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Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送台湾ミニ百科(2022-01-12)教育召集

  • 12 January, 2022

今日はまず、最近台湾でちょっと話題になったことをお話しします。国防部は今年から、引退した軍人や、兵役を終えた国民を対象に、定期的に行った軍事訓練、「教育召集」の新たな制度を実施します。訓練期間がおよそ従来の2倍の長さになり、訓練項目も大幅に増えました。新制度は3月から行われる予定ですから、最近台湾のニュースはしょっちゅうこの話しを取り上げています。これに対して台湾の男性たちの反応は、「勘弁してくださいよ」と面倒臭がる人も、「良いじゃない?有給休暇が長くなったから」と大歓迎する人もいます。

何故これほどの差があるのでしょうか?そもそも「教育召集」とは、具体的にはどんな訓練なのでしょうか?今週は、台湾の男性たちが皆、複雑な感情を抱いているのであろうこの軍事訓練「教育召集」についてご紹介したいと思います。

・台湾の兵役制度

台湾の兵役制度は、戦後の1949年、中華民国政府が台湾に拠点を移してきた後に始まりました。政府は中国大陸にある中国共産党が台湾に攻め入るのに備えて、台湾にいる18歳以上の男性は皆兵役につくことを義務付けられていました。

男性たちは、19歳の時に徴兵検査の通知書が届き、それをもらって病院へ身体検査を受けます。検査の結果をもらってからは、抽選によって兵種や配属先、兵隊に入る時期が決められます。

兵役制度が実施された初期、兵役期間は兵種によって異なり、陸軍が2年、海軍と空軍が3年でした。1990年からは兵種の違いがなくなって、皆同じ2年になりました。それから、台湾海峡両岸の情勢の緊張緩和と国民の要望に応じて、兵役の期間が徐々に短縮され、2012年には、それまで実施していた徴兵制を志願制へ移行する方針が決められました。

しかし、これで男性たちは全く兵役に関わりを持たなくなったわけではありません。2013年から、台湾の満18歳の男性は、代替役や兵役が免除された人を除いて、わずか4ヶ月の軍事訓練を受け。この4ヶ月のうち、最初の5週間は基礎訓練、その後の11週間は初級から中級までの専門訓練です。部隊に入る必要はありませんが、これまでと同じように、配属先は抽選で決められます。2018年以降、台湾の兵役制度は、徴兵制から、全面的に志願兵制へ移行しました。

・教育召集

教育召集訓練は、今年から一新しましたが、まずは今までの教育召集とはどういう感じなのかをご紹介いたしましょう。

今までの教育召集は、2年に一回行われます。一回でおよそ5日から7日間、招集される人数はおよそ9万7000人です。会場は、各地の軍事施設、参加者たちは施設の寮に泊まります。

訓練の内容は、12時間の射撃訓練、そのうち拳銃が15発、小銃が21発、マシンガンが33発、迫撃砲が17発です。それから、12時間の戦闘訓練があります。

教育召集訓練の参加者には、訓練の日数に応じて手当が支給されます。手当の金額は階級によって異なります。一般の兵士は台湾元700元(およそ日本円2915円)、士官は台湾元800元(およそ3300円)、さらに階級が上の軍官ならば、台湾元900元(およそ日本円3745円)です。つまり、一回の訓練で、少なくとも日本円1万4500円がもらえるということです。

ネット上にある、これまでに招集されたことのある人たちの感想を見てみましたら、教育召集が「めんどくさい」と思う人は結構多いですが、逆にそれを「無料のサマーキャンプ」だと譬え、喜ぶ人もいます。理由としては、「訓練があるとき以外、ほぼすべて自由行動。定時になったら食事が出されるし、睡眠時間も普段仕事している時よりもきちんと取れる」ということです。

今年から実施される新しい制度では、教育召集訓練の頻度を年に一回に引き上げ、訓練期間も、14日間に増えました。招集される人数は、9万7000人から、1万5000人に大幅に下げました。会場は、台湾の北部・中部・南部における戦略的位置をそれぞれ1箇所選定して、拠点を設置します。拠点となる場所は、軍事施設や学校、体育場、市民センター、公園などです。この14日間、参加者は全員そこでテントを張り、野宿します。食事も弁当や出前を頼んではいけません。すべて野外で炊事するのです。

訓練期間が長くなったのに応じて、訓練の内容も従来の2倍以上となりました。まず、射撃訓練が28時間に、そのうち拳銃が35発、小銃が45発、マシンガンが69発、迫撃砲が34発です。続いて、戦闘訓練が56時間になり、その内容としては、行軍、野営、班ごとの攻撃と防御訓練、工事の構築、傷の手当、戦いにおける地形の活用方法、障害物の破壊と通り方、戦いの中で発生するあらゆる状況の対処法などです。

また、教育召集の参加者に与える手当に関する規定も増えました。まず、教育召集に5回以上参加した志願者には、毎回追加で奨励金が支給されます。教育召集の参加者が所属している会社は、確定申告するとき、 教育招集に参加した従業員がそれで休みをとった期間の給料の150%を売上額から差し引くことができます。そのほか、教育召集が終わった1年以内、招集に参加した関連証明を持参して、国軍に所属する医療施設に受診すれば、診察料が免除されます。国防部に所属する商店で買い物する場合も、割引が適応されるなどです。

国防部によりますと、教育召集訓練の詳細を一新したのは、台湾海峡両岸で戦争が起きることに備え、戦争の時と変わらない状況を、日頃からなれてもらえるために、野営訓練を強化しているのだということです。

台湾の男性たちは面倒臭がるかもしれませんが、国土の安全のために、もっと努力してもらいたいものです。

 

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