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Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送文化の台湾 - 2021-08-20_鬼月(中元節)

  • 20 August, 2021
文化の台湾
今、台湾はお盆月である「鬼月」。あの世からご先祖様の霊や多くの「好兄弟」と呼ばれる無縁仏たちがこの世にやってくる。(写真:中央社)

台湾では今、新型コロナの影響だけでなく、もう一つ別の理由で夜、出歩く人が少なくなっています。なぜかというと、今度の日曜日(8/22)は旧暦の7月15日、台湾の「お盆」にあたり、そのお盆月である旧暦の7月は「鬼月」と言って、“鬼門”が開き、あの世からご先祖様の霊や多くの“好兄弟”と呼ばれる「無縁仏」達がこの世にやってくるからなんです。

日本でもお盆にはご先祖様の霊が返ってくるとして、提灯などで迎え火を焚き、ご先祖様の位牌やお供え物を置く精霊棚にはきゅうりで作った馬とナスで作った牛の「精霊馬」を備え、ご先祖様を迎える準備をしますが、台湾では、ご先祖様の霊をお迎えするだけでなく、その無縁仏の“好兄弟”も敬意をもってもてなします。

実は台湾の「中元節」は様々な由来が合わさって、今日の「中元普渡(中元節の法要)」となっています。

「中元節」とは元々は“道教”の言い方で、道教の神で「天官」、「地官」、「水官」の三帝(つまり3人の神様)の誕生日をそれぞれ「上元」、「中元」、「下元」と言い、地官大帝の誕生日にあたる旧暦の7月15日「中元」に地官大帝を祀る儀式が行われるとともに、一般の家庭では先祖を祀り、先祖の恵みを祈る日とされていました。

その“道教”の「中元」と、“仏教”の先祖の冥福を祈る仏教行事の「盂蘭盆会」とが融合し、さらには民間信仰の「旧暦7月1日に“鬼門”が開く」という伝説が加わって、現在の台湾の「中元節」となっています。

そのため、まず“鬼門”が開く旧暦の7月1日に「好兄弟」のためにお祈りの準備します。

午後2時から5時の間、家や会社、お店の入り口に心ばかりの「お迎えの料理」を準備します。この料理はそんなに豪華な料理を準備する必要はなく、ちょっとしたお菓子を準備するといいそうです。

ただ、それよりも忘れてはならないのが、タオル、歯ブラシ、歯磨き粉、石鹸、鏡といった日用品。

なぜかと言うと、やってきた「好兄弟」たちがちょっと休憩して身繕いをし、目的地へ向かうための準備をしてあげるんだそうです。

そして最後に、お金の代わりのもので、日本語では「冥銭」と呼ばれる「紙錢」を燃やします。

民間の言い伝えでは、あの世の霊たちがこの“鬼門”が開く日に親族を探してこの世にやってきますが、無縁仏はこの世で彷徨ってしまいます。そのため、“鬼門”が開くこの日に、たくさんの食べ物や飲み物などを準備して「好兄弟」たちをもてなして、家族の安全と災いが起こらないよう願うんだそうです。

そして、旧暦の7月15日に、ご先祖様と無縁仏を祀る儀式「中元普渡」が行われます。

「中元普渡」は、一般的には旧暦7月15日の午後から夕方の空が暗くなる前の時間に行います。

用意したテーブルに、鶏、魚、肉、野菜、ご飯、お菓子、ジュースやビール、タバコといったものをお供え物として準備します。

「中元節」は先ほどご紹介したように様々な由来が合わさって行われているため、まずは「地官(ちかん)大帝」、続いてご先祖様、そして「土地神様」、最後に「好兄弟」の順でお祈りをします。

そして、最後にそのお供え物それぞれにお線香を挿し、「好兄弟」たちに食べていいですよとお知らせをします。そしてお線香が焚き終わった後、お供え物を皆で分けます。

本来は、旧暦の7月15日当日に行われていましたが、現在ではその「中元節」に近い日付で、職場やそのビル、地域ごとに、日程を調整して行われていますよ。

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さて、この“鬼門”が開いてからの1か月間、「鬼月」には、様々なタブーがあります。

よく言われるのは…

●海や川など、水辺で遊ばない

これは、運気が弱っている人は、水の霊が取って代わろうと標的にされるからと言われています。

●壁沿いを歩かない

言い伝えでは、冷たい壁が好きな霊がいて、壁際に潜んでいるそうなので、この「鬼月」は壁沿いを歩いたり、壁に寄りかかって休憩してはならないとされています。

●夜、洗濯物を外に干さない

服の形は人の形をしているため、「好兄弟」が取りつきやすいそうです。また、湿った服の水気が、陰の世界と相性のいい磁場を作りやすく霊が付着しやすいからとも言われています。

●夜に写真を撮らない

夜に写真を撮ると「好兄弟」が映り込んでしまったり、撮影者に不幸が訪れたりすることがあるとされています。

●夜に騒がない

夜ににぎやかに騒いでいると、「好兄弟」も仲間に入ろうとやってくると言われています。

この他にも「鬼月」にはまだまだたくさんのタブーがあります。

そのため、この時期は特に夜は人もあまり出歩きません。

若い人でも台湾ではこれらの言い伝えを信じている人が多く、中には「鬼」という単語すらも「好兄弟」を呼び寄せてしまうから言いたくないという人もいるほどです。

今年の「鬼月」は9月6日まで。

“鬼門”が閉じるその時まで、台湾ではあちらこちらで、ご先祖様や「好兄弟」を祀るお祈りが行われます。

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