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Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送台湾ソフトパワー - 2021-12-28_“国民の娘婿候補”、CDC副署長「羅一鈞」さん

  • 28 December, 2021
台湾ソフトパワー
「國民女婿(国民の娘婿候補)」と呼ばれ人気となっている台湾の新型コロナウイルス感染症対策本部「中央感染状況指揮センター」医療応変組(医療対策チーム)の「羅一鈞」副組長(副部長)。(写真:指揮センター提供)

今年(2021年)も残りわずかとなりました。この時期になると1年を振り返る様々なランキングが登場しますが、2021年はどんな人が注目を集めたのでしょうか。

大手検索サイトGoogleが発表した「2021年急上昇検索ランキング(人物編)」を見てみると、オリンピック熱が高かったことが現れていて、東京オリンピックで活躍した選手が4人ランクイン。しかも第1位はそのうちの、バドミントン女子シングルス銀メダリストの「戴資穎(タイ・ツーイン)」選手でした。

また、人物編では、“政治家編”のランキングもあったのですが、その中、第7位に、台湾の新型コロナウイルス感染症対策本部である中央感染状況指揮センターの“防疫五月天”と呼ばれるメンバーの一人、「羅一鈞」さんがランクインしていました。

台湾では、台湾における新型コロナの感染状況の記者会見が、毎日午後2時から行われているのですが、その会見に現れる5人を、台湾の人気5人組ロックバンド「五月天(メイデイ)」とかけて、“防疫五月天(メイデイ)”と呼ばれています。

その“防疫五月天”のメンバーは、ほぼ毎日、記者会見に登場していることから、台湾では大人から子供まで知らない人はいないという程に有名になったのですが、その5人の中でも、医療応変組(医療対策チーム)の「羅一鈞」副組長(副部長)が最近、特に注目を集めています。

しかも、中高年の女性から特に注目が集まっているのですが、なぜかと言うと、指揮センターで最年少のメンバーであり、かつ、イケメンで独身であることから「國民女婿(国民の娘婿候補)」と呼ばれ、人気となっているんです。

でも、その見た目だけが注目される人物ではありません。

1977年12月24日、台湾東部・花蓮市で生まれた「羅一鈞」さん。子供のころからとても優秀で、小学校5年生の時に飛び級で中学校に進級します。

そして、台湾の最難関のエリート男子校として知られる、台北市立建国高級中学に進学。この高級中学とは日本の高校に相当する学校です。文学青年を夢見たこともあったそうですが、両親の期待に応え、高校2年生の時に、当時の大学入試であった全国統一試験でトップの成績で合格し、再び飛び級で、台湾最高峰の国立台湾大学医学部に進学。そして2001年、大学が実験的に導入していた新制度により、6年で卒業を果たしました。

卒業後、多くの学生が早く医師となって収入を得るために、兵役を避けるために様々な工夫をする中、同期の卒業生の中で、「羅一鈞」さんを含め3人だけが兵役に就くことにしました。ただ「羅一鈞」さんは、ただ単に兵役に就くのではなく、医官資格を放棄し、外交代替役に就くことを選び、2001年9月に、第一期の外交代替役医療団の一員としてマラウイに赴任しました。

2002年に、当時の陳水扁・総統が、台湾と国交のあったマラウイを外遊で訪問した際に接見し、マラウイでのエイズの深刻さや、医療物資、医療人員の不足を訴えました。

この外交代替役の経験が、「羅一鈞」さんに伝染病予防分野に身を投じる決心をさせたそうです。

2003年6月に代替役の任務を終えて帰国後は、台湾大学病院の内科医、そして感染科総医師を務めます。

そして2008年、日本人食中毒患者の治療を契機に防疫医師を志すようになります。「羅一鈞」さんは、この食中毒の原因はスッポンの生肉だとにらみ、その予想が的中。スッポンを介した旋毛中の感染事例としては世界初となり、この症例論文はアメリカCDC(疾病対策予防センター)の機関紙「EID(Emerging Infectious Diseases)」でも発表されました。

2008年7月には、台湾の疾病管制局の防疫医師として公務に就き、翌年、アメリカのCDCで2年間の実地疫学訓練を受けました。

医療系の内情に詳しい人たちの間では有名なことだそうですが、公職に就くというのは、医学部卒業生の中でも報酬率が最も低い選択肢とされている中、全国トップの「羅一鈞」さんは、防疫医師を選択しただけでなく、渡米期間中にナイジェリアで発生した原因不明の児童多発死亡事例の調査医師団としてアメリカCDCから派遣され、原因を突き止めたとして、調査チームと共に2011年にアメリカで賞を受賞しています。

また、このナイジェリアでの経験から、「デマの払しょく」や、診療医や精神科医のチームを作らせて患者のメンタルケアや社会での教育・啓蒙を行うといったアプローチの重要性は台湾でも応用できると考えました。

その後、2016年にCDC副署長だった周志浩氏の署長昇格に伴い、「羅一鈞」さんが後任に就任。CDC幹部職としてエンテロウイルス、インフルエンザ、デング熱、チクングニア熱などの感染に対応しています。

そして2019年12月31日未明、台湾最大のネット掲示板「PTT(批踢踢)」に転載されていた、中国・武漢の華南海鮮市場で重症急性呼吸器症候群(SARS)に似た症例が流行していることを知り、CDCにレポートを提出。のちに「新型コロナにおける世界最速の水際対策」と言われる、台湾の政府の防疫対策のきっかけとなりました。

昨年(2020年)、「羅一鈞」さんはCDC幹部として指揮センターのメンバーとなり、現在も新型コロナウイルス対策の最前線で活躍しています。

しかも、「羅一鈞」さんの凄いところは、このような素晴らしい経歴だけでなく、記者会見でのEQ値の高い受け答え。情報を分かりやすく伝えてくれることから、市民も安心感を得られると好評です。

経歴、人柄、全てを含めて人気となっていて、「國民女婿(国民の娘婿候補)」と呼ばれるのも納得できます。

あまりに人気が高まって、一部のファン(?)の間から、「羅一鈞」さんの名前の発音と「617」の発音が似ていることから、「6月17日を『羅一鈞の日』にするべきだ」という声も上がったそうです。

ちなみに「羅一鈞」さんは、幼少のころから、「名探偵コナン」や「金田一少年の事件簿」などのミステリー作品をよく見ていたそうで、CDCでの仕事ぶりから“防疫界のコナン”、“感染症の探偵”などとも呼ばれています。

様々な呼び名が付けられているのは人気の証でもありますが、まさに台湾の“防疫のヒーロー”の一人です。

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