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Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送文化の台湾 - 2021-06-11_端午節

  • 11 June, 2021
文化の台湾
「端午節」に欠かせない食べ物「粽」。大きく“北部粽”と“南部粽”に分けられるが、そこからさらに各家庭によって味が異なり、台湾の人たちにとって「粽」は家庭の味ともいえる。(写真:CNA)

毎年旧暦の5月5日は「端午節」です。今年(2021年)は来週の月曜日、6月14日にあたります。

「端午節」には、ヨモギと菖蒲の葉を玄関に飾り、粽を食べる習慣があります。

…これだけ聞くと、日にちは違えど、日本の“端午の節句”と似ているような気がしますよね。

でも台湾の「端午節」は“こどもの日”ではないんです。

「端午節」の由来は諸説あって、「屈原という人物を偲んだ」という説、「古代民族の祭りが起源」という説、そして「親孝行な娘・曹娥を偲んだ」という説。この3つがあります。

中でも最もよく知られているのが「屈原を偲んだ」という説…

古代中国の戦国時代、楚という国にに、屈原という大臣がいました。彼は楚の国を良くしようと度々、国王に提案を投げかけていました。しかし、国王はその提案を受け入れられず、屈原を遠くの地へと飛ばしてしまいます。その後、楚の国は次第に勢力が弱まり、ついには秦の国に侵略されてしまいました。祖国の将来を憂いた屈原は、旧暦の5月5日に大きな石を抱え、汨羅江という川に身を投げてしまいました。

この話を聞いた付近の住民が、小舟に乗って急いで屈原を探しましたが見つかりませんでした。

その時、彼の身体が魚に食べられて傷つけられないようにと、米を葉っぱで包んだものを川に投げ入れ、魚やエビのえさにしたり、銅鑼や太鼓をたたいたりして魚などを追い払いました。

以来、屈原が入水した旧暦の5月5日には毎年、屈原を偲んで小舟のレース大会が行われ、粽を食べるようになった─と言われています。

ちなみに、私は九州出身なので、「ちまき」というと、笹の葉に包んだ “白くて甘い細長い団子餅”を想像しますが、台湾でいう「粽」は、竹の皮で包んだ“おこわ”のようなものです。日本では“中華ちまき”と呼ばれていたりもします。

日本の中でも“ちまき”が場所によって違いますが、台湾の中でも“ちまき”はいろんな種類があります。

大きく分けると、台湾の北部と南部で作り方から違います。「南煮北蒸」と言われていて、「北部粽」は、もち米をまず炒めて、それから豚肉や蝦、しいたけ、菜脯と呼ばれるしょっぱい切り干し大根のようなものなどと共に竹の皮に包んで蒸します。

一方の「南部粽」は、生のもち米に軽く炒めた具材を竹の葉っぱに包み、葉っぱごと水に入れて煮ます。

このような作り方の差から、「北部粽」のほうが“おこわ”に近く、味や香りも濃厚で、「南部粽」の方がもっちりとしていて、味は比較的薄く、具材の味が楽しめます。そのため、台湾の人たちの間でも“北部派”、“南部派”と好みが分かれます。

なお、気になるカロリーは、粽自体は「北部粽」の方が高いそうですが、「南部粽」はソースやピーナッツパウダーをかけて食べたりするので、これをかけすぎるとカロリーは高くなるそうです(*5)。また、「北部粽」は小ぶりなものが多いのに対して、「南部粽」はどっしりと大きいサイズのものが多いので、カロリーはどちらもあまり変わらないかもしれませんね(笑)。

このほかにも、いろいろな種類の粽があります。

例えば、もち米を水に浸した後、灰汁を加えてさらに浸し、その後、粽の形に包んで水で煮て作る「鹼粽」。これは少しプルプルとしたもちもち感で半透明の黄金色の粽です。

日本でも九州南部の鹿児島や宮崎などには「灰汁まき」と呼ばれる似たようなものがあります。

また、お肉の入っていない素食(ベジタリアンメニュー)の粽もあって、南部ではもち米に具材はピーナッツだけの「菜粽」という粽もあります。これは甘いたれとたっぷりのピーナッツパウダーをかけて食べます。台南では「端午節」に限らず、朝ご飯メニューとしてもお馴染みなんだそうです。

そして、もち米粉を水で練って作ったものに菜脯と呼ばれるしょっぱい切り干し大根のようなものや、豚肉、しいたけ、エシャロット、エビなどを炒めた餡を包んで、それを葉っぱに包み蒸した台湾の二番目に大きいエスニックグループ・客家の人たちのお馴染みの粽「客家粿粽」。

この他にも、ゼラチンに餡を包んで、それを竹の葉に三角に包んで蒸し、冷蔵庫に入れて冷やして食べる、台湾人が発明したという新たなスイーツちまき「冰粽」もあります。これは、透き通っていることから、餡を小豆の他に、サツマイモやタロイモなどほかの素材で作った餡にすれば、彩りもきれいで、いろんな味が楽しめることから、特に女性に人気のようですよ。

これら大きなカテゴリーをベースに、その中でも各家庭でそれぞれに味が違ったりするので、台湾の人たちにとって「粽」は自身の家庭の味でもあるようです。

そして今年(2021年)は、パイナップルの話題がよく上がりますが、なんと台湾中南部・雲林ではパイナップル入りの粽も登場しました!

雲林の林內農會では、毎年端午節にあわせて1万5000個の粽を販売しているそうですが、今年は、五穀米に豚肉、しいたけ、卵黄、蓮の実、ハトムギ、ピーナッツ、そして金鑽鳳梨を具材として入れた粽を販売しています。

粽もどんどん進化を遂げていますね。

来週月曜日(6/14)は「端午節」です。この「端午節」には、粽を食べるという習慣や、屈原を偲んで始まった小舟のレース「ドラゴンボートレース」以外にも、台湾の多くの人が行うことがあります。それは「卵立て」!

「端午節」の正午に生卵を立てる遊びなんです。なぜこのような遊びをするのかというと、一般に、「端午節」の正午は“陽”の気がとても重くなるので生卵を立てることができると言われていて、この時、生卵を立てると、その先の1年、運勢が良くなると言われていることからみんなこぞってチャレンジします。

また、多くの人が「端午節の正午は引力が強くなるので、卵を立てやすい」と言うのですが、科学的観点からすると、端午節の正午の引力は普段と変わらないそうで、ぐっと耐えて慎重にチャレンジすればいつでも卵は立てられると専門家は話しています。

でも伝説を信じているのか、信じてはいないけど楽しんでいるだけかはわかりませんが、この「端午節」の正午に集まってみんなで一生懸命、卵立てにチャレンジしている様子はなんだか楽しい気分になります。

皆さんも、「端午節」のタイミングで台湾に来る機会があれば、ぜひドラゴンボートレースを見て、粽を食べて、正午になったら卵立てにもチャレンジしてみてくださいね。

ただ、今年(2021年)は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、ドラゴンボートレースも各地で中止や延期となっており、さらには知らないうちに感染を広げることのないように「端午節には実家に帰らず家にいよう!」と呼びかけられていて、少し静かで寂しい「端午節」になりそうです。

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