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Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送文化の台湾 - 2022-07-15_台南の「幽霊」関連イベントと、道教の儀式「破地獄」

  • 15 July, 2022
文化の台湾
南部・台南市の台南美術館で行われている「亞洲的地獄與幽魂(アジアの地獄と幽霊)」特別展が今、話題となっている。(写真:CNA)

今、台湾では、南部・台南市の台南美術館で行われている「亞洲的地獄與幽魂(アジアの地獄と幽霊)」特別展が話題となっています。

この特別展は、フランス・パリのケ・ブランリ美術館との共催。

アジアにおける「未知の世界に対する恐怖と想像」を紹介するという趣旨で、台湾での開催に当たり仏教や道教など宗教の影響、日本統治時代に形成された文化などの紹介も盛り込まれています。

開催前の事前告知の際に、台南美術館のフェイスブックで清朝時代の役人の姿をしたキョンシーの展示物3体の写真を公開したところ、「リアルすぎる!」と話題になり、1日も経たないうちに1万件以上のコメントが寄せられ、公式サイトのサーバーがダウンする事態に。

中には、「不快だ!」、「呪う気か!」、「気分が悪くなる」と開催を反対する声もあったそうですが、台南美術館を視察した台南市の黃偉哲・市長が「文化的な視点で展示を楽しんで欲しい」とコメントするなど、大きな話題となりました。

そして、特別展開催初日の6月25日には、炎天下にも関わらず、館外に長蛇の列ができて、入館者数を制限するために2度に渡って入場券の販売を一時停止したそうです。

そんな大注目の「亞洲的地獄與幽魂」特別展が、間もなくやって来る中華圏のお盆月「鬼月」に合わせ、あの世との扉が開いた旧暦7月1日の翌日(西洋暦では7/30)、旧暦7月15日の中元節の翌日(8/13)、そしてあの世との扉が閉まった旧暦7月末日の翌日(8/27)の3回の土曜日に「破地獄 - 亞洲的地獄與幽魂之百鬼漫遊Cosplay 午夜專場(地獄破り-アジアの地獄と幽霊の百鬼夜行コスプレ・ミッドナイトスペシャル)」と題したイベントを行います。

毎回、夜21時から深夜0時まで、ペア150組300人限定で、アジアの幽霊や妖怪などのコスプレでのみ入場が可能となります。

昨日(7/14)からそのイベントのチケットが発売されたのですが、この日だけでペアチケットの指定枚数は完売したそうです。

ちなみに、このコスプレイベントのタイトル「破地獄 - 亞洲的地獄與幽魂之百鬼漫遊Cosplay 午夜專場」、この「破地獄」とは、道教の基本的な教えによる儀式のこと。

道教では、生前に罪を犯した者は死後、地獄に追いやられると言われています。

民間の言い伝えでは、釈迦の十大弟子の一人、目連が、修行によって得た力で亡くなった母親が死後の世界でどのようにして過ごしているか見に行ったところ、地獄で苦しんでいるのを目にしました。その亡き母の姿を見た目連はお釈迦さまに助けを求め、仏の力を借りて地獄に入り、禅の杖で地獄の門を壊し、地獄にいる母親の魂を救ったと言われています。

それが由来となっていて、道教の「破地獄」の儀式は、神の光の力で地獄の門を開いて暗闇を突き破り、故人の霊を一刻も早く地獄から生まれ変わるように導くことなんだそうです。

一般に「破地獄」の儀式は、葬儀当日の夜19時頃から22時半頃まで行われ、お金の代りとなる「元寶」と死者の名前を書いたもの(通称:開位)を葬儀場の中央の地面に置き、それに火をつけ、死者の親族を率いて火を囲んで仏典を唱えます。この火は地獄を表しています。

そして、道士が火の回りを数回回った後、「元寶」を取り囲むように置いてあるたくさんの瓦の欠片を、桃の木で作られた魔よけの剣、「桃木劍(桃剣)」を振り回し、割るような動作をします。

これによって、親族は故人が目覚めたと感じ、慰められるというものなんだそうです。

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ちなみに、台南市では、旧暦7月の「鬼月」に合わせて、幽霊に関するイベントがもう一つ行われます。台南市観光局が「殭屍閃一邊 最強女鬼在台南(キョンシーはさておき、最強の幽霊は台南にいる)」をメインテーマに、専門家や学者を招いて、台南で起こったオリジナルの怪談を紹介し、台南の別の世界を知る事ができるツアーを企画しています。

予定では、「鬼月」に入った二日目の7月30日にツアー第1ステージを計画しているそうです。

でもなぜこんなに台南で“幽霊”熱が高いのかというと、清朝時代末期、台湾では「四大奇案(4大怪事件)」が起こっていて、どれも幽霊などにまつわるとされているんですが、その「四大奇案」のうち3つが府城(今の台南市)で起こっているんだそうです。

発展の歴史が長いということもあり、そのような幽霊にまつわる話も多いことからだそうです。

台湾では日本のように夏に肝試しで「ヒヤッ」と肝を冷やして涼しくする…という習慣はあまり聞いたことがなく、むしろ怖がっていて、「鬼月」には霊の邪魔をしないように数々のタブーを破らないように気を付けている人が多いのですが、今年の夏は、普段、あまり関わらないようにしている「幽霊」に関するイベントが台南で色々と準備されています。

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