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Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送文化の台湾 - 2021-09-10_「ローバー号事件」

  • 10 September, 2021
文化の台湾
今、台湾で注目を集めている台湾初の大河ドラマ「斯卡羅」。海外からも台湾の国際的なオーディオビジュアル・配信プラットフォームであるTaiwan+で見ることができる。(写真:RTI)

ここ数年、台湾のドラマが盛り上がりをみせています。

台湾のドラマといえば、これまでも日本のアニメを原作とした恋愛ドラマがアジア各国の若者に人気となったりしたこともありましたが、今回の盛り上がりはこれまでと違って、台湾を舞台にした硬派な題材のドラマが注目を集めています。

2019年に放送された社会派ドラマ「我們與惡的距離(悪との距離)」は日本でも放送されたりしたので見たという方も多いのではないでしょうか。その後も、数々の社会派ドラマが登場しています。

そして今年(2021年)注目されているドラマは台湾初の“大河ドラマ”と言われている「斯卡羅(Seqalu/スカロ)」─。

このドラマ「斯卡羅」は、日本が台湾を統治するよりも前の時代、1867年に台湾最南端の地で起こった「ローバー号事件」を軸に、台湾における多様なエスニックグループの融合のプロセスを描いた物語です。

この「ローバー号事件」とはどのような事件かというと…

1867年3月、台湾最南端の恒春半島の沖合で、アメリカ商船「ローバー号」が座礁してしまいました。乗組員14名はボートに乗って台湾に流れ着き、九死に一生を得たと思ったのですが、島を散策し始めた時、誤って原住民族「パイワン族」が住むエリアに足を踏み入れてしまい、侵略者だと思われ首を狩られ殺害または行方不明となってしまいます。

唯一、逃げ延びた中国人乗組員が現在の高雄の辺りまで逃げ、イギリス領事官に通報。イギリスの外交官たちはイギリス海軍の船に乗り込み現地へ向かい、原住民族の人たちとアメリカ人生存者の返還を交渉しましたが、イギリス軍の先遣部隊が上陸すると原住民族からの襲撃に遭い、イギリス艦隊が岸に向かって威嚇の砲撃をするも効果はなく、結局引き返すこととなりました。

当時、清朝が台湾を統治していたため、イギリス領事官は清朝政府に助けを求めたところ、清朝政府は、「原住民族の住む土地は、清朝の管轄外である」として介入することに消極的でした。

このころ、アモイのアメリカ領事であったチャールズ・ルジャンドルのもとにもこの事件の書簡が届けられました。当時、台湾にはアメリカの在外公館がなかったため、ルジャンドルは自身の所轄問題だと解釈し、現地の調査に向かいます。

台湾に到着後、原住民族の人たちと直接の接触を現地の「地方官」に求めますが、清朝関係者から断られてしまいます。

アメリカは独自で事件を処理することとなり、アメリカ海軍の軍艦2艘、およそ180人の軍隊が台湾に派遣され、砲撃をして強硬上陸を試みますが、原住民族の人たちの待ち伏せに遭い、将校が殺害されアメリカ軍はやむなく撤退。アメリカが南北戦争後、初めてアジアに出兵した作戦でしたが、敗北する結果となりました。

ルジャンドルはこのまま引き下がってはならないと、清朝政府に強い態度を見せ、それを見た清朝政府は、事態の深刻さに警鐘を鳴らし、アメリカ側を怒らせるとことを恐れ、すぐにルジャンドル一行をサポートするため、500人の兵士を台湾に出兵させました。

このように、様々な外来勢力によって、台湾の恒春半島に住む原住民族や閩南人、そして客家人など、複数の民族を巻き込む衝突が起こりました。

最後には、ルジャンドルがその土地の頭目と会談。

台湾現地の地方官は原住民族の住むエリアに入ることを望みませんでしたが、コミュニケーションを図るために派遣され、ルジャンドルはその土地の頭目と会談を重ねました。

その中で頭目は、西洋人を敵と思っているわけでもなければ、私たちは殺人鬼でもない。多くの外国人船員や海賊が何度も上陸してトラブルを起こし、多数の死傷者が出たことで、外国人が上陸した際には自分たちで身を守るようになったと語っていたそうです。

そして3回目の面談の後、両者は、「今後、もし難破船の乗組員が上陸する際には赤い旗を掲げ、原住民族側はこれを攻撃しない」ということを定めた「南岬之盟」を結びました。

これは、台湾原住民族と外国が結んだ初めての国際条約とされています。

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その「ローバー号事件」を軸に描かれている台湾初の大河ドラマ「斯卡羅」─。

原作は、現役の医師として活躍する小説家、陳耀昌さんの小説「傀儡花(Lady the Butterfly/邦題:フォルモサに咲く花)」で、当初はドラマタイトルも小説と同じ「傀儡花」としていましたが、「傀儡」という言葉に抵抗を感じるという原住民族の人たちの声に配慮して、「斯卡羅」に変更したんだそうです。

ちなみに「斯卡羅」とはパイワン族の言葉で、原住民族の有力集団「スカロ」を指しています。

このドラマ、台湾で放送が始まると視聴率が過去最高を記録するなど注目度の高さがうかがえます。

そして、世界に台湾のことを知ってもらおうと、台湾の国際的なオーディオビジュアル・配信プラットフォームであるTaiwan+(Taiwan plus)でこの「斯卡羅」を見ることができます。

英語の字幕となりますが、興味のある方はぜひご覧になってください。

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