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Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送文化の台湾 - 2021-07-23_日本で全国公開!台湾発ホラー映画「返校(Detention)」

  • 23 July, 2021
文化の台湾
台湾発のホラー映画「返校」が7月30日より日本全国公開となる。(写真:台湾版劇場公開の際のポスター)

2017年に発売された大ヒットホラーゲームを映画化した作品「返校(Detention)」がこの夏、日本でも公開されます。

もう公開のCMを観たという人もいるのではないでしょうか。

この「返校(Detention)」、元々は台湾の「赤燭遊戲(英語: Red Candle Games)」が開発したホラーゲームで、当時の国民党独裁政権によって戒厳令が敷かれ、思想や言論の自由が奪われていた1960年代の台湾の学校が舞台。プレイヤーは呪われた学校に閉じ込められてしまった学生となって、悪霊が徘徊する校内から生還を果たすことが目的ですが、いわゆる「白色テロ」と呼ばれた時代背景から、台湾人が忘れてはならない40年ちかくにも及んだ負の歴史の物語が取り入れられています。

2017年にパソコンゲームとして配信され、台湾を中心にアジア圏の若者をはじめ、欧米でもヒットしました。

そして、そのゲームを原作として映画化。

台湾で映画が公開されるとゲームユーザーだけでなく幅広い層から注目を集め、社会現象と呼べるほどの大ヒットを記録し、2019年の台湾版アカデミー賞と呼ばれる「金馬獎(ゴールデンホースアワード)」では、最多の12部門でノミネートされ、新人監督賞、脚本賞、視覚効果賞、美術デザイン賞、歌曲賞の5つの部門で最優秀賞を獲得しました。

そんな映画「返校(Detention)」、一体どのような内容なのかというと…

1962年、蒋介石・率いる国民党の独裁政権下の台湾では、市民に相互監視と密告が強制されていた。

山奥にある翠華高校に通う女子高生の方芮欣(ファン・レイシン)が放課後の教室で眠りから目を覚ますと、なぜか周りには誰もいない。不安になる方芮欣(ファン・レイシン)だが、一人校内をさまよっていると、彼女を慕う後輩の男子学生・魏仲廷(ウェイ・ジョンティン)と遭遇する。そこから2人で脱出を試みるが、学校がすでに彼らが良く知る世界とはかけ離れた不気味で恐ろしい場所に変貌していることに気付く。消えた同級生や先生を探す2人は、悪夢のような恐怖が迫る中、かつて学校で起こった、政府による反体制者への迫害事件「読書会事件」と、その原因を作った密告者の哀しい真相に近づいていく─。

主人公の方芮欣(ファン・レイシン)を演じるのは、俳優で小説家でもある女性、王淨(ワン・ジン)。

方芮欣(ファン・レイシン)を慕う後輩の男子学生・魏仲廷(ウェイ・ジョンティン)を演じるのは、オーディションで選ばれ、この「返校(Detention)」が映画デビュー作となる俳優、曾敬驊(ツォン・ジンファ)。

翠華高校の生活指導教員で美術教師の張明暉(チャン・ミンホイ)役は、台湾の映画やドラマ、MVなどに多数出演している俳優の傅孟柏(フー・モンボー)が演じています。

この映画「返校(Detention)」、監督を務めたのは、2005年に台湾最大のテレビ賞である「金鐘獎(ゴールデンベルアワード)」で最優秀監督賞を最年少で受賞した徐漢強(ジョン・スー)。これまでに短編作品も手掛け、数々の国際的な映画祭で受賞をしていますが、今回この映画「返校(Detention)」が長編映画デビュー作となります。

映画を製作するにあたって、徐漢強(ジョン・スー)監督は、「原作の精神、物語の背景、そしてストーリーの大筋を忠実に再現する形で映画化していった。ゲームの中に出てくるメインキャラクターとストーリーラインは全体的に登場させ、原作を踏襲しながら世界観の拡大とストーリーの追加を行った」としています。

その一方で、編集や脚本を書き換える際、ゲーム版をやったことがない人を集め、試行錯誤を繰り返し、ゲーマーにも、そうでない人にも受け入れられるような作品を目指しました。

徐漢強(ジョン・スー)監督は、台湾のあるインフルエンサーから取材を受けた際、「『返校(Detention)』は台湾の白色テロを巡る政治的議論に介入するものではない。しかし、過去の戒厳令の歴史を背景にしている。この映画は、ホラー要素の下、『自由』の重要性について観衆に考えてもらいたい作品だ」と説明しています。

台湾の戒厳令は1987年に解除されるまで38年と56日に渡って続きました。

劇中、学生たちの制服に注目すると、台湾の制服は胸元に学籍番号が刺繍されていますが、主人公・方芮欣(ファン・レイシン)の学籍番号は原作のゲーム版とは違い、「493856」番となっています。これは、台湾の戒厳令が始まったのが19“49”年、そしてその戒厳令の期間“38”年と“56”日を意味しているそうです。

現在私たちは、台湾は自由で民主的だというのが当たり前にとらえていますが、実はそう遠くはない過去にこのような歴史があり、そこから勝ち得た「自由」であることから、台湾の人たちはこの「自由」の重要性というものをとても意識しているということを、この映画を通して歴史を知る事で感じ取れるかもしれません。

映画「返校(Detention)」、邦題:「返校 言葉が消えた日」は、来週、2021年7月30日から日本全国で公開されます。公開されている劇場の情報は「返校 言葉が消えた日」のオフィシャルサイトでチェックしてください。アドレスは、https://henko-movie.com/ です。

ぜひ近くの劇場に足を運んで観てください。

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