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Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送台湾ソフトパワー - 2022-04-05_“ジャム界のオスカー”でダブル金を獲得した「玫開四度」のジャム

  • 05 April, 2022
台湾ソフトパワー
(写真:「玫開四度」フェイスブックページより)

先日、フランスで行われた、“パンのワールドカップ”と言われる、「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・ブーランジュリー」で、台湾チームが世界チャンピオンに輝いたというニュースが入ってきましたが、パンだけではありません!

台湾の“ジャム”も国際コンテストで受賞し、注目を集めています。

“ジャム界のオスカー”と呼ばれる「世界マーマレードアワード&フェスティバル」で、台湾中部・南投県埔里のバラ園「玫開四度」のジャムが、「ダブルゴールド」を受賞しました!

この「ダブルゴールド」と言うのは、各部門の金賞作品の中からさらに選出される、いわば最高賞で、しかも各部門から必ず選ばれるというものではなく、コンテストの中で最も希少価値の高い賞とされています。

今回、世界各地から3000以上のジャムが参加していたそうですが、その中から、金2つ、銀3つを獲得したんです。

南投県埔里で「玫開四度」と言うバラ園を経営して20年と言う郭恩綺さんは、今回、「ローズ&オレンジジャム」と「ローズ&オレンジ&フィッグジャム」の2種類の作品で、「料理に合う美味しいジャム」部門と、「面白い食材を加えたジャム」部門に参加。

「ローズ&オレンジジャム」が、「料理に合う美味しいジャム」部門で最高賞の「ダブルゴールド」を獲得しただけでなく、「面白い食材を加えたジャム」部門においても銀賞を獲得しました。

「オレンジ&ローズ&フィッグジャム」も両部門でそれぞれ銀賞を獲得し、今年は合計で金2つ、銀3つを獲得しました。

実は、郭恩綺さんは今回が初参加ではなく、2021年に初めて「世界マーマレードアワード&フェスティバル」に挑戦しています。

この時は、「オレンジ&ローズジャム」、「バラの花びら入りオレンジジャム」、「オレンジ&ローズ&トフィージャム」の3種類のジャムで参加。初参加にして、金1つ、銀1つ、銅4つの合計6つの賞を獲得しました。

今回「ダブルゴールド」を獲得した「ローズ&オレンジジャム」は、その時の、「オレンジ&ローズジャム」を進化させたもの。

郭恩綺さんによると、「2021年の『オレンジ&ローズジャム』はオレンジとローズジャムを組み合わせたが、層が少し複雑になった。今回は、“タンカン”に焦点を当てて、ネーブルオレンジと組み合わせ、台湾の“タンカン”の特色を表そうとした」そうです。また、「今回は“バラジャム”は使わず、“バラの花びら”を砂糖漬けにした後、直接ジャムに入れることで、花びらの香りを残し、それと同時に檸檬を少し加えることで花びらの新鮮な色を残した」んだそうです。

なお、「世界マーマレードアワード&フェスティバル」で受賞した「玫開四度」のジャムは300年以上の歴史を持つイギリス王室御用達の老舗百貨店「Fortnum & Mason」で販売される予定で、「Fortnum & Mason」のマーケティング担当者は、「日本からの受賞作品はイギリス人にとって珍しい果物を使っていることから人気となっているので、台湾特有のオレンジを使ったジャムも注目を集めるだろう」と語っています。

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今回、「世界マーマレードアワード&フェスティバル」で輝かしい成績を残した郭恩綺さんのバラ園「玫開四度」ですが、この20年は、様々な苦労があったそうです。

元々、ある農場のレストラン部門で西洋料理を担当していた郭恩綺さん、同僚の章思廣さんと結婚します。

結婚後、数年たったところで、自分で創業したいと思うようになり、しかも、“食べられる花”「エディブルフラワー」をレストランの特色にしたいと考えた郭恩綺さん。

かつて彼女の父親は昔ながらの農法でバラを栽培していたことや、親戚が使っていない土地を持っていたことから、埔里(プーリー)の土地を開墾して、“食べられるバラ”のバラ園を作りました。

しかし、“食べられるバラ”を作るという事で、農薬は使えず、父親の経験も生かせず、夫婦二人でいちから学ぶこととなり、最初はなかなか栽培がうまくいかず、温室を作ったり、苗を買ったりで貯金を使い切ってしまっただけでなく、借金までできてしまいました。

海外では「エディブルフラワー」の歴史は長いのですが、台湾は高温多湿で虫も多いことから農薬を使わない栽培はとても難しかったのです。

ある時には、もうどうしたらいいのかと、バラの葉っぱを持って農薬業者のもとに行ったこともあったそうですが、お金がないことが逆に幸いして、買うことができずに帰ったとこもあったんだそうです。つまり、お金があって、あの時、農薬を買ってしまっていたら、今の「エディブルフラワー」のバラたちは誕生していなかったかもしれないという事なんです。

お金もなく悩んだ郭恩綺さんは、そこで、ネット上で日本やフランスのバラの専門家に尋ねたりしたそうですが、翻訳サイトの翻訳ではいまいちわからず、「唐辛子水を使う」、「病気の葉っぱを全部抜く」など、ところどころわかるキーワードを頼りに、自分たちで学んでいったそうです。

そして環境が整ってきたところで、300から400種類のバラを試食してみて、どのバラが食用に適しているか探しました。

郭恩綺さんは、元々、赤いバラはダサいと思っていたそうですが、ピンクのバラは酸味があって、辛くて、苦く、紫のバラは“泣きたくなるほどまずかった”とか。

そして、最終的においしいと選ばれた3種類のバラは、切り花には向かないと、ずいぶん前に苗床から排除されて、隅っこで自生していたものだったそうです。

それから3年後、ファーマーズマーケットなどに参加するようになり、人脈も広がり、意見交換したり、バラジャムのDIY講座などを行って収入が増えていきました。さらには、当時、「エディブルフラワー」農家は彼らだけだったこともあり、多くのメディアから注目を集めるようになりました。

そしてある時、グルメ専門家が「玫開四度」をパン職人の吳寶春さんに紹介。

当時、吳寶春さんは、フランスでの大会に向けた食材を準備しているところで、パンの中に花の香りを入れたいと考えていたそうで、フランスにもバラはあるけれども、台湾のバラでチャレンジしてみようと考えたそうです。

そう、それが、2010年に「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・ブーランジュリー」で“世界一のパン”となった吳寶春さんの「玫瑰荔枝麵包(ライチ薔薇パン)」。そのパンに「玫開四度」のバラが使われたのです。

以降、「玫開四度」のバラも多くの人に知られるようになり、五つ星ホテルなども「玫開四度」のバラを指名して購入するようになったそうです。

途中、郭恩綺さんが癌に見舞われるなど、さまざまな困難に見舞われながらも乗り越えてきた夫婦。その困難な道のりを乗り越えられたのは、二人の負けない性格と、多くの支えてくれる仲間に出会えたからだそうで、バラ園の名前は、「台湾のバラは一年中咲いている」という事から「玫開四度」と名づけたんだそうで、郭恩綺さんは、あきらめないからこそ、春夏秋冬のサイクルで人生の花開く季節を迎えることができると語っています。

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