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Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送台湾ソフトパワー - 2022-03-08_台湾のフラメンコダンサー、薛喻鮮さん

  • 08 March, 2022
台湾ソフトパワー
台湾のフラメンコダンサー、薛喻鮮さん。(写真:CNA)

今週は、今、台湾で注目を集めているフラメンコダンサー、薛喻鮮さんをご紹介しましょう。

フラメンコといえば、ギターの音にあわせ、床に打つ足音と“パルマ”と呼ばれる手拍子が鳴り響く、情熱的なスペインの踊り。

薛喻鮮さんは、そのフラメンコを本場スペインで学び、今、台湾でフラメンコダンサーとして活躍をしています。

その薛喻鮮さんをご紹介する前に、まずは薛喻鮮さんのお母さんから紹介しなくてはなりません。

というのも、まず薛喻鮮さんの母・賀連華さんは、台湾のフラメンコダンサーの第一人者ともいえる人物なんです。

小さい頃から踊ることが大好きだったという母・賀連華さんは、19歳の時、初めてフラメンコダンスを見て衝撃を受け、卒業後はスペインに留学すると決意。国立台湾芸術専科学校(現在の国立台湾芸術大学)のダンス科を卒業後、21歳の時、スペイン・マドリードの権威あるダンス教育センター「RCPD Mariemma」に台湾人として初めて入学した人物です。

そんな台湾のフラメンコダンスの第一人者である母の下、1995年4月1日に生まれた薛喻鮮さん。

3歳の時に母親からバレエとフラメンコを習いはじめ、5歳の時にはダンサーになると決めていたそうです。

小さい頃から多くの舞台で母親と共に踊っていて、そのステージングはみんなを驚かせるほどだったとか。

そして12歳のとき、母親と同じように海外でダンスを学び、ダンサーになりたいと、スペイン・マドリードの「RCPD Mariemma」に入り、スペイン古典舞踊を学ぶこととなりました。

小さい頃からの夢だったダンサーの道への切符を手に入れ、ダンスへの情熱をもってスペインに渡りますが、スペイン語を一言も話せず、世界各国から集まったクラスメートとどのようにして付き合ったらいいのかもわからないことに気が付きました。

しかし、この留学という決断が正しかったことを証明するため、薛喻鮮さんは昼夜を問わず練習に励み、毎学期1位をとる事にこだわりました。

この強迫観念は彼女に評価をもたらしましたが、同時に大きな負担となって彼女を苦しめることとなりました。

ダンスがどんどん上達し、17歳の時に主役に抜擢され、学校の代表としてメキシコの芸術祭に出演することになるのですが、同級生との競争によるプレッシャーが爆発し、いじめや中傷などに遭い、心を患ってしまいました。

それにより、薛喻鮮さんはしばらく学業を中断し、療養のために台湾に戻りました。その時、母・賀連華さんは、嫌なことを忘れさせようと、薛喻鮮さんを台湾東部・台東の初鹿集落に連れて行き、大自然の美しさと、現地のゆっくりとした生活リズムで彼女のプレッシャーを軽くしようとしました。

その時、薛喻鮮さんは、この初鹿集落で原住民族の成人儀礼と豊年祭に参加し、歓喜溢れる祭りの雰囲気の下、原住民族の伝統的なダンス文化の精神に深く感動をし、この時、スペインに戻り卒業することを決めたそうです。

そして、2014年、トップの成績でスペインの学校を卒業しました。

優秀な成績で卒業した彼女のもとには、国際的なダンスチームから多くのオファーがありましたが、薛喻鮮さんは、本当にこのまま海外にいていいのか?ダンスを続けたいのか?と悩んでいて、そんな迷いを抱えたまま、再度、台湾に戻ることにしました。

実は薛喻鮮さんの母方の祖父は四川から来た退役軍人で、母・賀連華さんが集落や退役軍人の家でダンスを踊ったり、教えたりしていたことから、母の勧めもあり、ダンスチームと共に、各地で公演活動を行い始めました。

また、国立台湾交響楽団や、台北市立交響楽団、エバーグリーン交響楽団などとも共演したりしています。

そして2021年には、音楽のジャムセッションの様に、様々なスタイルのダンス愛好者が集い行われるダンスの祭典「バトル・ジャム」で、見事優勝を果たし、台湾で幅広く知られるようになりました。

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今年27歳の薛喻鮮さん。

スペイン留学から帰国後は、母・賀連華さんと共に、スペイン舞踊とモダンダンス、そして台湾文化を融合させたダンスの創作活動を行っていて、来月4月には最新作「卡門波麗露不朽的(Carmen Bolero Inmortal)」の公演を15日、16日に国立台湾芸術大学芸文センターで行う予定です。

この作品は、彼女が母と祖母から受けた人生の教訓と、スペインという異国で受けた洗礼、そして台湾の土地の文化的アイデンティティとの葛藤を描いたものとなっていて、薛喻鮮さんが触れてきたその全てが創作活動のインスピレーションとなっています。

また、創作活動の他に、今も母と共に退役軍人の家を訪問したり、山間部の集落の子供たちのもとへ行って踊ったりしている薛喻鮮さん。

ダンスを通じて子供たちに広い視野で将来を想像して欲しいと願い、各地を旅してダンスの普及を続けています。

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