皆さんは投資はされていますか?日本では投資というと、「興味はあるけど難しそうでよくわからない」、「やってみたいけどリスクが怖い」、「投資はお金持ちがするものでしょ」…と、なかなか手を出せない人が多いのですが、台湾では多くの人が何かしらの個人投資を行っています。しかも女性の投資家も多いんですよ。
先ごろ、世界的な資産運用会社、フィデリティ・インターナショナルが、イギリス、ドイツ、オーストラリア、日本に続いて、初めて台湾での女性の投資についての大規模な調査を行い、「投資は女性の新たなエンパワーメントを高める」との調査報告を発表しました。
なんでも、その調査によると、回答者のうち投資をしているという台湾の女性の比率は84%!
これは日本の23.5%、オーストラリアの48%と比較してぐっと高かったのです。
この調査は、フィデリティ・インターナショナルと、グローバル・マーケティング・リサーチ会社Ipsosが共同でオンラインデータベース上の労働者たちにアンケートを発送。2019年12月20日から2020年1月2日にかけて、2,000名にアンケートをとったもので、内訳は1,400名が女性、600名が男性。1,400名の女性のうち、25歳~34歳が393名、35歳~49歳が640名、50歳~64歳が367名でした。
台湾の女性回答者のうち、84%が投資をしているという高い数値にびっくりしましたが、では一体、投資の目的は何なのでしょうか。
台湾の女性は定年退職後を非常に重視していて、なんと半数近い48%の女性回答者が定年後のための貯蓄を目標としているそうです。しかもこれは同様に定年後の貯蓄を目標としているイギリス人女性回答者の28%と比べても多いそうです。
次に多いのが、家を買うため。5分の一以上の22%の女性回答者が家を買うことを目標に投資をしています。しかも、若い人の比率が高く、35歳以下の女性回答者では37%が家を買うために投資をしているそうです。
そして、10%の回答者が家族や自身を養うため。このほか、債務の返済のためと言う結果でした。
ちなみに、ほかの国では、中国の女性回答者は家庭や財産を置いておく重要性にこだわっていて、オーストラリアの女性回答者はまずローンの完済を目標としている人が多いそうです。
台湾では政治の世界でも職場でも女性の活躍が目を引きますが、実はまだやはり男女間の給与差があり、貯蓄額に大きな差が出てきます。そのことから台湾の女性は資本が少ないとされています。ただ、8割の台湾女性回答者がその資本をいかに運用して個人収入を得るかは自分で決めてよいとしています。これは、台湾男性回答者の63%よりも、そしてイギリス女性回答者の56%よりも高くなっています。特に年齢が高くなるほど、家計全般を管理しているという女性が多くなっています。
ただ、台湾の女性回答者は家計の管理上は自身に主権があるものの、自身の投資策に対する自信はあまりなく、台湾の男性回答者が自身の投資策に自信があるという人が52%いるのに対し、自信があるという台湾女性回答者は36%強しかいませんでした。
また、調査によると、25歳から34歳の若い女性回答者は投資に保守的であり、4割の若い女性は「知識不足」が投資の障壁となっていると感じているようです。
ただ、若い人に限らず、女性の方が投資には慎重な人が多いようで、これは先ほど話した、男女間の給与差から生まれる貯蓄の差から、女性の方が慎重な傾向にあり、リスクを最小限に抑え、損失を出さないようにする保守型投資を選んでいる人が多いということがこの調査から見えてきました。
具体的にどのような金融商品を有しているかについては、働いている女性の多くはすでに様々な投資を行っているようですが、自分の資金を守ることができる投資商品、たとえば債券や貯蓄保険、年金型商品などを好むようです。
投資をしている台湾女性回答者の多くが、定年後の貯蓄のためとしていますが、アンケートによると、定年後、快適な生活を送るためには毎月4万8,000台湾元(日本円およそ173,000円)が必要だと考えているそうです。また、定年後の生活に必要な貯蓄額の平均見積もりは1,810万元(およそ6,530万円)としています。ちなみに男性回答者の定年後の貯蓄平均見積額は2,040万元(およそ7,360万円)でした。
ただ、台湾の女性は定年退職後の準備を非常に重視しているものの、退職後も現在の生活水準を維持できるための財務計画を練っているという回答者はわずか15%しかいませんでした。そして個人の定年退職後の目標実現に自信があるという回答者はわずか47%でした。
なかなか目標に向かって進めてはいないという人が多いようですが、それでも「定年後の生活費をパートナーに援助してもらおう」と期待している女性は20%にとどまっています。やはり台湾の女性は自立しているなと思ったのは私だけではないのではないでしょうか。