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Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送台湾ミニ百科(2021-06-02)死後苗字が変わる家族?「活廖死張」

  • 02 June, 2021

今年4月29日、台湾中部、台中市にある100年の歴史的建物、「張廖家廟」が修復工事を始めたことで、少し話題となっています。「家廟」は、先祖を祀る廟という意味です。「張」と「廖」は、その家族の苗字です。

台中市の「張廖家廟」は、日本統治時代の1916年に建てられ、これまでに105年の歴史があります。1985年に行政院内政部によって史跡と認定され、台中市ではかなり有名な観光スポットとなっています。ところで、長年地震と台風の影響を受け、その廟の内部は、ところどこに水漏れや破損が発生し、一部の壁が傾けてしまい、その安全性が心配されています。

そのため、台中市役所は今年、廟側と文化部と力をあわせて、合計台湾元4936万元(およそ日本円1億9608万円)の経費を使って、「張廖家廟」の修繕工事を始めたということです。

ところで、「家廟」という、先祖を祀る廟は、主に同じ苗字の家族が祀られます。どうしてここでは、「張」と「廖」、2つの苗字があるのでしょうか?

これは、台中市の西と南側に分布する大家族、「廖」の一族の間で引き継がれている習慣を表しているのです。

皆様は、人が死後、苗字が変わるということは聞いたことはありますか?台中市の「廖」の一族は、生きている間は「廖」さんですが、死後、墓石や家系図では苗字が変わり、張さんになります。この習慣は、「活廖死張」と言います。「生きている間は廖さん、死後は張さんになる」ということです。その習慣のため、この家族の葬儀の案内状は、よく「苗字が違うから送り間違いでは」と思われるそうです。

この習慣は、今からおよそ600年前、元の時代の末期から明王朝初期にさかのぼれます。

元の末期から明の初期の頃、福建省漳州には、張愿仔という人がいました。彼はふるさとで起きた反乱から逃げるため、隣の県にやってきて、地元の豪族、廖氏の別邸で暮らすようになりました。

廖氏には息子がいなくて、たった一人の娘がいたため、張愿仔のことを婿養子にし、張愿仔がそれで、廖元子に改名しました。廖氏は廖元子のことを、まるで本当の息子のように接し、全ての家族産業も彼に継がせました。廖元子も廖氏を親として敬い、廖氏の娘との間に、男の子一人授かりました。

張愿仔こと、廖元子はこの世を去るまで、ずっと廖の一族のために尽くしていたと言われています。ところで、彼は死ぬ前に、廖氏から受けた恩を忘れないが、本当の親の生みの恩と育ての恩にも報いたいため、息子にこのように告げました。

「私は、廖氏から恩を受けており、命に代えてもそれに報いるべきだが、残念ながらそれは叶わなかった。どうか私の代わり報いてほしい。今後、子孫が生きている間は、廖と名乗って、廖の一族に栄誉を与えてほしい。そして死後は、自分のルーツを忘れないよう、苗字を張に変えてくれ」と。

廖元子の息子はそれを了承し、それを実行するよう誓いました。そして、その息子は、更に自身の息子4人に廖元子の話をし、「私達のもとの苗字は張だった。どこどこに張の先祖の祠がある。もし今後、ほかの地域に移住する場合、苗字は張と名乗るか廖と名乗るかはあなたたちの意思で決めればいい。ただし、廖の一族のご恩は、絶対忘れてはいけない」と言いつけました。

廖の一族の子孫は、先祖からの言いつけを守ってきました。これが、台中市の廖の一族が、生きている間に廖、死後、張になると苗字が変わる習慣の由来です。ちなみに、台中市の廖の一族のうち、死後に苗字が変わるのが面倒と思うからでしょうか。いっそ自分たちの苗字を、張と廖をあわせて、「張廖」にする一家もいます。これで、「張廖」という苗字が、台湾の珍しい苗字となりました。この苗字の人は、必ず台中市の出身と言えます。そして台中市の政界にも、苗字が「張廖」という人が何人か活躍していますよ。

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苗字の話をしましたので、ここでは補足として、台湾の名字ランキングをご紹介したいと思います。

2018年に内政部の統計によりますと、台湾にある苗字の数は、合計1832種類もあります。そのうち、北部の新北市では、最多の1250種類あります。その次は、台北市、1202種類です。

統計によりますと、台湾で最も人数の多い苗字は、こざとへんに東と書く「陳」です。およそ262万7900人いて、台湾の人口の11.15%を占めています。

次は、はやしと書く「林」です。およそ196万400人。人口の8.32%を占めています。

3位は黄色の「黄」、およそ142万6700人で、6.05%を占めています。

苗字ランキングの4位から10位は、「張」、「李」、「王」、「呉」、「劉」、「蔡」、「楊」です。このトップ10の苗字の人数は、およそ1244万人、台湾人口の52.78%を占めています。そして全部1832種類の苗字のうち、人数の最も多いトップ100の苗字の人数は、人口の96.57%、およそ2276万人です。

地域別で見てみますと、台湾中部の雲林県と、北東部の宜蘭県では、林さんが一番多い以外、他の地域ではすべて、陳さんが一番多いですよ。

そして、苗字は民族に関係していると見られています。例えば、「鍾」、「范」、「彭」、「古」は、いずれも台湾の二番目に大きいエスニックグループ、客家人でよく見られる苗字とです。

調査によりますと、台湾におけるこの4つの苗字の人口のうち、客家人である割合は、それぞれ鍾さんが65.2%、范さんが71.4%、彭さんが73.4%、古さんが75.2%です。そのほか、珍しい苗字の多くは、第二次世界大戦後、中国大陸から台湾に渡ってきた外省人の苗字と考えられます。元台北市長の郝龍斌氏の郝、質疑応答の応の旧漢字「應」、閻魔の閻などです。

(編集:曾輿婷/王淑卿)

 

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