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Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送文化の台湾 - 2022-01-07_台湾で最も慕われている神様「媽祖」様

  • 07 January, 2022
文化の台湾
媽祖様は1/8、瑞芳駅から平溪線の特別列車に乗って「十分」駅まで移動。多くの人がその姿を見に訪れた。(写真:CNA)
文化の台湾
媽祖

台湾の人々に最も慕われている有名な神様と言えば、海の女神「媽祖」─。

「媽祖」は「天上聖母」のことで、台湾の人たちは親しみを込めて「媽祖婆」と呼んだりします。

「媽祖」は、古く宋の時代に実在した「林默娘」という人物が神となったものとされています。

この「林默娘」は、小さい頃からとても聡明で、13歳の時に1人の道士と出会い、方士の行う術、方術を伝授されました。そして16歳の時に神通力を得て、以来、悪霊を退治することができるようになりました。

28歳の時、海に漁に出た際に海難に遭った父を助けるために「林默娘」はその身を海に投じ、死後、神様となりました。

その後、真っ暗な海で遭難した漁師たちが救われることが度々起こり、次第に海の守り神として信仰を集めるようになったとされています。

台湾には昔、福建省から多くの人が開拓にやってきましたが、中国大陸から台湾に渡ってくる際、航海中の安全を祈って「媽祖」を祀り、無事に台湾に到着したことを感謝して、台湾に「媽祖」の廟を建てたのが、台湾における「媽祖」信仰の始まりとなっています。

ちなみに、台湾の西の離島、連江県の馬祖列島の名前は、この「林默娘」の遺体が打ち上げられたという伝承が由来となっているそうです。

馬祖列島の「馬祖」は、「媽」の方ではなく、「馬」と書きますが、これは2つの説があって、一つは、「媽祖」を尊び、あえてその名前と同じにすることを避けたという説。そしてもう一つは、台湾で戒厳令が敷かれ、馬祖が軍事管制区だった時代、軍が、文字に“おんなへん”がついている「媽祖」という名前は、戦いの最前線の精神を反映していないと考え、“おんなへん”を削除して、より戦闘的な性格をもたせたという説があります。

元々、“航海の女神”とされ、漁師を守り、航海の安全を守る神様とされ、当初の媽祖廟は、海や港に向いていましたが、台風や洪水、地震や疫病などが多い台湾では、次第に様々な面で「媽祖」様にご加護を祈るようになり、それに伴う数々の伝説や奇跡から、「媽祖」様は災害を警告し、地震や疫病を鎮めてくれると言われるようになりました。

そのようなことから台湾では“航海の女神”としてだけでなく、台湾の歴史や人々の生活にとても密接に結びついている全能の神とされていて、今では商売から健康、受験、出世、子宝、農業など、ありとあらゆることで「媽祖」様のご加護を祈ります。

現在では、台湾全土、あちらこちらに「媽祖」様を祀った廟があり、毎年「媽祖」様の誕生日である旧暦の3月には各地でお祝いの行事が行われます。

そんな「媽祖」様には、本来の姿の「媽祖」様の他に、黒色、ピンク色、白色、そして金色の顔をした「媽祖」様がいるのをご存知ですか?

これはそれぞれに言われがあって、黒い顔の「媽祖」様は、少し攻撃的なので、魔物退治などの大役を任されることが多いそうです。また、それとは別に、元々は黒くなかったのですが、長きにわたり廟に祀られていたことで線香の煙で黒くなったという説もあります。

ピンクの顔の「媽祖」様は、縁起物の代表で、幸運をもたらすとされています。そのため、おめでたい席にはピンクの顔の「媽祖」様が招かれます。

白い顔の「媽祖」様は、その多くが日本や中国大陸からやってきたものだそうです。

そして、金色の顔をした「媽祖」様。中華圏では、神様の像に金箔や漆を施して、荘厳さや、尊敬の念を表すことが多く、この金色の「媽祖」様も、そんな尊敬の念が込められています。

そして昨日(1/6)、新北市三芝区にある“小基隆福成宮”と呼ばれる三芝福成宮から、金色の顔をした「媽祖」様が、かつての台北府城大天后宮跡地に、車での巡礼という形で戻ってきました。

これは、新型コロナの影響で延期となっていた「2021北台湾媽祖文化節」によるものです。

なんでも、かつて台北府城の大天后宮にこの金の「媽祖」様が祀られていたのですが、日本統治時代、その一帯の建物が軍事利用のために取り壊され、撤去されたことから、金の「媽祖」様は、一時、別の場所に置かれたのち、新北市三芝に移され、金の「媽祖」様を祀るために1919年に“小基隆福成宮”が建てられたそうです。

そのようなことから、2004年、台北城建設120周年の際に、台北市が発起人となり、「清朝時代、台北府城大天后にあった金の媽祖様を台北城に帰らせよう」という民俗的イベントが始まり、その後、「北台湾媽祖文化節」となりました。

つまり、金の「媽祖」様の“里帰り”ということですね。

昨日(1/6)は、金の媽祖様がかつて祀られていた台北府城の大天后宮跡で、現在は228記念公園となっている場所を車で巡礼し、その後、すぐ近くにある台湾省城隍廟に迎えられました。

なお、この「北台湾媽祖文化節」には、宜蘭の「南方澳南天宮」、基隆市の「基隆慶安宮」、桃園市の「桃園慈護宮」、新竹市の「香山天后宮」、苗栗県の「後龍慈雲宮」が参加している他、今回、初めて台湾鉄道と協力し、明日(1/8)、瑞芳駅から平溪線の列車に乗って、「十分」駅まで行き、1月16日まで「成安宮」に祀られ、参拝できるようにし、6メートル近い大きな「媽祖」様のスカイランタンをあげて、世界の幸福を祈ります。

…「媽祖」様、列車に乗るんですね。

実は、昨年(2021年)、雲林の北港朝天宮の「媽祖」様も、初めて列車に乗って台湾を一周する形で、災いを取り除き、祝福を祈願する巡礼が行われました。その際には、「媽祖」様は、台座と共にシートに乗せられ、リボンをベルトの様にして座っていました。

新型コロナの影響で巡礼が中止となったこと、そして昨年は、列車の事故や大火災など、大きな事故が多発したことから、災いを取り除き、祝福を祈願するため、この列車での巡礼が行われたそうです。

時代と共に巡礼も新たな方法が行われていますね。でも、変わらないのは台湾の人たちの熱い「媽祖」信仰です。

ただ、もし駅や列車の中で「媽祖」様と一緒になったら、ちょっとびっくりしそうですね。

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