:::

Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送台湾ミニ百科(2021-05-12)台湾のWHO参加事情

  • 12 May, 2021
台湾ミニ百科
(写真:who.intより)

世界保健機関(WHO)の最高意思決定機関、世界保健総会(WHA)が今年、5月24日に開会します。ところで、台湾はWHAの参加申し込み締切りである、5月10日、スイス時間午後5時になっても、WHOから招待状を受け取っていません。WHAに招待されないのは、2017年から5年連続となります。

WHOによりますと、台湾のWHO総会へのオブサーバー参加を決定する権限は、WHOの加盟国にあり、WHO事務局にはないということです。

これに対して、日本の外務省に相当する、外交部の田中光・政務次長は、「台湾は最後まで戦い続ける」と話しました。

招待状がもらえないのはとても残念ですが、近年、国際社会における、台湾によるWHAとWHO参加を支持する声がだんだん大きくなり、今年も例外ではありません。

台湾のWHA参加に対して、中華人民共和国外交部の華春瑩・報道官は11日、「この世界に中国は1つしかない。台湾地域が世界保健機関を含む国際組織のイベントに参加することに関しては、『1つの中国』の原則に沿って処理する必要がある」と強調しました。台湾が国際組織への参加が難しいのは、やはり中国大陸が主な原因となっていますね。

 

ところで、皆様、ご存知ですか?実は台湾は、もともと世界保健機関の創設メンバーでした。世界保健機関の立ち上げには、少し貢献しましたよ。

台湾は地名、国名は、「中華民国」。中華民国は、もともとは国際連合が発足した頃に加盟している、51カ国の一つでした。1945年、中華民国は、世界中の保健と医療に関する事務を管理する組織を結成するため、世界規模の衛生会議を開催すべきと、ブラジルと共同提案し、その翌年である1946年、国際規模の衛生会議が無事行われ、そして1948年に、世界保健機関が国際連合の専門機関の一つとして発足しました。中華民国は、その創設メンバーでした。

1949年、国民党と共産党をめぐる政権闘争、第二次国共内戦で、中国共産党が勝利し、中華人民共和国を成立しました。中国大陸が実質中華人民共和国の統治下になったのと同時に、中華民国政府は台湾に拠点を移し、台湾、澎湖、金門、馬祖などの地域を統治しています。

1971年、中華人民共和国は、国際連合における中国代表権が認められました。それによって、中華民国政府は国連と、世界保健機関など国連の専門機関の脱退を余儀なくされるようになり、その翌年、1972年に行われた世界保健総会(WHA)では、早速中華人民共和国が中華民国に代わり、WHOでの中国の正統な代表であることが決議されました。

 

中華民国、つまり台湾の、長い長いWHO参加を求める道がこれで始まりました。

最初は、1997年、民間組織が率先して、台湾によるWHO加入を呼びかけるのが始まりです。それに呼応するように、中華民国台湾の外交部門も1997年から、毎年違う名義によるWHOとWHO総会への参加を図りました。国名の中華民国、通称である台湾、スポーツイベントに参加する際の名称、中華台北(チャイニーズ・タイペイ)など、各種の名義を使って参加を試みました。しかし残念ながら、すべて拒絶されました。

この状況は、2009年まで続いていました。2009年台湾はチャイニーズ・タイペイの名義による、WHO総会のオブサーバー参加ができるようになりました。そのときの政権与党は、両岸問題に対して比較的柔軟な態度をとっていた国民党の馬英九政権であったため、台湾と中国大陸との交流と経済提携が増えるにつれて、中国大陸も台湾の国際組織参加に対して少し容認したと考えられます。

2009年から2015年、台湾は毎年WHAにオブサーバーとして招待されました。

2016年の総統選挙で、台湾の主体性を強く主張する民進党の候補者、蔡英文氏が勝利して総統に就任。その年のWHO総会には、台湾はギリギリまで招待状がもらいましたが、2017年から今まで、台湾はすでに5年連続WHAに参加できていません。

 

WHOとWHAに参加できないことは、台湾にどのくらいの影響を与えているのでしょうか?

その代表的な一例は、2002年から2003年、中国大陸の広東省を起源とした感染症、SARS(重症急性呼吸器症候群)がアジアを中心に世界で猛威を振るっていた時でしょう。

当時、変わらずに世界保健機関から除外されていた台湾では、初めて域外感染者が見つかったときから、初の域内感染者が台湾北部・台北市の台北市立和平病院で集団感染を引き起こした後も、台湾はWHOからSARSの陽性検体をもらえませんでした。最終的に、台湾では181人がSARSにより死亡しました。

SARSだけではありません。H7N9型鳥インフルエンザ、エボラウイルス、MERSコロナウイルス、鳥インフルエンザなど、世界で新たな伝染病が見つかるたび、たとえ台湾にはウイルス検査を実施する実力があっても、すぐにはWHOの検体が手に入らないわけではありません。検体を入手するには、主に海外との民間の交流を通して、初めてもらえるということです。病原体不明とされる新たな伝染病の検査において、この遅れは、感染症の予防をますます難しくさせています。

 

2019年年末に発見され、今でも世界で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症。WHOから排除されている台湾は、これまでの経験を活かし、コロナの封じ込めで大きな成果をあげ、さらにその経験を、世界と共有しています。

「Taiwan can help.(台湾はお手伝いできます)」。このスローガンの通り、台湾は世界のためにさらなる貢献ができるよう、今後も国際組織への参加を目指し、努力し続けていくでしょう。

(編集:曾輿婷/王淑卿)

 

Program Host

関連のメッセージ