地の特徴を表しているのがポイントです。例えば、大同區(だいどう・く)のマンホールには、恋愛の神様で有名な“月下老人”が祀られている「台北霞海城隍廟(たいぺい・かかいじょうこうびょう)」が描かれていたり、中正區(ちゅうせい・く)のマンホールには蒋介石が祀られている「中正紀念堂(ちゅうせいきねんどう)」が描かれていたりします。このほかにも、一つのマンホールの中に、その区の様々な特徴や要素が盛り込まれていて、じっくりと観察すると面白いですよ。
さらには、このマンホールたち、全て「Bottom view」という特別な視角から描かれているんですよ。つまり“マンホール目線”、下から見上げた目線で街の特徴が描かれているんです。あぁ、マンホールからはこう見えるのか~と色々想像しながら楽しめそうです。
ただ、マンホールの蓋は時には作業のために開けたり、人や物が通るときに滑ったりしないよう、使用性や安全性も考慮しなくてはならないので、そのためにデザイナーも48回も繰り返しテストを行い、台湾の鋳造メーカーや、日本の専門技師も呼んで設計の安全性などを何度も確認したんだそうですよ。
この新しいご当地カラーマンホールは、今年年内に設置される予定ですので、来年には、台北の街のあちらこちらで見ることができると思います。楽しみですね。
一足先にどんなデザインか全部見たい!という方は、Facebookに「台北蓋水」のオフィシャルページがあって、そこに全種類紹介されていますので覗いてみてくださいね。アドレスはhttps://www.facebook.com/TaipeiWow/ 、もしくは「台北蓋水」で検索してください。
ちなみに、台北だけでなく、台湾中部の街、台中市にもご当地カラーマンホールがあります。2017年に台中市の中心部を流れる緑川をデザインしたご当地カラーマンホールを打ち出したところ好評で、翌年の秋には豐原(ほうげん)、水湳(すいなん)、太平(たいへい)の3つのエリアのご当地カラーマンホールを作っています。
これから台湾でもどんどんこのようなオシャレなご当地カラーマンホールが登場してくるかもしれません。たまには下を向いて歩くのも楽しそうです。
(編集:中野理絵/王淑卿)