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Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送文化の台湾 - 2021-11-12_23年ぶりに4Kデジタルリマスター版として復活!「魔法阿媽」

  • 12 November, 2021
文化の台湾
1998年に上映された、初の台湾本土のアニメーション映画「魔法阿媽」4Kデジタルリマスター版となって23年ぶりに修復上映される。(写真:予告動画よりスクリーンショット)

台湾では日本のアニメがたくさん放送されていて、小さい頃から日本のアニメを見て育ったという話はよく聞きますが、台湾にも多くの人が小さい頃からこれを見て育ったという有名なアニメがあります。

そのアニメとは、「魔法阿媽(魔法使いのお婆さん)」。

1998年に上映された、初の台湾本土のアニメーション映画です。

どのような内容なのかというと…

豆豆という男の子が、父親が長期入院することになったことから、基隆の田舎町に住む母方の祖母の家に預けられます。最初は豆豆はお婆ちゃんと一緒にいることを嫌がり、お婆ちゃんが行う迷信的な行為を理解できませんでしたが、ある時、好奇心旺盛な豆豆は不注意でお婆ちゃんの物置の封印を破ってしまいます。すると悪霊が放たれ、その悪霊は家にいた黒猫に乗り移り、道端にいた“好兄弟”と呼ばれる無縁仏たちを食べてしまいました。二度とお婆ちゃんにつかまらないように、そしていたずらをし続けるために、悪霊は豆豆を利用することにし、豆豆に“お婆ちゃんを売っぱらって”しまえば(つまり、いなくなってしまえば)、家に帰ることができる」と言い、その方法は「お婆ちゃんの3滴の涙を集めることだ」と教えます。

しかし、様々な奇妙な物事を体験した後、豆豆はお婆ちゃんに対する気持ちが徐々に変化していくのでした─。

この作品には、いくつもの台湾文化が登場しています。

例えば、お婆ちゃんの職業が、霊的なものを鎮めつかさどる「道士、シャーマン」であったり、お盆の行事が出てきたりします。

また、最も特徴的なのは、高齢であるお婆ちゃんは台湾最大の方言である台湾語を話し、豆豆たち子供は標準中国語を話しているところ。台湾の歴史的背景から、世代によって話す言語が違うという特徴もこの作品の中に現れています。

そして、この「魔法阿媽」には、台湾人の誰もが覚えているという有名なセリフがいくつもあります。

中でも有名なのが、ストーリー紹介の中にも出てきた「我要把你阿嬤賣掉(お前の婆ちゃんを売っぱらっいたい)」。悪霊に取りつかれた黒猫が言うセリフで、このセリフは全世代の共通語になりました。

そして、お婆ちゃんを売ってしまうために、悪霊に取りつかれた黒猫から教えられた通り、“お婆ちゃんの涙3滴を集めよう”とするのですが、そのお婆ちゃんの涙を集める過程で、豆豆はだんだんとお婆ちゃんに反抗するのをやめ、どんどんお婆ちゃんを好きになっていきます。そんな豆豆の心の変化がわかるセリフ「我還沒收集到三滴眼淚啊!(まだお婆ちゃんの涙3滴を集めていない)」も有名です。

そして、セリフというよりもみんなの耳に残っているのが、お婆ちゃんが豆豆を呼ぶ「豆豆啊~」という声。もう随分昔に見たアニメなのに、多くの人が今もあの声を思い出せるそうです。

そんな、台湾の多くの人の心に残っている「魔法阿媽」。

製作には当時の金額で4000萬台湾元をかけ、ディズニーアニメの手法である、先に演出やセリフを収録してからアニメーションを製作していくという方法で、1枚1枚手書きでアニメを作成。映画の内容は実際の基隆港のレトロな外観を表現していて、その年の台湾の非常に新しいアニメーション映画でした。

ただ、その年の“台湾版アカデミー賞”と呼ばれる「金馬獎(ゴールデン・ホース・アワード)」では、「手法が古くて雑だ。映画の特殊効果を追加する必要がある」とか「迷信、怪力乱神」など批判され受賞はなりませんでした。

ところが、このアニメーション映画の中に描かれている世代間ギャップや家族関係、台湾の独特の習慣、文化振興、様々なファンタジーなシーンは人々をひきつけ、さらには文化の違いを超えて世界中の多くの人々に触れていきました。

そして世界の様々な映画祭でノミネートされただけでなく、アメリカのシカゴ・インターナショナル・チルドレンズ・フィルムフェスティバルでアニメーション映画賞を受賞しました。

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多くの台湾の人が小さい頃からこれを見て育ったという有名なアニメ「魔法阿媽」。

海外で育った台湾人の友人も、小さい頃、この「魔法阿媽」を見て台湾語に触れていたと言っていました。台湾の人たちの懐かしい記憶の一つです。

そして上映から23年─。その「魔法阿媽」が今年(2021年)、4Kデジタルリマスター版として蘇りました!

「魔法阿媽」のファン、そして台湾クリエイティブ・コンテントエージェンシー(TAICCA)のサポートの下、23年前にすでに失われてしまった「魔法阿媽」のネガを修復。破損や色あせなどを取り除き、同時に色調を修復、明るさを調整し、音声をデジタル化するなどし、4Kデジタルリマスター版として復活しました。現在の規格に合った品質にするには多くの困難がありましたが、それを乗り越え、この懐かしいアニメーション映画を大画面に戻すことができました。

今月末(11/26)には、台湾北部・桃園の「中壢光影電影館(中壢光影映画館)」で修復上映が行われる他、同時に特別イベントとして、主人公の豆豆の目線から見た「魔法阿媽」の家が楽しめる展示や、お婆ちゃんの家の懐かしい雰囲気をAR(拡張現実)と連動して体験できるようなイベントを行っていて、台湾の様々な世代の人たちが注目しています。

懐かしいアニメーションの記憶や懐かしい台湾の風景が、4Kデジタルリマスター版として復活したことで、また次の世代へと受け継がれていきますね。

台湾の懐かしい文化に触れることができるだけでなく、文化は違っても世代間のギャップや、人の心の変化など、共感できる部分もたくさんあるアニメーション映画。皆さんも機会があればぜひ見てみてくださいね。

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