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Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送台湾ミニ百科(2022-01-19)台湾の成人年齢が18歳に、変わるところ?

  • 19 January, 2022
台湾ミニ百科

日本は今年4月から、成人になる年齢がこれまでの20歳から18歳に引き下げられますね。実は台湾も、これから成人年齢が変わります。台湾は2020年12月25日、民法の改正案が可決され、成人になる年齢がこれまでの20歳から18歳に引き下げられることが決定しました。この改正案は、2023年の1月1日から施行されます。成人になる年齢が引き下げられることで、いろんなことが変わりますが、最大のメリットは、「これでようやく成人年齢がわかりやすくなった」と言われています。

なぜなら、実は今、台湾社会における成人になる年齢は、主に三種類の説あります。16歳、18歳、そして20歳です。人によって感覚が違うこともありますから、たった一言の「成人になる年齢」と言っても、何歳を指しているのかわからない場合もあります。

一体どういうことでしょうか?今回は台湾の成人年齢についてお話しましょう。

・台湾の3つの成人年齢ー16歳、18歳、20歳

16歳は、主に台湾南部、台南市で伝えられている説です。清の時代の台南は、台湾最大の都市です。当時、台南の港で働いていた労働者たちは、16歳になって、初めて全額の給料がもらえますので、16歳は成人になる年齢とされていました。また、16歳になる青年たちのために、毎年の旧暦7月7日に成人式が行われます。7月7日は、子供の守り神と信じられ、「七娘媽」と呼ばれる女神・織姫の誕生日です。この日に成人式を行うことで、「子供はもう一人前になったよ」ということを宣告し、子供を無事大人になるまで守ってくれた織姫に感謝を伝えるのです。この習慣は今も残っていますが、台湾全域ではなく、台南市独自の習慣となっていますので、成人年齢が16歳、という説が通じるのは、主に台南市民なのでしょう。

18歳は、台湾の刑法の規定です。正確に言いますと、刑法にははっきりと「成人になる年齢は18歳」と書かれているわけではありませんが、刑法には、「刑事責任年齢」があります。それによりますと、14歳未満の人は、心身ともにまだ未成熟ですから、刑事責任を負わない「責任無能力者」として扱います。犯罪した場合は罪を問われません。14歳以上18歳未満の人、それから満80歳の人は、刑事責任を負う能力はあるものの、刑罰が軽減される「制限刑事責任能力者」です。18歳以上、80歳未満の人は、刑事責任を負うことがでると見られ、完全な刑事責任が問われる「完全な責任能力者」にあたります。そのため、刑法上では、18歳が一人前になる年齢と言えます。そのほか、飲酒と免許の取得も、18歳からできるようになります。

刑法では18歳が成人ですが、一方、台湾の民法が定める成人年齢は、20歳です。20歳以上の人には、契約を締結するなどの法律行為を、単独で有効に行うことができる資格「行為能力」があるとしています。20歳以下の場合、7歳未満の未成年者は、行為能力を有しない者、中国語では「無行為能力者」といいます。自ら有効な意思表示ができず、その代わりに法定代理人が代行します。

7歳以上20歳未満の未成年者は、部分的に行為能力のある「制限行為能力者」です。制限行為能力者は、単に法律上の利益を獲得すること、例えば、親戚からの贈り物をもらうこと、それから、その年齢と身分を考慮した上で、その日常生活に必要なこと、例えば、朝ごはんや電車のきっぷの購入ならば、法定代理人の許可がなくても、自分で意思表示を行うことができます。逆に、高価なスマホやゲーム機などは必要ではないものですから、それらを購入する場合は、法定代理人の許可が必要ということです。

民法と刑法にある成人年齢の違いによって、現在台湾における年齢制限の基準は、よく人を混乱させます。例えば、免許は18歳から取れるのに、20歳になるまで、バイクや車を購入するには親の許可が必要です。18歳の少年が特殊詐欺に関与した場合、刑法によれば、少年には刑事責任能力があるから、少年は刑務所に送り込まれます。ところで民法では、少年は未成年ですから、少年の親には連帯責任があり、詐欺の被害者たちに弁償する必要があります。

そのほか、ロトくじは18歳で買えますが、スポーツくじは20歳にならないと買えません。また、公務員試験は18歳から受験可能ですが、銀行で自分の口座を開設するには、20歳になるまで、親の許可が必要です。ちょっとややこしいですね。

・成人年齢の引き下げによって変わる点

そのため、2020年の12月25日に民法改正案が可決され、民法が定めた成人年齢が20歳から18歳に引き下げられることで、今後台湾における年齢制限がよりわかりやすくなります。今との相違点については、一部日本と同じところがあります。

例えば、アルバイト、部屋の賃貸、銀行口座の開設、クレジットカードやキャッシングの申請、携帯電話の購入などの契約は、親の同意がなくても、自分の意志で決めることができるようになります。18歳で会社を立ち上げることも可能になります。

法律に違反した場合、刑法であろうと民法であろうと、完全な責任能力があると見られ、刑罰が軽減されることはありません。結婚できる最低年齢は、いまは男性が18歳、女性が16歳ですが、今後は男女共に18歳になります。性同一性障害の人の性別変更の申し立てなども、本来の20歳から、18歳からできるようになります。

民法の成人年齢が引き下げられることで変わらないことは、タバコや酒を購入できる最低年齢は、いまと同じ18歳。免許の取得、公務員試験の最低年齢も変わらず、18歳からです。選挙権がある年齢に関しては、今の所は、まだこれまで通り、20歳のままですが、今後は憲法や関連法案の修正を通して、18歳に引き下げられる可能性があります。

台湾の民法改正案は、2023年1月1日から適用されます。日本よりおよそ8ヶ月遅れますが、すでに多くの親たちは不安を感じているようです。一方、子どもたちは、ワクワクを隠しきれていない様子です。成人年齢の引き下げを機に、親たちも子離れの時期を早めなければいけませんね。

 

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