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台湾ソフトパワー - 2020-08-18_新型コロナワクチン、第一相臨床試験(フェーズⅠ)へ条件付でGoサイン

  • 18 August, 2020
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台北駅に8月15日より登場した医療用マスクの自動販売機。健康保険カードは不要で、お金を入れればそのまま1枚10元で1回につき1枚のみ購入できる。(写真:CNA)
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國光生物科技(Adimmune)のワクチン候補が、台湾の新型肺炎ワクチン開発において初めて臨床に入る。(写真:CNA)

新型コロナは今もまだ世界各地で猛威を振るっていて、各国でワクチンの研究・開発が急がれています。台湾でもワクチン開発の研究が進められていますが、先日、あるワクチンが第一相臨床試験の許可を得る見通しとのグッドニュースが伝えられました。台湾で研究開発されているワクチンが第一相臨床試験の段階まで進むのは、初めてです。

先日(8/16)、衛生福利部食品薬物管理署が「新型肺炎ワクチン臨床試験審査専門家会議」を行い、台湾中部・台中市に本社を置く國光生物科技股份有限公司(Adimmune)のワクチン候補「AdimrSC-2f vaccine(新型コロナウイルスSタンパク質断片2)」の第一相臨床試験計画の審査を行い、会議で条件付でその実行を承認することを決めました。これは台湾の新型肺炎ワクチン開発においてはじめて臨床に入る例となります。

この國光生物科技股份有限公司(Adimmune)は、1965年に設立されたヒトワクチンメーカーで、アジアで唯一、EUの医薬品の製造所における製造管理と品質管理に関する基準であるGMPに関する認証と、アメリカ食品医薬品局(FDA)認証を受けたインフルエンザワクチン製造会社であり、台湾で唯一、グローバル対応の査察当局間の非公式の協力の枠組みであるPIC/S GMPの最新規範に符合したヒトワクチン製造メーカーです。主なワクチンとしては、H1N1新型インフルエンザワクチン、日本脳炎ワクチン、破傷風トキソイド、ツベルクリンなどがあります。

國光生物科技股份有限公司(Adimmune)の技術協力メーカーに日本の大手ワクチン開発製造工場・北里第一三共ワクチン(元・日本北里研究所)と、オランダのバイオ医薬品企業Crucellがあります。

現在は第一三共株式会社に合併された北里第一三共ワクチンとは50年以上もの長きに渡る技術協力関係で、破傷風ワクチン、日本脳炎ワクチン、インフルエンザワクチン、そして鳥インフルエンザワクチンの生産の技術移転を行っています。また、現在はジョンソンエンドジョンソンに合併されたオランダのバイオ医薬品企業Crucellとは戦略提携をしていて、EUのPIC/S GMP品質のシステムを導入しているほか、ヴィロソームを模したアジュバントワクチン生産技術協定を結ぶと共に、國光生物科技股份有限公司(Adimmune)に投資も行っています。

そんな台湾では老舗のワクチン製造会社が作った新型コロナワクチンの第一相臨床試験計画が、条件付ではあるもののその実行を承認されたんです。

食品薬物管理署によると、事前に試験計画が第一相臨床試験安全性の法規の基準に符合しているかの審査を行いましたが、初めての人体のワクチン臨床試験では被験者に対する安全について、おそらく潜在的なリスクがあるとして、更なる審査の拡充を求めています。食品薬物管理署は国内の薬理学および毒性学、薬物製造開発、ワクチンおよび臨床医学の専門家や学者を招き、討論をした後、国内の公衆衛生上のニーズ、患者や医療の利益、そしてリスクバランスなどを総合的に評価したうえで、専門家は第一相臨床試験計画の条件付承認を提案しました。

つまり、國光生物科技股份有限公司(Adimmune)は、技術資料の部分を補い、衛生福利部の審査を通過した後に、はじめて実際の注射試験を実施することができるということです。

会議に出席した専門家は、國光生物科技股份有限公司(Adimmune)が提出した資料からまだ人でのワクチンの有効性を知ることができず、今後の第一相臨床試験の結果が出てから、はじめてワクチンの有効性の評価・確認ができるだろうと説明していました。

まだ今すぐ人での試験が実施されるわけではありませんが、希望の光が差し込んできたといったところでしょうか。

食品薬物管理署は先月、「来年第一四半期には台湾製ワクチンが市販できるよう支援していきたい」としており、今、官民連携で開発を進めているところです。

 

トーク②:健康保険カード不要、マスクの自動販売機登場≫

さて、新型コロナのワクチン開発が待たれるところですが、今すぐできる対策として、台湾では引き続きマスクの着用が呼びかけられています。

現在、台湾では新型コロナの押さえ込みに成功していて、各所で体温測定があったりするものの、仕事や学校、コンサート、イベント、国内旅行はほぼ通常通り行われていますが、ここ最近、また海外から台湾へ戻ってきた人たちの感染が確認されていることや、台湾に滞在した外国人が、帰国した後に空港で受けた検査で陽性反応が出た例があったことなどから、再び、マスクの着用の強化が行われています。

それを受け、台北新交通システムMRT(台北メトロ)では8月6日から再び、利用の際には改札を通る前から全行程においてマスクの着用を義務付けており、従わない場合には乗車拒否のほか、最高で1万5,000台湾元(日本円およそ5万4,000円)の罰金が科せられます。そして15日より、利用者が比較的多い、台北駅、市政府駅、中山駅、忠孝新生駅、南京復興駅、古亭駅の6つの駅にマスクの自動販売機を設置しました。

台湾ではこれまで健康保険カードを使ったマスクの実名制販売を行っていましたが、この自動販売機では健康保険カードは不要で、お金を入れればそのまま購入できます。価格は1枚10台湾元(日本円およそ36円)で、1回につき1枚のみ購入可能となっています。

うっかりマスクを忘れてしまったときなどに駅に自動販売機があると助かりそうです。

なお、今後の利用状況を見て、設置場所の拡大なども検討するようです。

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