文化の台湾 - 2021-04-02_「兒童節」と「清明節」

  • 02 April, 2021
「清明節」は日本でいうお盆のように先祖の墓を掃除しお参りをする、中華系の人々の重要な年間行事の一つ。今年は「兒童節(こどもの日)」と同じ4月4日にあたり週末にかかるため、4月2日から4月5日まで4連休となっている。

今週末、台湾は「清明節」と「兒童節(子供の日)」の連休です。日本では「子供の日」と言えば5月5日ですが、台湾では4月4日が「子供の日」です。

「子供の日」は、児童の権利を守り、児童虐待や殺傷事件などに反対することを目的とし、1925年にスイスのジュネーブで開かれた子供の福祉世界会議で、6月1日を「国際子どもの日」と制定したのをきっかけに世界各国で支持され、各国日にちは違いますが、「子供の日」が制定されていきました。

台湾では1931年に、中華民国政府が中国大陸の南京にあったときの行政院長、つまり首相であった孔祥熙が設立した「中華慈幼協濟會」が4月4日を中華民国の「子供の日」とすることを提案。子供たちの未来の保証と、子供たちの権利を促進するための日としています。

なぜ4月4日だったのかというと、春の時期で気候も良く、また、“三三”、“五五”、“九九”、“十十”のように並びが良かったからとされています。

1991年から1997年にかけ3月8日の「婦女節(国際女性デー)」とこの「兒童節」を合わせて「婦幼節」とし、祝日としました。

これは、「兒童節」を祝日にするにしても子供だけで好きなようにさせるわけにはいきませんので、一般的には保護者が一緒に付き添う必要があることから、元々、祝日だった「婦女節」と「兒童節」を合併してお休みとしたそうです。

1998年に隔週での週休二日制が導入されてからは週休に組み込まれる形となり祝日ではなくなりました。

ところが、2000年に「2週間84時間労働制」が実施され、その対象となる労働者は、清明節の前日に「婦幼節」休暇をとることができるようになりました。つまり、労働者だけが再びお休みになりました。

そして2011年に「兒童節」が国定祝日に復活し、全国民が休める祝日となりました。

そしてこの頃は二十四節気の「清明」。今年(2021年)は4月4日にあたります。

この日は「清明節」として、日本でいうお盆のように、先祖の墓を掃除し、線香をあげてお参りをする、中華系の人々の重要な年間行事の一つとなっています。

この「清明節」が先祖のお墓参りをする日となった由来は、古代中国前漢の初代皇帝、高祖・劉邦が天下を取ったのち、故郷に帰り両親の墓に参ろうとしたところ、長年の戦いの間に墓地は雑草で埋もれ、墓石は倒れたり壊れたりしていて墓石の字は読めず、劉邦は両親の墓を探し出せませんでした。

部下などにも手伝ってもらい夕暮れまで探し続けましたが、見つけられません。

そこで、最後に劉邦は袖から一枚の紙を取り出し、小さく数枚に破いてから、手の上に載せ、天に向かってこう唱えました。

「この小さな紙きれを空に投げ、紙が落ち、風が吹いてもその紙が動かないところが両親の墓である」

そしてその紙きれを空に投げると、1枚の紙がある墓の上に落ちました。しかもどんな風が吹いても動きません。劉邦は駆け寄り、その墓碑をよく見ると、なんと両親の名前が刻まれているのを発見しました。

劉邦は喜び、すぐに両親の墓を修復し、それ以降、毎年「清明節」には必ず両親の墓を参るようにしたんだそうです。それがのちに民間にも広まっていったとされています。

劉邦が紙きれを投げて両親の墓を見つけたということから、紙きれも「清明節」の重要なアイテムとなっていて、お墓の掃除をした後、“お墓参りに来ましたよ”という意味を込めて、紙きれをお墓に貼るという習慣もあります。

 紙きれをお墓において石で固定するという動作は、中国語では、「掛紙」といいます。掛け軸の掛けという漢字に、紙製の紙と書きます。これは、先祖のために家を修繕する意味合いもあります。

