文化の台湾 - 2021-04-30_台南「土城蚵寮角宋江白鶴陣」

  • 30 April, 2021
文化の台湾
台湾南部・台南の「鹿耳門聖母廟」で大規模な祭りが4月30日から5月2日にかけて行われるのに合わせ、祭りで演武などを披露する「土城蚵寮角宋江白鶴陣」のお披露目が25日に行われ、台南市の黃偉哲(こう・いてつ)市長が地域の伝統的な民俗文化を保存していることを認める「無形文化資産登録証明書」を授与した。(写真:CNA)

旧暦の3月は台湾の多くの人が信仰している媽祖様の誕生月ということで、台湾各地の媽祖様を祀る廟で様々なお祝いや祈祷の行事が行われます。

台湾南部・台南の「鹿耳門聖母廟」でも大規模な祭りが4月30日から5月2日にかけて行われます。

その祭りに合わせ、祭りで演武などを披露する「土城蚵寮角宋江白鶴陣」の、訓練を終えた後、廟の広場で神様に向かって成果を披露するお披露目が25日に行われ、台南市の黃偉哲・市長が地域の伝統的な民俗文化を保存していることを認める「無形文化資産登録証明書」を授与しました。

台南市文化局はこの「土城蚵寮角宋江白鶴陣」は創設から60年を超える歴史を持ち、「七股樹仔腳寶安宮白鶴陣」と共に、全国でわずか2つだけの“白鶴陣”であり、長きにわたって「土城聖母廟」の祭りに参与し、多様なスタイルと、素晴らしい技芸、そして古くから民間に伝承してきた風俗・習慣の価値を深く表現していることから、2019年12月に文化資産審議を通過しており、台南市の民間の風俗・習慣分野における無形文化資産となりました。

この「土城蚵寮角宋江白鶴陣」とは、“祭りの隊列”である「陣頭」の「宋江陣」の一つのチームのこと。

この「宋江陣」とは、中国の伝統武芸の陣頭で、清朝時代に開拓移民が中国大陸から台湾に渡った際、政府による治安対策が十分ではなかったため、各村が地域の防衛を目的に自主的に形成した武力組織に由来します。言い伝えによると中国の伝奇小説「水滸伝」の登場人物である宋江が城を攻める際の武陣に由来するとされています。

当初は、外部からの敵に対抗するために形成されましたが、時代の移り変わりに伴い、宗教的催しとなりました。

その宋江陣は主に台湾南西部に位置する「嘉南平原」より南で広がり、台南市や高雄市に多くあります。

台南市では、安南區、安定區、七股區、西港區、佳里區、麻豆區、學甲區に集中していて、中でも「西港香」と呼ばれる3年に1度行われる「鹿耳門聖母廟」の宗教行事では16を超えるチームが登場します。また、“宋江四陣”と呼ばれる、「宋江陣」、「金獅陣」、「白鶴陣」、「五虎平西陣」の4つの流派が派生しました。

「土城蚵寮角宋江白鶴陣」はその“宋江四陣”の「白鶴陣」の一つです。

この「土城蚵寮角宋江白鶴陣」は、1941年に初めて布袋周という人を招へいし、武術を教える「暗館」を設立しました。この「暗館」というのは、日本統治時代、公に武芸の伝承ができなかったことから、師匠が家などでこっそりと武芸を伝授する方式のことで、4ヶ月1期とされていました。

そして1946年に安定地区の黄色帯の師匠を招き伝授、正式に「西港香」の陣頭に参与するようになりました。

1952年には、本淵寮地区の金獅陣と戦った際、七股樹仔脚地区の白鶴陣の援助を受けたことから連盟を結びます。

その後の1960年、地元の老人が、白鶴と子供、老人が樹の下で遊んでいる夢を見て、地元の神様から、白鶴の師匠にこの地を助けに来てもらうよう思し召しがあったことから、樹仔脚白鶴陣を招き教えを請いました。これにより、「蚵寮角宋江白鶴陣」が誕生しました。

このような事から、宋江陣の旗と斧、そして白鶴陣の白鶴や童子がいる特色ある陣頭になりました。

文化局は、「土城蚵寮角宋江白鶴陣」を無形文化資産に認定したことについて、「土城蚵寮角宋江白鶴陣」は創設からこれまで長きにわたって「土城聖母廟」の祭りに参与ししてきた“4陣頭”のうちの一つであり、陣頭のメンバーは、純粋にこの地の人々によって伝承され続けてきたもので、武陣、武芸、武器演習、どれも全て素晴らしく、多様なスタイルと武術の面白さを表していると説明しています。

また黃偉哲・台南市長は、「土城蚵寮角宋江白鶴陣」は保存するに値する文化芸術および宗教信仰の伝統だ。文化資産は伝承していかなくてはならない。98歳の高齢ながら「宋江白鶴陣」のすべての資産を次の世代に伝承してくださった陣頭の何國昭・師匠に感謝します。何國昭・師匠への敬意と感謝を示すとともに、陣頭メンバーの努力も称えると述べました。

台湾南部で盛んな宋江陣。南部に行く機会があればぜひお祭りに合わせて観に行ってみてください。

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