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Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送ようこそT-roomへ - 2021-08-11_東京五輪における台湾チームの成績を振り返って

  • 11 August, 2021

 8日に閉幕した東京オリンピック、中華民国台湾からは今回18の競技に68人の選手が出場しましたが、金メダル2つ、銀メダル4つ、銅メダル6と、合わせて12個のメダルを獲得しました。このメダル12個という数は、2000年のシドニー大会と2004年のアテネ大会の5個を大きく上回り、史上最多でした。このほか、メダル獲得はならなかったものの、各競技で上位進出、8位入賞した選手が出るなど、過去最高のパフォーマンスを発揮した大会といっても過言ではありません。

 先週のこのコーナーでは、メダリストの中から、重量挙げ女子59キロ級の金メダリスト、郭婞淳選手と、バドミントン女子シングルスの銀メダリスト、タイ・ツーイン選手にクローズアップして、エピソードをご紹介しましたが、今週は別の角度からオリンピックを振り返っていこうと思います。

 中華民国台湾は、中国大陸による圧力もあり、国際社会において微妙な立場に立たされています。その為、アスリートがパフォーマンスで、台湾を世界にアピールしてくれる機会であるスポーツの国際大会、特にオリンピックやアジア大会ともなりますと、普段はスポーツに関心のない人達も非常に熱狂します。

 ただでさえ注目度が高い中、今大会は台湾の選手が各競技で活躍したこと、日本とは、わずか一時間の時差で昼夜逆転することもないということもあり、オリンピックフィーバーともいえる現象となりました。

 中でも、8月の1日、台湾女子バドミントン界のエース、世界ランキング1位のタイ・ツーイン選手が、女子シングルス決勝で、中国大陸のチェン・ユーフェイ選手と対戦した試合は、ケーブルテレビの視聴率が、2013年、野球の世界一決定戦、WBC(ワールドベースボールクラシック)の日本戦を上回り、過去最高となりました。タイ選手は惜しくもチェン選手に敗れ銀メダルとなりましたが、表彰式含めて観戦した人の数は、およそ552万人と、台湾の人口の4分の1を上回りました。

 なお、こうしたケーブルテレビのほか、多チャンネルでオリンピックを中継した大手電気通信事業者、中華電信の会員制のインターネットテレビMODや、スマートフォンで視聴できるプラットフォームHami Videoも、過去最高の視聴率、ページビュー数を記録したんです。ムードだけでなく、こうしたデータからも熱狂ぶりが伺えますね。

   中華民国政府もオリンピック、アジア大会などの国際競技大会を重視しています。今回の東京オリンピックへ向け、中華民国政府、そして日本のスポーツ庁に相当する教育部體育署は、2018年から、11競技のメダル候補38人の選手を対象に「黄金計画」と呼ばれる強化政策を行ってきました。結果、38人全員がオリンピックへ出場、19人の選手が入賞し、2つの金メダル、4つの銀メダル、1つの銅メダルを獲得しました。

 また同時に注目されているのが、選手の所属チームやスポンサーとなっている企業です。中でも金融業は多くのメダリスト、上位入賞者を長期間サポートしてきました。つまり、今回の快進撃は、アスリート自身の努力はもちろん、政府と企業のバックアップも大きかったといえます。

 そして、台湾のメダリストへ支給される報奨金は、世界の国・地域の中でもトップクラスなんです。中華民国政府は、メダリストのほか、入賞選手に、「国光奨金」と呼ばれる報奨金が支給されます。「国光奨金」は、国の光、そして報奨金のしょう、きんと書きます。

 この「国光奨金」、金メダリストには台湾元2000万元(日本円にして7920万円)、銀メダリストには700万元(日本円およそ2760万円)、そして銅メダリストには500万元(日本円およそ1970万円)が支給されます。ちなみに、陸上、体操、競泳の競技でメダルを獲得した場合には、50%アップとなります。つまり、金メダルを獲得した場合は3000万元(日本円にしておよそ1億1890万円)となります。

 台湾メディアによりますと、こうした台湾のメダリストへの報奨金は、シンガポール、インドネシアに次いで、世界の国・地域の中で3番目に高額ということです。

 「国光奨金」は、4位の選手に300万元、5位、6位の選手に150万元、そして7位、8位の選手にも90万元支給されます。トーナメント戦の場合、ベスト8、準々決勝で敗れた選手は5位という扱いになります。

 冒頭でもご紹介しましたとおり、今大会、中華民国台湾の選手たちは各競技で大活躍、金メダル2つ、銀メダル4つ、銅メダル6と、合わせて12個のメダルを獲得したほか、入賞者も多く、「国光奨金」の支給対象はなんと28人に達し、その総額は1億6800万元(日本円にしておよそ6億6320万円)となりました。

 「国光奨金」が台湾元1000万元を越えたのは5人でした。内訳は、重量挙げ女子59級キロ級の金メダリスト、重量挙げ女子59キロ級の金メダリスト、郭婞淳選手と、バドミントン男子ダブルスで金メダルを獲得したリー・ヤン、ワンチーリンのペアがそれぞれ2000万元を獲得しました。そして、体操男子個人種目別のあん馬で、銀メダルを獲得した李智凱・選手は、銀メダルではありますが、50%アップ対象の体操での銀メダル獲得ということで、700万元ではなく1050万元支給されることとなりました。もうひとりはアーチェリー男子団体銀メダル獲得のメンバーで、男子個人戦でも4位となったウェン・チーチュン選手です。ウェン選手は団体銀メダルの700万元に加え、個人4位で300万元獲得しました。

 ちなみに、今大会、混合ダブルス、男子シングルス、そして男子団体と3種目に出場、9日間で12試合を戦った卓球男子のリンユンジュ選手は、混合ダブルス銅メダルで500万元、男子シングルス4位で300万元、そして男子団体ベスト8で150万元、あわせて950万元獲得しました。すごいですね。

 国民は熱狂、政府と企業はしっかりサポートと紹介しますと、台湾のスポーツ環境は素晴らしいと思われたかもしれませんが、課題がないわけではありません。

 人間らしいといえますし、どこの国でも多かれ少なかれ同じ状況はありますが、台湾のファンは特に熱しやすく冷めやすいのが特徴です。国際大会の時は熱狂し、選手を英雄視し、仮に選手の待遇などが不十分だった場合、政府や協会などを激しく批判する人も少なくないのですが、大会が終わるとブームはしぼみ、日常から各種のスポーツに関心をもち、アスリートを応援し、大会を見に行く為にお金を出そう、という人は一部のファンに限られています。

 スポーツが苦手な人まで、無理して興味をもつ必要はありませんが、せめて今回の東京オリンピックで選手たちの頑張りに感動した人は、自分のできる範囲でサポートしようという雰囲気が出てくるといいなあ、と思います。いずれにしましても、今大会、台湾選手の大活躍で、台湾のムードは明るくなりました。改めてお礼、ねぎらいの言葉を贈りたいと思います。

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