ようこそT-roomへ - 2021-04-07

  • 07 April, 2021

 リスナーの皆様は、「トラベルバブル」という言葉をご存知でしょうか。「トラベルバブル」とは2つの国・地域が、合意の上で、隔離なしで相互の渡航を認めることです。この4月1日、中華民国台湾と、新型コロナウイルスの感染者をゼロに抑え込んでいるミクロネシア地域の友好国、パラオとの間で「トラベルバブル」がスタートしました。これまでも、外交目的やビジネス目的を対象とした「トラベルバブル」はありましたが、今回スタートしたのは団体ツアー限定でありながら、一般の人々が対象の観光目的の「トラベルバブル」です。

 中華民国台湾とパラオが「トラベルバブル」をスタートさせるという噂は、2月下旬からありましたが、中央感染症指揮センターは3月7日、これを事実として認めました。そして3月17日、「トラベルバブル」を4月1日から正式にスタートすることが発表され、フライトスケジュール、人数、参加の為の詳細な条件などが明らかになりました。

 台湾とパラオの「トラベルバブル」のフライトは、まず、台湾のチャイナエアラインが請け負うこととなりました。4月1日から毎週、木曜、日曜日の週2便運航、ボーイング738型機が導入され、毎便の旅客数は158人、このうち台湾の人が110名、パラオの人が48名までということになりました。

 参加には、いくつかの条件を満たさないとなりません。それは「過去6ヶ月以内に海外渡航歴がない」、「過去2ヶ月以内に、在宅隔離、検疫及び自主健康管理を行ってない」、「過去3ヶ月以内に、新型コロナウイルスで陽性と診断されていない」、そして、空港でのPCR検査で陰性が確認された」という条件です。

 渡航前のPCR検査から結果が判明するまで、2時間半から3時間かかるため、参加者は空港に出発前の4時間から4時間前に到着してPCR検査を受ける必要があり、陰性が確認されて初めて搭乗ができます。台湾で搭乗前に陰性が確認されれば、パラオに到着後はPCR検査を受けることなく、そのまま観光を楽しめます。

 冒頭で、団体ツアーと紹介しましたが、この台湾とパラオの「トラベルバブル」には防疫の為の5つのルールというものもあります。この5つのルールをご紹介しましょう。5つの規則とは「終始団体行動で個人行動はなし」、「事前にしかるべき滞在地、コースを決め、密を避け、特定のエリアを訪問するものとし、現地住民との接触を控える」、「全行程、決まった場所で送迎を行い、移動の交通手段は毎日、清掃、消毒を強化する」、「旅行客はパラオの公衆衛生管轄部署が認証した宿泊施設のみ宿泊できる」、そして「食事はゾーニングを徹底し、動線を分け、ソーシャルディスタンスを守る」という5つです。

 パラオでの観光を楽しんで、台湾に戻ってきてからも制限はあります。台湾への帰国後は、在宅隔離こそ必要ありませんが、5日間、強化版の自主健康管理を行った後、PCR検査を行い、陰性が確認された後、9日間の自主健康管理を行わなくてはなりません。強化版の自主健康管理期間中、外出、出勤はできますが、基本的に日々同じ行動をするよう求められ、公共交通機関の利用や人混みへの出入りは禁止されるほか、不特定の人物との接触は禁止されます。なかなか厳しいルールですよね。

(ジングル)

 「トラベルバブル」スタートに先駆け、パラオのスランゲル・ウィップス大統領夫妻が3月28日に来台しました。ウイップス大統領は蔡英文・総統を表敬訪問したほか、蘇貞昌・行政院長や外交部の呉釗燮(ご・しょうしょう)部長の招きを受け食事会に参加しました。

 ウィップス大統領は今回の台湾訪問にあたって、パラオと台湾の観光、医療、航空、投資など各領域における提携強化を希望、新光病院、マッカイ病院、ロイヤルホテル、鴻海グループ、エバー航空、スターラックス航空など各企業関係者とも面会しました。

 そして、4月1日、「トラベルバブル」がスタートしました。規定では搭乗の4時間半集合ということでしたが、午後2時半出発という中、パラオに向かう台湾の旅行客100人はおよそ6時間前、午前8時半に台湾北部の空の玄関口、台湾桃園国際空港に集合、午前9時からPCR検査を受けました。検査の結果、台湾の団体旅行客100人及びパラオのウィップス大統領夫妻と共に来台した代表団のメンバー23人はいずれも陰性でした。

 搭乗前、パラオのウィップス大統領は、「今回の台湾訪問は大きな成果があった。

台湾とパラオとの関係も、今回の台湾訪問によってさらに深まった」と喜びました。ウィップス大統領はそして「パラオは慎重な態度で国境を開放した。台湾人観光客の訪問時に安全性を感じてもらえるよう、そして、パラオの住民も安全に暮らせるよう、今後も安全対策を継続する。みなパラオでの旅を存分に楽しんでもらえるよう期待する」と述べました。

 「トラベルバブル」第一便は、予定より40分遅れ午後3時10分に離陸しました。機内ではウィップス大統領が旅行客へ向け歓迎のアナウンスを行った後、一人ひとりに中華民国とパラオの国旗が印字されたサージカルマスクを配りました。旅行客は大喜びで、大統領と一緒に写真を撮ったそうです。

 そして、およそ3時間半のフライトで、時差1時間あるパラオの現地時間午後7時40分に到着、空港では簡単な歓迎セレモニーが行われました。

 同行したメディアによりますと、パラオは年間を通じ気温30度近くと温暖、海に囲まれている為、常に潮の香りが漂い、夜になると、街の明かりが少ないため、星がキレイに見えるそうです。何と言っても見どころは、「ロックアイランド」と呼ばれる小さな島々と美しい海、特に「ミルキーウェイ」と呼ばれる乳白色の海や、刺される心配の無数のクラゲと泳げる「ジェリーフィッシュレイク」などは、是非体験したいエリアだということです。

 第一便はメディア関係者なども多く満員となったということですが、前半でもご紹介した帰国後の防疫対策の厳しさ、そして、台湾元で7万元から9万元(日本円にして27万1500円から34万9000円)という高額のツアー代金、さらに第一便から中2日ということもあり4日出発の第2便の売上は伸び悩み、6社中5社が催行を断念したということです。チャイナエアラインでは早速、航空券の値下げを決定、ツアー代金を引き下げを図るほか、交通部観光局も、自主健康管理の日数の短縮などを検討を行うとしています。

 私自身もちょっと手が出ない値段なので偉そうな事はいえませんが、双方の協力でスタートしたパラオとの「トラベルバブル」、防疫体制を緩めすぎることはできませんが、多くの人達がこの機会を生かして遊びに行き、この取組を成功させてもらいたいと思います。

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