:::

Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送ようこそT-roomへ - 2020-12-09_「2020年県市幸福指数大調査」の結果

  • 09 December, 2020

 リスナーの皆様は、今、お住まいの都道府県での暮らしについて、どれくらい満足をされていらっしゃいますか。

 11月30日、台湾の大手日刊紙、聯合報系の経済紙「経済日報」が、「2020年県市幸福指数大調査」の結果を明らかにしました。この「幸福指数」は、中華民国台湾の22の県、市、つまり日本の都道府県レベルにあたる地方自治体のうち、3つある離島の県から金門県、連江県の2県をのぞいた20の県、市の幸福度を、経済協力開発機構(OECD)による、生活の豊かさや幸福度を示す国際指標「よりよい暮らし指標(Better Life Index)」を参考とし、各自治体の統計や、世論調査の結果をもとに総合的に評価、ランキングづけしたものです。

 経済日報のこの調査はサンプル数がおよそ1万6800と、台湾の同様の調査に比べて多く、より確実性が高いとされています。9年目となる今年は、これまでランキングに含まれていた、各県市の施政満足度ランキングが、別に発表されました。

 本日の「ようこそT-ROOMへ」では、この経済日報の「2020年県市幸福指数大調査」の結果について、そして、上位の自治体の首長の声をご紹介していきましょう。

 まずは、結果です。幸福指数のトップ5と、ワースト3をご紹介しましょう。トップ、1位に輝いたのは幸福指数68.52、中南部の嘉義市でした。そして、68.23と僅差の2位につけたのは北部の新竹市でした。3位が北部、桃園市で64.74、4位は北部、台北市で64.28、5位は北部、新竹県で59.23でした。北部の自治体が目立つ中、中南部、嘉義市の健闘が光りますね。

 一方でワースト3、最下位の20位は中南部、嘉義県で27.50、19位は北部の港湾都市、基隆市で33.86、そして、18位は中南部、雲林県でした。嘉義県、雲林県共に台湾を代表する農業県で、高齢化という課題をかかえています。

 経済日報は、この「幸福指数」について、地方自治体の統計、数字ベースの評価をもとにした「統計指数」を縦軸に、世論調査の評価をもとにした「世論調査指数」を横軸にした座標軸をつくったところ、「統計指数、世論調査指数」がいずれも高いタイプ、「統計指数は高いものの、世論調査指数は芳しくない」タイプ、「統計指数、世論調査指数」がいずれも低いタイプ、そして「統計指数は低いものの、世論調査指数は良いタイプ」という4つのタイプに分かれる、と指摘しました。

 ちなみに、今回1位の嘉義市、2位の新竹市、3位の桃園市、5位の新竹県は「統計指数、世論調査指数」がいずれも高いタイプでしたが、4位の台北市は「統計指数は高いものの、世論調査指数は芳しくない」タイプでした。逆に、ワースト3県は「統計指数、世論調査指数」がいずれも低いタイプでした。

 さて、今回、「幸福指数」ランキングで嘉義市が1位となったことについて、メディアは「ダークホース」という表現を使い、驚きを示しています。では、どのような点が嘉義市をトップに導いたのでしょうか。

 嘉義市は、「統計指数」、つまり、地方自治体として各統計上の客観評価は全国の中で概ね中ランクでしたが、世論調査において、居住地としての条件、経済状況、教育への満足度などの項目が1位となったほか、仕事と生活のバランス、治安などの満足度などでも上位に入り、「世論調査指数」で全国トップに輝きました。つまり、住民の主観的な満足度が非常に高かったんです。

 11月30日に行われたセレモニーに出席した嘉義市の黄敏恵・市長は、同市が1位と発表されると、「嘉義市のもつ様々な資源は、西部の他の地方自治体には及ばないが、『KANO』の精神で、自らの位置付けをみつけだした。1位になれて本当に嬉しい。」と目をうるませ喜びました。

 『KANO』というのは、日本統治時代、嘉義市に実在した嘉義農林学校の略称です。日本統治時代の1931年、漢民族、台湾原住民族、そして日本人の3つの民族合同メンバーで構成された嘉義農林学校の野球部は、近藤兵太郎コーチのスパルタ指導に耐え、島内予選を初めて突破、甲子園本大会でも快進撃を続け、準優勝に輝きました。この実話は『kano 1931海の向こうの甲子園』という題名で映画化され、日本でも公開されましたので、ご存知の方もいらっしゃると思います。

 黄・市長は、「自分は『返り咲き』という形で嘉義市長に再び就任したが、新たな心持ちで市政に取り組んでいる。嘉義市には工業エリアもサイエンスパークもなく、また人口も少なく面積も小さい。ただ、嘉義の人々は『KANO』の精神で、文化や芸術を重視することを起点にし、幸せなまちづくりを行ってきた。今回の1位という結果は、嘉義市にとって非常に重要だ。多くの人達に嘉義市の成長について知ってもらいたい」と笑顔で語りました。強調される「KANO」精神、嘉義市民はこの「KANO」精神を誇りに思っているんですね。

 2位になった新竹市は、「統計指数」では台北市に次ぐ2位、「世論調査指数」でも5位とバランスよい結果となりました。この9年間でトップに5度輝き、今回もトップに僅差の2位とあり、林智堅・市長は穏やかな表情で、自身の市長就任後、他の自治体に比べ遅れていた公共施設の改善に務めたと強調、特に、ニーズをベースとしアイデアを創出するデザイナー的な思考、「デザイン思考」を都市設計に導入した結果、市民にも実感が広がっているのではないかと分析、今後も努力を続け、新竹を「小さいけれど輝かしい」都市に発展させていきたいと、意気込みを語りました。

 そして、「幸福指数」で3位となると同時に、「地方自治体の施政満足度ランキング」でも北部・新北市と並び78.0ポイントでトップとなった北部・桃園市の鄭文燦・市長は、自身が市長に就任後、常に市民に寄り添い、市民の立場から市政の発展を考えてきた、と胸を張りました。そして、「桃園市はこの6年間で21万人増加と、台湾で人口の成長率が最も高い市であり、交通機関、育児など各項目のニーズが高まっている」と指摘、今回の調査結果を参考に、桃園市をより良くしていきたい、と述べました。

 住民の評価、「幸福度」が高いというのは、自治体の首長にとっても嬉しいことでしょうね。今回、下位に沈んだ自治体の中には、構造的、環境的に厳しい条件の県市もありますが、少しでも上位との差をつめられるよう、色々とアイデアをひねってもらいたいと思います。そして、政府にも、台湾全体の「幸福度」が高まる為のサポートを期待したいですね。

 私の個人的な印象でも、トップ3の自治体は活気を感じます。トップの嘉義市は、観光地として、散策をしても面白い街、次回来台される際には、ぜひ訪れてみてください。

 

Program Host

関連のメッセージ