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Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送ようこそT-roomへ - 2021-05-19_台湾、今「北漂」より「南留」の方が人気!

  • 19 May, 2021

 日本のリスナーの皆様は、高校や大学を卒業後、最初の就職は日本のどのエリアでされましたか。例えば、関東地方生まれで、関東のエリアの大学を卒業したという方は、関東の企業に就職したという方が多そうですが、いかがでしょうか。

 日本の九州よりも少し小さいくらいの大きさである台湾島、その台湾島を大きくエリアごとに分けますと、北部、中部、南部、そして東部の4つに分かれます。

 そして、このうち、北部エリア、中部エリア、南部エリアは、台湾を南北に貫く中央山脈の西側に位置しています。中央山脈の西側は、北から南まで都市が連なっており、主要産業、大規模な企業、メーカーも西側に集中しています。台湾の新幹線、台湾高速鉄道や高速道路が南北を結んでいるのも西側です。

 では、台湾において、北部、中部、そして南部の大学を卒業した人たちは、どのエリアで就職することが多いのでしょうか。この度、大手人材バンクの「104」が、2011年から2020年の大学を卒業したフレッシュパーソンの最初の就職エリアに関する調査結果を発表しました。この結果は、イメージ通りのものもあれば、異なるものもありました。

 本日の「ようこそT-ROOMへ」では、この大手人材バンク「104」による、フレッシュパーソンの就職エリアに関する調査結果をご紹介いたしましょう。

 過去2011年から2020年の10 年間、北部の大学を卒業した学生は48万人、中部の大学を卒業した学生は23万人、そして南部の大学を卒業した学生は27万人いました。

 では、この3つのエリアの学生たちの、卒業後、最初の就職先はどのエリアのだったのでしょうか。

 まず、北部の大学の卒業生のうち、最初の就職先が北部だったという人は何と85%に達しました。また、中部だった人は6%、南部だった人は4%、その他のエリアは5%でした。

 中部の大学の卒業生では、最初の就職先が中部だったという人は59%、北部が28%、南部が9%、その他のエリアが4%でした。

 そして、南部のの大学の卒業生では、最初の就職先が南部だったという人は57%、北部が23%、中部が15%、その他のエリアが4%でした。

 この結果からは、いずれのエリアも、大学の所在地で就職した学生が最も多かったことが伺えます。ただ、その割合は北部が85%であった一方、中部が59%、南部が57%とばらつきがありました。北部から南部、中部から南部へ就職した人も1割に満たないという結果も見えてきました。

 ただ、この10年、トレンドも少し変わりつつあります。北部の卒業生の多くが北部で就職するという状況は変わりませんが、中部の卒業生で中部で就職する学生はこの10年で4ポイント増加、南部の卒業生で南部で就職するという学生も、この10年で2ポイント増加しています。

 2018年11月に統一地方選挙が行われた際、最大野党・国民党の高雄市長候補、韓國瑜(かん・こくゆ)氏は、よりよい労働環境、賃金を求めて北部へ働き行っている高雄出身者が多いとして、このような現象を「北漂」、東西南北の北に、漂うと書き「北漂」と呼びました。この統一地方選挙の高雄市市長選において、韓國瑜(かん・こくゆ)氏が、伝統的に与党・民進党が強い高雄市で市長に当選したこともあり、この「北漂」という言葉も大きな話題となったんです。

 南部の大学の卒業生のうち、最初の就職先が北部だった人は23%おり、「北漂」という現象自体は変わっていないかもしれませんが、先程ご紹介したように、南部の卒業生で南部で就職するという学生も、この10年で2ポイント増加しているほか、近頃、南部では就業機会も増えています。

 人材バンクの統計によりますと、台湾南部エリア、つまり、嘉義市、嘉義県、台南市、高雄市そして屏東県の求人数は15万個と過去最多となりました。この求人数は全国の18%を占め、新型コロナウイルス流行以前に比べ32%増となりました。ちなみに台湾中部の求人数は19万個で全体の23%、台湾北部の求人数は48万個で全体の56%となっています。

 こうした南部エリアの求人増を支えている産業は、石油化学工業、伝統的な製造業、そして、半導体及びインダストリー4.0と呼ばれる伝統的な製造業からモデルチェンジを果たした産業、そして農業科学技術などの産業となっています。

 この10年、南部の大学の卒業生で、最初の就職先が南部だったという人は、どのような産業についたのでしょうが、最も多かったのは、一般の製造業で16.4%、続いて、電子情報、ソフトウエア、半導体産業で14.2%、卸小売業が13.5%、そしてホテル・レストラン業が13%でした。そして、この4大産業が、現在も南部において求人の多い産業となっています。15万個の求人のうち、最も多いのは、一般製造業で3万1000個、二番目がホテル・レストラン業で2万7000個でした。

 南部の人たちが北部で就職してしまう、いわゆる「北漂」の最も大きな原因とされていたのが、給与の低さでした。

 実際に、人材バンク「104」のデータによりますと、この2年に大学を卒業した14万人のフレッシュパーソンの各エリア別の初任給の平均を見てみた所、北部エリアが台湾元3万2000元(日本円にしておよそ12万5520円)であったのに対し、中部エリアは3万元、そして南部エリアは2万8000元(日本円にしておよそ10万9760円)と、およそ4000元、日本円で1万5680円の差がありました。

 ただ、近年、南部では台南サイエンスパークを中心に電子産業が急速に発展、電子部品のサプライヤー企業が増えています。また、北部並み、さらには北部以上の平均給与を提示する職種も出てきています。北部並みの給与を支給する職種は、半導体のエンジニアや液晶ディスプレイのプロセスエンジニア、不動産会社のマネージャーなどで、給与は5万元(日本円にしておよそ19万5980円)となっています。また、車のセールス、工場のマネージャーなどの職種は、北部よりも給与が高くなっているということです。

 これまで、南部の大学を卒業し、北部へ就職した人々の多くは、給与こそ、南部よりも多く受け取っていたでしょうが、実家を離れ、家を借りている人が大半であると思います。当然、北部の家賃は南部よりも高いのが現状です。南部の求人が増え、給与も北部並み、あるいは北部以上という職種が増えると、ますます南部で仕事探しをするという若者は増えていきそうですね。こうした状況により、産業の北部一極集中が回避され、各地方都市の活性化にもつながりそうです。

 

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