最近では「清明節」の日に限らず、その数週間前から、台湾第2のエスニックグループ“客家”の人たちですと元宵節明けから、親族が集まれるタイミングを作ってみんなでお墓参りに行きます。

ところで、「兒童節」と「清明節」が同じ日だったり、週末にかかった場合はどうなるのかというと、台湾の祝日法では、土曜日に祝日が重なった場合は金曜日が、日曜日に祝日が重なった場合は次の平日(主に月曜日)が振替休日となるため、前後合わせて連休となります。

今年(2021年)は、「兒童節」と「清明節」どちらも4月4日で、週末にかかるため、金曜日と月曜日が振替休日となって、今日4月2日から4月5日までの4連休となっています。

ちなみに、この「清明節」にはいくつかのタブーや忠告があります。

まず、「清明節」当日、起きて顔を洗う前に、まずは自身の額を確認しましょう。

もし額が黒ずんで見えたらそれは運気が下がっていることの現れですので、お墓掃除の際には、黒いものや青い水晶、翡翠の観音様や仏様、開運の赤い紐などを身につけていくといいそうです。

そして、お墓掃除の際には派手な服を着ていかないこと。

お墓掃除のときは、ご先祖様を敬わなくてはなりません。そのため、落ち着いた色や、白、黒、グレーなどの、なるべく控えめでエレガントな服装がベターとされています。真っ赤や濃い紫の服などはご先祖様に失礼に当たります。

また、別の理由として、もし山などの野外で派手な服を着ていたら、蛇を寄せ付けたり、蜂に刺されやすくなるからとも言われています。

また、お墓にお供えする花は「菊の花」がいいとされています。中華系の人々にとって「菊の花」は“偲ぶ”という意味が含まれているからで、特に白や黄色の菊がいいそうです。ただこのほかにも、ユリやカーネーションを合わせたり、故人が生前好きだった花束を供えてもいいそうです。

お花と別に準備しておいた方がいいのは「塩」。

出発前に紅包袋と呼ばれる赤い封筒にガジュマルの葉っぱ7枚と少量の塩を入れておきます。もしガジュマルの葉がない場合は、ヨモギやハイビスカスの葉で代用します。

そして墓地に入るときにその紅包を上着のポケットに入れ、お墓の掃除が終わったらその紅包を野外に捨てます。そうすることによって悪い“気”を持ち帰るのを防ぐことができるとしています。

そして、墓地に入ったら大声で笑ったり罵声を発したりしないこと。

墓地は亡くなった方の安住の地です。ですので、慈悲の心をもって墓地に入りましょう。お墓やお供え物の上をまたいだり、墓地で大声で喧嘩したり笑ったり、子供を走り回らせたり、そこらへんでおしっこをさせたりしないようにしましょう。

また、墓地での写真撮影はNGです。

お墓参りはご先祖様を偲ぶためだけでなく、祝福の祈りをささげる場でもあります。ですので、亡くなられた方への敬意を示すために墓地で写真は撮ってはいけないとされています。

たとえ墓碑を映していなくても、長い間眠っている霊たちを邪魔してしまい、撮影者にそのつもりがなくても、家に帰ってから眠れなかったり、悪夢を見たり、深刻な場合には運気に悪い影響が出たりするそうです。

そして、お墓掃除の後はまっすぐ家に帰らない。

外で食事をしたり、コンビニやスーパーで買い物をしたり、特にいいのは、外でトイレを済ませてから帰るといいそうです。こうすることによって目に見えない穢れが家についてくるのを防ぐという意味があるそうです。

でもまっすぐ帰らないほうがいいとは言っても、お墓掃除の後は、友達に会いに行ったりしてはいけません。

「清明節」は故人を弔う特別な日ですので、この日に友人を訪ねると、不運や不吉な気分になってしまうからだそうです。

色々なタブーや忠告を言われていますが、一番大切なのはご先祖様を敬う気持ちですね。

今日からの連休、台湾ではあちらこちらでお墓の掃除が行われています。

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