日本の対台湾窓口機関、公益財団法人日本台湾交流協会台北事務所の泉裕泰代表が11月の初めに離任します。蔡英文・総統は10月30日、台日関係の促進における泉代表の功績をたたえ、感謝の意を表するため、泉代表に「大綬景星勲章」を授与しました。
「景星勲章」は中華民国総統府が文官に授ける勲章で、「勲章条例」に基づいて国家の政務に対して功績のある公務員、また国家にとって重要な貢献のある本国人、または外国人に授与されます。
蔡・総統はあいさつの中で、過去四年、泉代表協力の下、台湾と日本は互いに支え合い、共に新型コロナウイルス感染症の挑戦を乗り越えてきた。そして重要な協力覚書を10項目締結した。その中には、交通、環境、司法、青年などの議題が含まれている。台湾と日本との交流もそのおかげでますます頻繁になり、緊密になっていると指摘しました。
蔡・総統はまた、昨年、日本は台湾の農産品の二番目に大きい輸出先になっている。日本台湾交流協会と台湾の中華文化総会の共催で「台日フルーツ夏祭り」が行われ、双方の農産品の輸出拡大に取り組んでいる。それと同時に、台湾と日本は、「グローバル協力訓練枠組み」(GCTF)を通じて公衆衛生、エネルギーの安全性、災害の防止と救助などの分野における協力関係を拡大し、パートナーシップを強化しているとし、過去4年を振り返れば、台湾と日本は、世界に対して民主主義、自由などの価値を共有するパートナーは、手を取り合って世界的な課題に向き合うことができるほか、さらに「善の循環」を作り、地域の繁栄と発展のために貢献することもできることを見せつけていると説明しました。
蔡・総統はさらに、泉代表はかつて「唇亡びて歯寒し(くちびるほろびて はさむし)」という諺を使って台日関係を形容している。そして台湾は日本と互いに代替できないパートナーだと述べたことがある。台湾は絶対それを忘れないと強調しました。
泉代表はかつて日本台湾交流協会のフェイスブックに投稿した際、日本は常に台湾と共にあり、台湾を最大限で支持していると書き込みました。蔡・総統はこのことにも触れ、泉代表は台湾と日本の関係のために新たな一里塚を確立したほか、台日友好という種をまいて一所懸命灌漑し、豊かな実を結んだと称え、この果実の美味しさはずっと台湾人と日本人の心に刻み付けられるだろうと述べました。
蔡・総統は、泉代表に対して台湾を第二の故郷にし、常に実家に戻るよう招請すると共に、今後異なるポストに行っても引き続き台日関係の増進のために一緒に努力するよう呼びかけました。
一方、泉代表はあいさつの中で、台湾に着任して四年、蔡・総統の任期とほぼ重なっている。この間、全世界が台湾を見る目が大きく変わっている。台湾に対する認識もさらに広くて深まった。蔡・総統が今年の建国記念日、双十国慶節祝賀大会で発表した談話で語ったように、台湾は世界の台湾になっている。これは蔡英文政権にとって最大の外交上における成果だと称えました。
泉代表は、蔡・総統が来年退任後、日本を訪れて日本各地を観光し、複数の講演を行うよう招請しました。泉代表によりますと、最近、日本ではほとんど毎日のように、台湾関連のニュースが報道されています。台湾が注目されています。それに加えて蔡・総統は台湾初の女性国家元首であるため、日本では男女を問わず、共に関心が高いです。蔡・総統の日本での演説はきっと多くの人を引き付けるだろうと締めくくりました。