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文化の台湾 - 2021-10-08_2021台北電影節

  • 08 October, 2021
文化の台湾
2021年の「台北電影節」のオープニングを飾った九把刀・監督が描く台湾のファンタジーロマンスムービー「月老(Till We Meet Again)」。(写真:台北電影節提供/CNA)

今、台北では「2021台北電影節(台北フィルムフェスティバル)」が行われています。

毎年、夏に台北で行われている台北最大の映画祭ですが、今年(2021年)は、5月に台湾内で新型コロナの感染が拡大したことが影響で延期となり、9月23日から10月9日までの日程で行われています。

この「台北電影節」は、「國際新導演競賽(インターナショナル・ニュー・タレント・コンペティション)」と「台北電影獎(台北フィルムアワード)」の2つのコンペティションが行われていて、台湾の重要な映画祭の一つとなっています。

「國際新導演競賽」は、2005年に「國際青年導演競賽」として始まったもので、台湾で唯一の“ニュー・タレント”=新人監督を対象としたコンペです。

海外から公募した、1回目、2回目の監督長編作品を対象とした新人監督の国際コンペティションで、新人監督の可能性を、形式、ストーリーや題材、美的感覚から、その潜在能力に注目します。

毎年10~12作品が入選し、そこから、国際審査員による「最優秀映画」、「審査員特別賞」、そして「観客賞」の3つが選ばれます。

そしてもう一つのコンペティション、「台北電影獎」は、1988年に始まった「中時晚報電影獎(チャイナタイムズエクスプレス・フィルムフェスティバル)」が前身で、1994年から今の「台北電影獎」という名前になりました。

台湾には「金馬奨(ゴールデン・ホース・アワード)」という中華圏で最も権威のある国際映画賞がありますが、それに対してこの「台北電影獎」は台湾人または台湾に拠点を置く監督の作品を表彰します。

過去には、長編作品、ドキュメンタリー作品、短編作品、そして アニメ作品の4部門から、それぞれ10作品を選出する入選制としていましたが、近年の台湾作品の増加や、部門の細分化、専門技術部門の増加など、台湾の映画環境の変化に対応して、2019年からエントリー制に変更し、また新たに4つの技術賞を増設して、合計20の部門、それぞれ最大5名のノミネート者を選出しています。

そんな2つのコンペティションが行われる「台北電影節」は、上映作品の多くが映画上映後に台湾で劇場公開や配給につながっていることから、台湾で最も重要な映画祭のひとつにも挙げられています。

今年(2021年)は、新型コロナの影響で延期にはなったものの、現在、無事に開催中です。海外に飛んで作品を選ぶことができない中、大小さまざまなオンラインの映画祭を通じて、800本以上の映画の中から127本の映画と、10本のXR(クロスリアリティ)映像の合計137本の作品が選ばれ、観客に披露されました。

この曲が主題歌の映画「那些年,我們一起追的女孩(邦題:あの頃、君を追いかけた)」も、2011年のこの「台北電影節」で上映された後、続けて東京の「第24回 東京国際映画祭」でも上映され、後に数々の国際映画祭で公開されました。

そして今年(2021年)の「台北電影節」のオープニングを飾った映画は、その「那些年,我們一起追的女孩」の九把刀(ギデンズ・コー)監督が描く台湾のファンタジーロマンスムービー「月老(Till We Meet Again)」。

自身が書いた小説「月老(Till We Meet Again)」を黃立成(ホアン・リーチェン)プロデュースで映画化、過去に九把刀(ギデンズ・コー)監督作品に出演したこともある、柯震東(クー・チェンドン)と宋芸樺(ビビアン・スン)が主演を務める他、昨年(2020年)の「台北電影奨」で最優秀主演女優賞を獲得した王淨(ワン・ジン)が初めて九把刀(ギデンズ・コー)監督作品に出演します。

雷に打たれ亡くなってしまった阿綸は、生前の記憶を失ったままあの世にたどり着き、輪廻転生でカタツムリとして生まれ変わるか、縁結びの神「月老」になるかの選択を迫られます。世の中には多くの愛があって、「月老」は一人だけではありません。あの世では「月老」グループがちょうど新人を募集していて阿綸はそのグループに加わり、あの世とこの世を行き来するようになりました。

たくさんの人と人の愛と絆を目の当たりにしてきた阿綸自身が、いかにして記憶を取り戻し、運命の相手を見つけることができるのか─。

縁結びの神様、「月老」は一人じゃなく、グループなのか!という設定にちょっと驚きましたが、運命の赤い糸は誰と誰を繋いでいるのでしょうか。

この映画「月老(Till We Meet Again)」の期待度はとても高く、オープニング上映のチケット312枚が何と発売当日、わずか20秒で完売したんだそうです。

また、クロージング上映が昨日(10/7)に行われ、許富翔(シュー・フーシャン)監督、陳柏霖(チェン・ボーリン)主演の、裏社会を舞台にしたコメディ映画「詭扯(Treat or Trick)」が上映されました。この映画は「台北電影獎」で、最優秀監督賞など5部門にノミネートされています。

「台北電影節」は、明日(10/9)に「台北電影獎」の授賞式が行われ閉幕します。

今年(2021年)は、長編作品51本、ドキュメンタリー作品75本、短編作品209本、アニメーション作品65本の合計400本のエントリーがあり、そこから選ばれたノミネート作品の中から、各部門の最優秀賞が選ばれます。

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