文化の台湾 - 2020-10-07_中華民国の建国記念日「雙十国慶節」

  • 07 October, 2020
  • 林 蕙如
中華民国109年双十国慶節祝賀大会が10日、総統府前の広場で行われた。式典の最後には空軍のF16戦闘機や曲芸飛行隊「雷虎小組(サンダータイガース)」が総統府の上空に登場し会場を盛り上げた。(写真:CNA)
中華民国109年(2020年)国慶節の祝賀花火の打ち上げが10日午後9時より、台湾南部・台南市安平区の漁光島で行われた。もともと1万6,882発の予定だったが、予定を変更し2万7,354発に増加。大輪の花火が33分間にわたって台南市の夜空を彩った。(写真:CNA)

10月の中華民国(台湾)では重要な行事が行われます。それは10月10日の中華民国の建国記念日である「雙十國慶節」です。これは1911年の10月10日、「辛亥革命」の発端となった「武昌蜂起」を記念して制定されています。

清朝時代も後半、国家が荒れ始め、人々は安心して生活できませんでした。そんな中、各地で続々と革命グループが現れ始めます。

1911年10月9日、武漢地域の革命グループがロシア租界にある秘密の場所で爆弾の製造をしていた際、誤ってひとつの爆弾が爆発してしまい、ロシアの巡回兵に見つかってしまいます。それがきっかけとなり、革命の計画がロシア兵から管轄地域である湖広総督に漏れ、決起の鎮圧が行われます。

そして翌10月10日の早朝には革命を導いていたとされる3名が湖広総督公署の前で処刑されてしまいました。

これに「じっとしていられない、革命を起こさなくては」となった革命家らが、その日の夜、湖広総督の清朝の警備隊に対して決起しました。

その「武昌蜂起」が「辛亥革命」の発端となって各地で革命運動が起こり、2ヵ月後には清朝が崩壊。そして、古くから続いた君主制の伝統を終わらせ、アジアにおいて初の共和制国家である中華民国が成立しました。

このような歴史から、この10月10日を建国記念日として祝っています。

なお、“10月10日”で“十”が重なる日であることから「雙十國慶節」と呼ばれています。漢数字の“十”が二つ横に並んだデザインがシンボルマークとなっています。

今年(2020年)はその建国109年を迎えます。

毎年この10月10日の午前中に台北市の総統府前広場で祝賀式典が行われます。今年もすでに総統府前広場には漢数字の“十”が二つ横に並んだデザインを模したゲートや祝賀式典のステージが組んでありますよ。

今年の「雙十國慶節」のテーマは「民主台灣 自信前行(民主的な台湾、誇りをもって前進)2020 PROUD OF TAIWAN」です。

毎年、祝賀式典では、パレードや航空ショー、また総統がこの1年を振り返り、そしてこれからに向けての演説を行います。なお今年の式典では新型コロナの防疫に貢献してくれた人々と、台北医学大学の合唱団がリードする国歌斉唱が行われます。

毎年、会場には中華民国と国交を結ぶ国々の元首や高官、友好国の国会議員、海外の華僑団体などが招かれるのですが、例年と違うのは、今年は中華民国国籍を有する18歳以上の一般市民が500人限定で初めて招待されます。すでに抽選も行われていて、招待枠を手に入れた方は今きっと、10月10日が待ち遠しいと思っていることでしょう。

また、「雙十國慶節」といえば、式典だけでなく、毎年10月10日の夜に行われる“花火”も重要なイベントのひとつです。元々は台北市の総統府付近で行われていたのですが、安全を考慮して、淡水河の河畔で行うようになり、2000年以降からは、台湾の各県が持ち回りで行うようになりました。今年(2020年)は台南市が担当。台南市の漁光島で、およそ33分間にわたって1万6,800発の花火が打ち上げられます。すでに「雙十國慶節」連休の台南の宿泊施設は予約で埋まっているところが多いようで、多くの人がこの花火にも期待をしています。

さらには、「雙十國慶節」の前夜(9日)には、前夜祭が行われいます。今年は初めて台湾北部の街・基隆で開催されます。そのほか、「雙十國慶節」の関連イベントとして、昨日(10/6)から「雙十國慶節」当日(10日)まで、総統府で夜19時から21時半まで30分おきにおよそ8分間のプロジェクションマッピングが行われています。このプロジェクションマッピングは2017年に始まったもので、今年が4年目ですが、すでに「雙十國慶節」のおなじみのイベントとなっています。今年のプロジェクションマッピングのテーマは「自信島嶼 迎向曙光(自信の島嶼、曙光を迎える)」をテーマに、総統府を“灯台”に見立て、台湾が明るい灯台のように人々を大切にしている事を象徴するのと同時に、海外の船をも照らし、日常が大きく変わってしまった今年、この灯台を通してお互いにつながっている事を表しています。

立法院の游錫堃・院長によると、通常、「雙十國慶節」の準備は3月か4月頃からはじめるそうですが、今年は新型コロナの影響で開催できるのかどうかを見ていて、準備期間がとてもタイトだったそうです。でも新型コロナの抑え込みに成功していることで予定通り開催ができそうです。

今年もこの「雙十國慶節」のリハーサルで早朝に空軍機が台北の上空を飛び、びっくりして飛び起きたという声があちこちからあがり、総統府がこの日にリハーサルを行いますよという案内を改めて出していました。また、毎年この時期になると、街中に中華民国の国旗が掲げられますので、また来年以降、チャンスがあれば「雙十國慶節」のタイミングで台湾を訪れると、独特の盛り上がりを感じることができるかも知れませんよ。

ただ、今年は来ることは叶いませんが、台湾国際放送の運営母体である中央放送局では毎年、この「雙十國慶節」の実況中継を行っています。今年も14種類の言葉を使って祝賀式典の模様を実況中継でお届けします。日本語放送もありますので、ぜひこちらをお聴きください。

日本語放送は、10月10日、日本時間の午前11時からお昼12時まで、周波数は15.730メガヘルツ(15730kHz)です。

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