close
Rti台湾国際放送公式アプリをインストール
開く
:::

台湾ミニ百科(2021-05-05)台湾の緊急警報システムに関して

  • 05 May, 2021
台湾ミニ百科

今年2月7日、台湾時間午前1時36分に、台湾の東部の外海ではマグニチュード6.1の地震が発生し、台湾各地では、最大震度4が観測されました。

幸いなことに、この地震では特に大きな被害は出ませんでした。ところで、地震の直後、フェイスブックやツイッター、インスタグラムなどのソーシャルメディアでは、地震よりスマホに送られた緊急警報に関する書き込みがはるかに多かったです。「スマホに驚かされた」、「スマホのせいで夜中に起こされた」など。

一体どういうことでしょうか?実は地震が発生した瞬間、台湾でスマホを持っている多くの人々の元には、「2月7日1時36分頃、東部の外海で地震が発生した。強い揺れにご注意ください」とのショートメッセージが送られてきて、それに伴うけたたましいアラーム音が鳴り響いていました。

アラーム音を止めようとメッセージを消そうとしても、また次々と同じ内容のメッセージが複数送られてきました。その数も、2通や3通だけではありません。メディアの報道によりますと、10通以上受信した人は珍しくありません。14通を受信した人も痛そうです。

この携帯メール(SMS)通報は、中華民国台湾の電信、通信、放送事業を監督する独立行政機関、「国家通信伝播委員会(NCC)」と、台湾の内閣に相当する、行政院所轄の「行政法人国家災害防救科技中心(NCDR)」が共同企画した、警報配信サービスの一つです。

「国家通信伝播委員会(NCC)」は2016年から、大手電信会社と提携し、「パブリック・ワーニング・システム(Public Warning System , PWS)」という警報配信サービスを始めました。警報配信サービスは、災害が発生するときに、災害予防に関する主管機関、そして各地方自治体によって配信することが可能です。「セルブロードキャスト(Cell Broadcast Service/CBS)」を通じて、すぐさま緊急警報を4Gスマホの使用者に配信することができます。

配信される警報は、大きく分けて、四種類あります。

まずは、「国家レベルの緊急警報」。国民はすぐに危害を受ける可能性がある場合に配信されるものです。たとえば、マグニチュード5.0以上の地震が発生し、少なくとも1箇所の役所所在地では震度4以上の地震が発生すると予測した場合、または台湾が空襲を受けた場合などの緊急事態の時に配信されます。国家レベルの警報が配信される時は、特殊なアラーム音が鳴るほか、スマホも振動し、スマホの所有者の注意を喚起し、早めに災害に備えるよう呼びかけます。

二は「緊急警報」。災害や救助活動に関する組織による避難警報などです。

三は「お知らせ」。他と比べては緊急性の低いメッセージですが、国民の日常生活に深く関わっている情報です。例えば、日本の気象庁に相当する、中央気象局による大雨注意報、津波警報、台風の強風注意報。台湾の幹線道路の所轄機関、公路総局による道路通行止め及び通行規制のお知らせ。水利署によるダムの放流通知。水土保持局による土砂災害警戒情報。疾病管制署による感染症情報と海外の感染症発生情報などなど。

そして、四は「毎月のテスト用メッセージ」です。警報配信サービスのテストの時に使われます。

4種類の警報のうち、地震の緊急警報は、2つのプレートの境界あたりにあり、地震が発生しやすい台湾では、特によく配信されたように感じられます。地震の情報をいち早く知ることができるのはありがたいですが、冒頭でお話したように、スマホに緊急警報のメッセージが複数殺到することがたまに発生し、「緊急警報は過剰反応しすぎだ」とも言われています。...

(編集:曾輿婷/王淑卿)

 

Program Host

関連のメッセージ