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台湾ソフトパワー - 2021-01-19_義大病院の杜元坤・院長

  • 19 January, 2021
台湾ソフトパワー
「澎湖10万人を守る離島のクレイジードクター」と敬意をもって呼ばれている義大病院の杜元坤・院長。「澎湖の人がいい医者とは何かを教えてくれ、恵民病院が温かい医師とは何かを教えてくれた」とし、澎湖島の医療の支柱である澎湖恵民病院の建て替えのために募金活動を行っているほか、先ごろ自身の全財産を寄付するとの遺言を残したと発表し話題となった。(写真:CNA)

先日、台湾南部にある台湾第3の都市・高雄市にある義大病院の杜元坤・院長が、台湾の離島・澎湖島にある澎湖恵民病院の建て替えのための募金活動を行いました。そしてその際に、自身の全財産を寄付する遺言を残したことを発表し、話題となりました。なぜ高雄の病院の院長が、離島・澎湖島の病院にこれほどにまで尽力するのでしょうか。

この杜元坤・医師は、「第29回 医療貢献賞」を獲得したこともある整形外科の権威です。現在は高雄市にある義大病院の院長を務めていますが、実は長期間にわたって澎湖でボランティア診療を行っており、「澎湖10万人を守る離島の変わった先生(クレイジードクター)」と敬意をもって呼ばれています。

台湾の離島の一つ澎湖島と言えば、春から夏にかけて毎年盛大に花火が打ち上げられ、観光客も多く訪れる有名な観光地の一つ。そんな離島としては規模も大きく、人の往来の多い所でも医療の問題を抱えています。病院の数は決して多くはない一方、島の住民の高齢化も進んでいます。また、現地の人たちにとってとても重要な医療の支柱である澎湖恵民病院の建物もすっかり古くなっています。

杜元坤・医師によると、澎湖の医療資源は高雄と比較して20%少なく、看護師資源の差は5割近くにも上るそうです。

またある時、毎年、澎湖島の10%近い人が病気を診てもらうために、高雄に来ていることに気づいたそうで、以来10年近く毎月、高雄と澎湖を行き来する「渡り鳥ドクター」を始めたんだそうです。

杜元坤・医師は、過去にはたびたびこの澎湖恵民病院を訪れボランティア診療を行っていて、澎湖恵民病院が限られた資源の中で、現地の高齢者に長期的なケアを提供していることに感心をしていたそうです。そして、この古くなった病院を建て替えることができれば、もっと多くの地域医療サービスを行うことができ、地域医療の質も大幅に上がるのではないかと考えました。

そこで、今回の澎湖恵民病院の建て替えのための募金活動を行っているそうです。

杜元坤・医師は、「澎湖の人が私にいい医師とは何かを教えてくれた、恵民病院が私に温かい医師とは何かを教えてくれた」とし、病院の今の設備を格上げするべきで、それを手助けしようと立ち上がったと語っています。

杜元坤・医師はこれまでも長年にわたり毎月給料の半分を寄付しており、その総額は1億台湾元(日本円でおよそ3億7000万円)を超えているのですが、さらに今回この募金活動の席で発表したのは、自身の全財産を子孫には残さずすべて寄付するというもの!

杜元坤・医師は、長期にわたる仕事のプレッシャーなどに加え、糖尿病を患っており、健康に赤信号が灯っていて、半年で22キロも激やせをしてしまいました。昨年、大きな手術をし、主治医の治療の元、幸いにも今、体重はゆっくりと戻っているそうですが、その時に人生の無常を感じたそうで、財産をすべて寄付することに決めたそうです。現在、病後の身体の状態は良く、さらに寄付するためにもっと頑張って稼がないとね!としています。

実は澎湖島の医療現場には杜元坤・医師だけでなく、高雄にある多くの病院の院長が長期にわたって澎湖に医療資源の投入を行っているそうです。というのも、高雄に住む人の1/4が澎湖から来ているそうで、高雄市は多くの澎湖の人にとって第二の故郷となっています。

そして、澎湖は台湾本島と比較して10年も早く高齢化社会へと突入します。

そこで、杜元坤・医師は澎湖医療の支柱となっている澎湖恵民病院の再建に手を差し伸べてほしいと呼びかけました。

建て替え計画の募金の目標は5億5000万台湾元(日本円でおよそ20億4000万円)。先週(1/12)現在で6000万元(およそ2億2000万円)にとどまっているそうで、募金コンサートなどを開き、目標に近づけていく計画です。

ちなみに、1日におよそ300人の患者を診て、1か月に100以上の執刀をして、他にも各地で講演を行ったりしながら、澎湖島にボランティア診療に行ったり…とハードな仕事の杜元坤・医師─。プライベートでは、3歳からバイオリンを習い始め、絶対音感を持ち、IQは163、好きなスポーツはラグビー…と、様々な面を持っていて、今でも忙しい中、夜静かになったころ、よく院長室からバイオリンの音色が響いてくるそうです。

一方で、ラグビーの試合にもよく参加しているそうで、杜元坤・医師が院長を務める義大病院のグループの創設者である林義守氏は、グループのエース医師が球場で怪我をしたらどうしようと心配しているそうですが、一番好きなラグビーの話をするときだけ目が輝やいていたとも語っているそうです。

貧しい家庭の患者さんには紅包をプレゼントするなど温かな心を持つ杜元坤・医師。

澎湖島の人たちのみならず、多くの患者さんたちにとって杜元坤・医師はまさに“ヒーロー”です。

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