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Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送ようこそT-roomへ - 2021-04-21_台湾、人口減少や晩婚化進む

  • 21 April, 2021
ようこそT-roomへ
2020年台湾の人口は初めてマイナス成長に転じ、2021年第1四半期(1月から3月まで)における新生児数は、さらに少なくなり、前年同期比で13.6%減の3万4917人だった。一方で、死亡数は前年同期比1.4%増の4万7626だった。(写真:Pixabay.comより)

 日本では、少子高齢化が叫ばれています。日本の高齢化率、つまり総人口における65歳以上の人口の割合は、2020年、28.7%で、世界トップでした。では、台湾はどうでしょうか。実は台湾においても、晩婚化、非婚化、少子高齢化といった問題は年々深刻となっているんです。中華民国台湾の2020年の高齢化率はおよそ16%で、日本とはまだ差があります。しかし、台湾では既に昨年2020年、死亡数が初めて出生数を上回り、人口の減少が始まっています。そして、その少子高齢化のペースは日本を上回るものとなっています。

 本日の「ようこそT-ROOMへ」では、台湾の人口減少や晩婚化などに関する話題について、統計をもとに、ご紹介したいと思います。

 内政部はさきごろ、最新の人口に関する統計を明らかにしました。この統計によりますと、台湾では第1四半期を指す、今年1月から3月までの期間、新生児出生数は、前年同期比で13.6%減の3万4917人でした。一方で、死亡数は前年同期比1.4%増の4万7626人でした。

 また、1月から3月の月間別では、今年1月、新生児出生数が9601人と、史上初めて1万人を割り込みました。2月はなんとか1万を超え1万1497人、3月は1万3819人に達しましたが、いずれも昨年同月を下回りました。

 死亡数は4万7626人、一方で新生児出生数は3万4917人、つまり今年1月から3月まで、台湾では死亡数が新生児出生数を1万2709人上回りました。また、3月末の総人口は2352万5623人で、昨年の同月比で7万870人減となりました。

新生児出生数の減少は、非婚化が関係しているという指摘があります。内政部の統計によりますと、今年1月から3月まで、結婚したカップルは2万8755組で、このうち異性のカップルが2万8341組、同性のカップルが414組でした。2万8755組という数は、昨年の同時期比で4392組減となりました。

 婚姻の話題が出たところで、台湾の人たちの初婚年齢に関する統計をご紹介いたしましょう。台湾では、経済発展、高学歴化、そして人々の結婚、出産、育児などに対する考えの変化にともない、初婚年齢が年々高まっています。最新の統計によりますと、2019年、台湾の人々の初婚年齢の平均は男性が32.6歳、女性が30.4歳でいずれも過去最高でした。2010年との比較では、男性が31.8歳から0.8歳、女性が29.2歳から1.2歳高くなりました。

 続いては出産に関する統計、調査結果についてです。台湾の2020年の合計特殊出生率は0.99と過去2番目に低かったことがわかりました。この0.99という数は、一人の女性が出産可能とされる15歳から49歳までに産む子供の数が、一人を下回ったことを意味しています。

 では、現在、台湾の人々の出産に対する意識はどうなっているのでしょうか、3月の末に行われた、台湾の20歳から39歳の人たちを対象にした電話調査の結果をご紹介しましょう。

 調査に答えた1068人のうち、既婚者は32.96%、未婚者は67.04%でした。既婚者のうち、子供がいる人は77.56%とおよそ8割に達しました。そして、子供が一人という人が53.13%、二人以上という人が24.43%でした。

 そして、既に一人子供がいる人のうち、さらに子供が欲しいと答えた人はわずか12.83%にとどまり、既に二人子供がいるという人は、いずれも三人目はいらないと答えました。また、既に結婚しているものの子供はいない人のうち、全体の半分以上、54.43%の人は子供をつくる予定はない、と答えました。その主な理由は、女性の場合は多くが晩婚、高齢出産のリスクに関連したもの、一方の男性は、家に子供部屋がない、育てる為に必要なお金がないなど、その多くが経済的な理由でした。

 かつて衛生福利部の部長をつとめた公共衛生が專門の学者、楊志良氏は、「台湾では、長い期間に渡って低賃金問題や不動産価格の高騰について議論がされてきたが、晩婚問題については重視されてこなかった。それだけでなく、管轄省庁も、結婚、育児を促す取り組みを積極的に行ってこなかった」と指摘、現在の一ヶ月、数千元という育児手当では、「子供を生みたいと思わない人々」の心を動かすことは到底不可能だとして、政府は迅速に解決策を打ち出すべきだ、と強調しました。

 続いては、人口の増減について、台湾の自治体別の状況についてみていきましょう。前半でご紹介しました通り、台湾ではこの1月から3月の3ヶ月間で、死亡数が新生児出生数を1万2709人上回りました。つまり、人口が減少しているわけですが、自治体別でみますと人口が増えている自治体もあります。

 人口の増減には、新生児出生数と死亡数の差による「自然増減」と、流入数と流出数の差による「社会増減」がありますが、台湾の主要6都市、6つの直轄市の中で、「自然増減」と「社会増減」を足した人口増加率が0.19パーミル増、そして社会増加率が0.46パーミル増で6大都市のトップとなったのが、中部の台中市です。

 台中市は、この1月から3月の3ヶ月間、「自然増加数」こそ762人減と減りましたが、他の県市からの流入など「社会増加数」は1297人増で、500人あまり増加しました。

 2010年の年末、かつての台中市と台中県が合併し直轄市となった時の人口は264万人8419人でしたが、今年3月末には282万1322人と、この10年あまり成長を続けています。

 他の県市から台中市に転入してきた人達について、年齢を調査したところ、25歳から29歳、30歳から34歳といった若い世代が目立ちました。台中市が就業環境、インフラ建設、福祉などに力を入れていることが、若い世代をひきつけているものとみられます。

 一方、台北市の1月から3月の「社会増加数」は5.66パーミル減で、6大都市で最低でした。今年1月時点の人口も259万7635人と、この23年間で最少となりました。台北市政府は、台北市の人口減少は、都市集中の弊害を解消するものとして必ずしも悪いことではないとの考えを示しましたが、台北市議会議員は、人口減は税収減につながり問題であると指摘、人口政策の見直しを求めました。

 人口の「自然増加」と「社会増加」、一見関係ないように思えますが、こう見ていきますと、社会増加がみられる、元気で福祉も充実した都市は、人々の結婚、出産、育児への意欲が高まる条件を兼ね備えている都市だともいえそうです。人口減少は国力に影響する重要な問題、日本の政策などを参考にしながら、結婚しやすい、子供を生みやすく、育てやすい社会をつくっていってほしいと思います。

 

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