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文化の台湾 - 2022-05-06_台湾の母の日

  • 06 May, 2022
文化の台湾
(写真:母の日のカーネーションを買う人々/CNA)

日本は、まだゴールデンウイークのお休み中です!という方も多いかもしれませんね。最長10連休ですか?うらやましいなぁ~

でもそんなに長く休むと、私はすぐだらけてしまうので、連休明け、仕事に復帰するのが大変そうです。

さて、そのゴールデンウイーク連休最終日にあたる5月8日は5月の第2日曜日、そう!「母の日」です。

「母の日」の始まりは、ご存知の方も多いと思いますが、アメリカのフィラデルフィアに住む女性、アンナ・ジャービスが、亡き母を追悼するため、1908年5月10日にフィラデルフィアの教会で白いカーネーションを配ったのが始まりだとされています。

その習慣が徐々にアメリカ全土に広がり、1914年には、当時のウィルソン大統領が、5月の第2日曜日を「母の日」と制定し、国民の休日となりました。

ちなみに、白いカーネーションは、アンナのお母さんが一番好きだった花だそうで、アンナは、「カーネーションの花は下を向かない。枯れるまで雄しべにしっかりとくっついて花が落ちない。その様子はまるで母親が我が子を胸に抱くようで、母の愛は永遠に死んでしまうことはない(永遠である)」と語っていたそうです。

そのようなことから、カーネーションが「母の日」の象徴となり、亡くなった母への花は「白いカーネーション」、母が健在であれば「赤いカーネーション」を贈るようになったとい言われています。

ちなみに、日本で初めて母の日のイベントが行われたのは明治末期ごろ。アメリカから、キリスト教由来の行事として日本に入ってきたそうです。そして1915年(大正4年)には教会でお祝いの行事が催されるようになりました。

その時は、キリスト教のお母さんに感謝する日、「マザリングサンデー」にあたる3月が「母の日」として認知されていました。

そして、1931年に大日本連合婦人会が結成されると、昭和天皇の皇后さまの誕生日である3月6日が「母の日」として公式に制定されました。しかし、一般には普及せず、国民的行事として広がっていったのは、1937年。お菓子会社が「母の日大会」を開催したのがきっかけです。これ広く知れ渡ることとなり、戦後、再びアメリカ文化が入ってくると、アメリカに倣って5月の第2日曜日が「母の日」となりました。

台湾も母の日は同じく5月の第2日曜日で、「母親節」と言いますが、では台湾はいつから「母の日」が始まったのでしょうか。

台湾では、1931年5月10日に、現在の「臺北市國語實驗國民小學校」の場所にあった、当時の「台北女子高等学院」で母の日の活動を行ったというのが最初の正式な記録だそうです。

この「台北女子高等学院」は日本統治時代の台湾の女性の最高学府で、この日、全校生徒は胸元に赤や白のカーネーションを付けて登校し、午前9時、杉本学院長の挨拶の後、1929年にアメリカのコロンビア映画社が製作した映画「The Quitter(邦題:輝く人生)」が上映され、上映後、ちょうど台湾で巡回公演を行っていた有名な社会教育家の一条秀美氏と、学校の小川重富主事が続けて公演を行い、学生たちに母の日の由来を紹介しました。僅か2時間のイベントだったそうですが、これが台湾で最初に行われた「母の日」の活動だとされています。

そして、1930年代には、子供たちの一般常識の中に「母の日」の物語が浸透していきました。

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台湾も小さい頃から「母の日」にはお母さんにカーネーションの花をプレゼントをすると教えられます。そして家族の繋がりが日本と比べても強く、しかも特にお母さん大好き!というのを表現する人が多い台湾では、「母の日」の過ごし方と言えば、家族みんな集まってレストランで食事をしたり、プレゼントを贈るのが定番です。

プレゼントは、カーネーションはもちろんですが、面白いのがスイーツのプレゼント。

日本でも「母の日」にスイーツをプレゼントする人も少なくありませんが、この場合のスイーツと言えば、多くは、個々のスイーツを詰め合わせたものや、ケーキでもカットケーキタイプのものを選ぶと思いますが、台湾では“ホールケーキ”が登場します!

いつから台湾の「母の日」ではケーキを食べるようになったのかはわからないそうですが、20~30年前ごろから始まったようで、まだケーキが特別な日にしか食べられない“贅沢品”だった時代、お母さんを労う意味でケーキで母の日を祝う家庭が増えたという話や、昔は自身のちゃんとした生年月日を知らない人も少なくなく、「母の日」を誕生日とし、一緒にケーキを食べてお祝いしたからという説もあるそうです。

でも、やはり何よりも大切なのは日本と同じく、お母さんへの感謝の気持ち。

どんな形であってもお母さんは、その“気持ち”が一番うれしいプレゼントのようです。

ちなみに、日本では、「母の日」にお母さんにプレゼントを渡すときは「いつもありがとう」と言う人が多いと思いますが、中国語では「母親節快樂」と言います。

そしてこれは、当日の挨拶としても使われて、例えば、「母の日」当日、友人・知人と別れ、帰る際の挨拶にも「拜拜~、母親節快樂」と言われたりします。そのため、日本語がわかる方から別れ際に日本語で「バイバイ~、母の日おめでとう!」と言われ、最初はなんだか違う…とモヤモヤしていましたが、この場合は「よい母の日を(お過ごしください)!」がぴったりかも!と伝えてみたりしています。言葉って難しいけれど面白いですよね。

この「快樂」は「母の日」に限らず、様々なシーンで「〇〇快樂」という挨拶が出てくるので、ちょっと気にして聞いてみてくださいね。

5月の第二日曜日(5/8)は「母の日」です。今年は、皆さんはどのようにして過ごされますか?「母親節快樂(よい母の日をお過ごしください)」!!

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