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Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送台湾ソフトパワー - 2022-01-18_“詩人船長”こと「林福蔭」さん

  • 18 January, 2022
台湾ソフトパワー
「第3回 海洋教育推進者賞」で個人賞を受賞した“詩人船長”こと「林福蔭」さん。(写真:RTI)

教育部は先日(1/7)、「第3回 海洋教育推進者賞」の授賞式を行い、21組が表彰されました。その中に、台湾で、中でも基隆でとても有名な“詩人船長”こと「林福蔭」さんのお名前もあり、注目を集めました。

なぜ“詩人船長”と呼ばれているのかというと、本職は“船長”、ですがこれまでに海にまつわる多くの詩を生み出し、数多くの本を出版しているからです。

“詩人船長”こと「林福蔭」さんは、1949年、基隆の八斗子半島長潭里漁村に長男として生まれました。

子供の頃は家が貧しく、まともに学校に通うことができませんでした。

学校から帰ってきたら、薪を探しに行き、海辺の鉱山から質が劣るとして捨てられている炭を大きな袋にいっぱいに詰めて小さな背中に背負って持って帰っていたそうです。時には運びきれないほどの量を背負っていて、坂道を上る際はいつも誰かに押してもらっていたそうです。

家庭の生活を助けるため、そのようにして努力して生活をしていました。

13歳で小学校を卒業すると、生計を立てるため、父親について海に出ていました。それでも家計は苦しかったのですが、15歳の時、父親が交通事故によって半身不随となってしまいます。

そのため、一家8人の生活が長男である「林福蔭」さんの肩にずっしりとのしかかりました。

当時、見かねた人が、「林福蔭」さんの両親に、子供を売ったら少しは家計が楽になるのではないかと提案したそうですが、それを知った「林福蔭」さんは、もっと頑張って倍稼ぐから妹たちと離れたくないと約束し、日中は漁に出かけ、春夏は“てんぐさ”を採り、冬の夜は“髪菜”を採っていました。冬至の最も寒い時期にも、ウナギの稚魚を捕りに行き、より多くのお金を稼いでいました。家計が楽になりさえすればと懸命に働いていました。

その様子を見て、近所の友人たちからは一生懸命に田んぼを耕すことしか知らない牛のようだという意味で「鐵牛」とのあだ名をつけられたりもしたそうです。

そんな「林福蔭」さん、ちょうど親戚の叔父さんが新しい船に乗り換えることを決めたことから、古い船を譲り受け、20代で正式に若い船長となりました。

漁をしているとき、「林福蔭」さんは、毎日、航海日誌を書く習慣が養われていました。そして、その規則を知りたいと、時間の経過とともに蓄積された資料や経験の下、季節や気候によって、どこに行けばよく魚が捕れるのかを自身で研究しました。そして、船がその漁場に行くと、十中八九、大漁となり、船いっぱいに魚を積んで戻ってきました。

さらには「林福蔭」さんは、その経験を惜しみなくみんなと共有するため、「台湾北東部近海の潮流動態の研究(台灣東北部近海潮流動態之研究)」という本を書きました。その中には、大気の変化を探ったり、潮流動態と漁場の形成の関係などが書かれていて、関係教材に採用され、漁業技術の向上と移行に多大なる貢献をしました。

「林福蔭」さんは、海の生活はとても辛く、海に出れば毎回、豊漁というわけでもなかったけれど、毎回海に出て戻ってくるとき、九份の町の明かりが見えるともうすぐ家族と会えると、帰ってきた感があって、海と戦うための重要な動力となっていたそうです。

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家計のため、早くに海に出る生活を選んだ「林福蔭」さん。最も輝かしい青春時代を海に捧げましたが、「林福蔭」さんの心の中にはずっと、学び続けたいという思いがありました。

そして1999年、50歳の時に、基隆市立八斗中学校の夜間の補習クラスに通い始めます。そしてその時に文学創作を始めました。

2004年、銛でカジキマグロを突く漁法で初めて重要な役割を任されたときに自身のミスで逃してしまったが、ベテラン船長に助けられ、育てられ、ベテラン船長の経験と知恵を称賛したという話が描かれた本「憶-刺丁挽(旗魚)」が、基隆市の「第2回 海洋文学賞」に入選しました。

このように、月の満ち欠けや、潮の満ち引きの力学、大気の変化などを記録し、そこから良い漁場を分析したり、漁具や漁法の実用的な研究を発表したり、海の人たちの心境や海への畏敬と愛を詩や散文、絵画にして書いていき、これまでにすでに3000以上の詩を書き、5冊の詩集を出版していて、そのいくつかは学校の教材にもなっています。

また後に、「基隆市立海洋保護芸術協会(基隆市海洋關懷藝術協會)」を設立。様々な芸術媒体を通じて、海洋の美しさを広く伝えるとともに、学校と社会教育機関での講師として活動しています。

それらの功績が認められ、今回、73歳という最高齢で「第3回 海洋教育推進者賞」の個人賞を受賞しました。

ちなみに「林福蔭」さんは、よく自身の成長の物語をもとに、子供たちに「宿題が多いことを恐れるな。脳は使えば使うほど輝くんだ」と励ましているそうです。

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