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Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送文化の台湾 - 2022-05-27_世界からも注目を集める「電音三太子」

  • 27 May, 2022
文化の台湾
スイスのジュネーブでWHO世界保健機関の第75回年次総会(WHA)が行われるのを前に、8か国以上の台湾華僑協会と150人を超える華僑の人々が、国連ジュネーブ事務局があるパレ・デ・ナシオンの前で台湾のために声をあげた。その際、サプライズで登場した「電音三太子」に多くの人から注目が集まった。(写真:CNA)

今、スイスのジュネーブで、WHO世界保健機関の第75回年次総会(WHA)が5月22日から28日までの日程で行われています。ニュースでもお伝えしていますが、台湾はオブザーバー参加を求めていましたが、今回も参加は叶いませんでした。しかし、総会が始まる前から、台湾の関係者はもちろん、様々な国が台湾の参加を求める声をあげていました。

そして、総会開催の前日(5/21)には、スイス、フランス、アメリカ、アイルランド、スウェーデン、ハンガリーなど、8か国以上の台湾華僑協会と150人を超える華僑の人々が、国連ジュネーブ事務局があるパレ・デ・ナシオン(Palais des Nations)の前で台湾のために声をあげました。

その際に、台湾の「電音三太子」という神様もサプライズで登場し、集まった多くの人たちから注目を集めていました。

この「電音三太子」という神様とは、いったいどんな神様かというと、テクノ調の音楽で踊るなかなかポップな神様です。

台湾のお祭りやパレードで見かけたことがあるかもしれませんね。

その「電音三太子」を紹介する前に、まずは「三太子」についてご紹介しましょう。

「三太子」は台湾のほとんどの廟で祀られている伝統的な神様です。

台湾は明朝時代の末ごろより、中国大陸から台湾へ移民が渡ってきました。それと同時に中国文化も台湾に入ってきました。特に初期の移民者たちは、多くの困難を乗り越えて台湾にたどり着き、台湾に上陸した後も、疫病や天災に悩まされ、彼らは独自の信仰や地域の伝説に頼って問題を解決せざるを得ませんでした。これが、台湾の独特な色彩と多元文化を形成した要因です。

そして、中国の民話である「西遊記」や「封神演義」、そして仏教の信仰に記録されていた、後に「三太子」と呼ばれる「哪吒」も台湾で広がっていきました。

「封神演義」の中に記されている「哪吒」は、唐の時代初期の名将として知られる「李靖」の3番目の息子で、7歳の時に、海辺で水遊びをしていた東海龍王の息子を誤って殺してしまい、龍王を怒らせてしまったため、「哪吒」は両親を巻き込まないために自ら死をもって謝罪することとしました。その後、大師「太乙真人」の助けによって、生身の神として生まれ変わり、天軍を率いることとなりました。

「哪吒」は主に3つの分野を担当していて、一つは神の5つの陣営の中で最も力があり、5つの陣営の兵を率いて里を守るという役割。

2つ目は、「哪吒」は1人の子供で、活発でかわいらしく、遊び心にあふれた姿であることから、「子供の守り神」。

そして3つ目に、「哪吒」の足元にある「風火輪」が、タイヤの様であることから、プロのドライバーやタイヤ業者の神様でもあります。

このような性格、外見の特徴、伝説的な力などから、台湾で「哪吒」は人気の民間信仰の神となり、台湾全土に広がっていきました。

そのため、台湾のほとんどの民間の廟に祀られています。

では、そんな伝統的な「哪吒」=「三太子」が、いつから、どうして、現代的なテクノ調の音楽で踊るようになったのでしょうか。

台湾の廟の祭りの中では伝統的に、神様が廟の外に出てきて、「陣頭」と呼ばれる隊列の人が神様に扮して練り歩くのですが、伝統的な「三太子」も元々は、廟の祭りや、厄除け祈願式といった際に、「陣頭」に登場し、人々に安心感を与えてきました。

この「陣頭」には、たとえば、「土地公」と呼ばれる土地神様や、千里眼、順風耳、神童など、様々な神様も登場します。

そして、当時、「三太子」のパレードも、他の神様同様、伝統音楽と共に行われ、神様を象徴するステップを踏みながら練り歩いていました。

ところが、これではあまりにもシンプルで特徴がないとされ、淘汰されたことがありました。そこで、「三太子」を崇拝してきた人たちは、何とかして「陣頭」でかつての盛り上がりを再現しようと考えて、誕生したのが「電音三太子」なんだそうです。

ちなみに、「電音三太子」の起源は様々な説がありますが、有名なのは2つあって、一つは、台湾中部・雲林の北港で、子供たちを惹きつけるために、童謡を「三太子」のBGMにしたのがはじまりという説。

そして、もう一つは、台湾南部・嘉義の朴子で、あるフリースタイルダンスが好きな学生が、25キロもある「三太子」を着たまま、テクノ調の音楽に合わせて踊ったのがはじまりだという説があります。

そして、2006年に、台湾第二のエスニックグループ客家の祭り「台客搖滾嘉年華(台湾客家ロックカーニバル)」に参加し、人気ロック歌手、伍佰(ウーバイ)から正式に命名され、2009年には、「第8回 ワールドゲームズ」の開幕式に登場し、世界的に注目を集めるようになりました。

伝統的な「三太子」の演出に対して、「電音三太子」の演出は、伝統的な廟の祭りの文化と、テクノミュージックとポップダンスを融合させたものとなっています。

伝統的なものに、新たなもの、現代的なものを加えるというのは、反対があったり、勇気がいったり、なかなか難しかったりするものですが、比較的すんなりと受け入れられているような印象があるのは、多様性のある文化のもとに育った台湾の人たちの、新しいものもどんどんと受け入れる柔軟さによるものなのかもしれませんね。

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