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台湾ソフトパワー - 2020-10-27_淡海輕軌が展開する“五感の体験”~香り~

  • 27 October, 2020
台湾ソフトパワー
淡海ライトレールでは11月8日まで、香りの投票イベントが行われている。また今後、香りの車両や香り付きの乗車券など香り関連商品を開発していく計画だ。(写真:CNA)

皆さんは台湾の“香り”といえば、どのような香りをイメージしますか?

「臭豆腐の香り?」…まぁ、それもあるかもしれませんが、台湾には海の香り、山の香り、木々の香り、花の香り、お茶の香り、フルーツの香り…と様々な自然の香りがあります。

最近ではそんな台湾の自然の香りを連想するような“香り”が台湾の若い女性を中心に人気を集めています。

中でも有名なのが、台湾茶香水のブランド「P.Seven茶香水」─。フランス留学経験者の調香師を中心としたチームが、愛する台湾の文化・土地を香りで表現したいという強い思いから開発。「台湾をまるごと瓶に閉じ込める」をブランドメッセージに掲げ、台湾人のまっすぐな優しさと微笑みを瓶に詰め香りで閉じ込めています。

台湾には“お茶文化”がありますが、台湾でお茶の試飲をするときに、まず茶葉の香りや、“聞香杯”という茶器を使って「お茶の香りを楽しんで」と言われると思います。香りで嗅覚を目覚めさせると他の感覚も研ぎ澄まされるとされ、お茶を様々な感覚を使って楽しむという文化なんですね。このように台湾の生活の中に“香りの美学”を楽しむ習慣があります。そんなお茶文化を背景に、香りで台湾の文化を表現している香水なんです。

例えば、「P.Seven茶香水」を代表する香水が「茗香水」。まるで山の木々たちに包まれているような森林系のウッディな香りから始まり、次第に「金萱茶」のほのかに甘くさわやかな香りに。幾重にも軽やかな香りが重なり、最後には貴重な高山植物のような香りで締めくくられ、神秘的で落ち着いた力をもたらしてくれます。

この「茗香水」は、調香師らが1年半をかけて“新しさ”と“伝統”の間をとることを意識し、墨の原料を混ぜることで、さわやかなお茶の香りに、“伝統”を感じさせるような神秘的な雰囲気を加えたそうです。

香りには感情を揺り動かす作用があるともいわれていますよね。日本だと道端で金木犀の香りがして「あぁ、秋だなぁ~」と感じたことはありませんか?また、前にお付き合いしていた人のつけていた香水の香りがすると当時を思い出してしまうなどなど…。香りとともに記憶をも引き出してくれます。この「P.Seven茶香水」の香りをかぐと台湾の記憶があふれ出てくる人も多いかもしれませんね。

そして今、そんな香りと記憶をつなごうと、台北の北側、新北市淡水エリアのニュータウンを走る次世代交通機関「淡海輕軌(淡海ライトレール)」では、この「P.Seven茶香水」とコラボレーションして香りの投票イベントを行っています。

「淡海輕軌(淡海ライトレール)」と言えば、台湾の有名絵本作家「幾米(ジミー)」がこの「淡海輕軌(淡海ライトレール)」緑山線のために書き下ろした絵本「閉上眼睛一下下(ちょっと目を閉じて)」のパブリックアートが各駅に設置されていて、絵本の世界を作り出しています。そんな芸術鉄道を打ち出しているほか、周辺・淡水の美食店など協力し、「五感」体験を打ち出していますが、視覚・味覚・触覚体験に続き、今回は“嗅覚”にスポットをあて、「香りのアート」をテーマに「淡海輕軌(淡海ライトレール)」の“香りの旅”を打ち出します。香りとともにライトレールから見る淡水の景色やライトレールでの旅がより印象深いものになりそうですよね。

でもそこで一番重要となってくるのが“どんな香りなのか”─。

新北メトロによると、淡水のマングローブや、海藻、ワイルドリリーなど、地域の様々な要素と合わせ、淡水の一日のうち、違った時間の水辺の雰囲気の香り3つを創作、そして今、その3つの香りの中からあなたの記憶の中の淡水と、「淡海輕軌(淡海ライトレール)」の香りを選んでくださいというイベントを行っています。

その3つの香りとは…「晨露」、「夕顔」、「藍夜」です。

●「晨露」は、淡海の朝顔の青をイメージ。ライムの香りとワイルドリリーの香りが交わった、さわやかな優しい香りです。

●「夕顔」は、淡海の夕方に雲の色彩が変化するイメージ。オーシャンやウッディな香りが特徴です。

●「藍夜」は、淡海の深い夜のイメージ。ベルベットムスクの香りでしっとりとした雰囲気となっています。

どの香りもそれぞれに特徴があります。

ラジオで香りはお届けすることはできませんが、淡海エリアに行かれたことがあるという方は、どの香りが自分の中の淡海のイメージと近いですか?

ちなみに「淡海輕軌(淡海ライトレール)」では、今後、香りの車両や、香り付きの乗車券など、様々な香り関連商品を開発していく計画だそうです。

“香り”と言えば、私の感覚では、日本にいたころは私も周りも香水をつけたり、ヘアケア商品の香りや洗濯洗剤や柔軟剤の香りを気にしたり、お部屋でアロマを焚いたり…と香りが生活とすごく密着してあふれている感じがしていましたが、逆に台湾では周りに香水をつけたり、アロマを焚いている人もそれほど多く出会わず、日本ほど生活の中であまり“香り”を意識することはありませんでした。でも、お茶の香りを楽しむという文化があるように、台湾の人たちも香りを楽しむのが好きという人が多いようです。そして台湾の人たちは、特に、木々の香りや、お茶の香り、花の香りといった、自然の優しい香りが好きなように感じます。

台湾茶を飲んだらその香りで台湾を思い出す─。そんな感覚で、香りと結び付けた「淡海輕軌(淡海ライトレール)」の“香りの旅”はこれから人気になりそうです。

ちなみに、台湾茶香水のブランド「P.Seven茶香水」は、東京・日本橋のコレド室町テラスにも店舗がありますので、台湾の優しい香りに触れたくなったら足を運んでみてくださいね。

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