台湾には政党がいくつも存在していますが、実際に力を発揮しているのは、与党・国民党と、最大野党・民進党の二大政党ですが、最近の傾向では、このどちらにも属さない、第三の勢力が現れ始めています。いちばんわかりやすい例が、去年の年末に行われた統一地方選挙で、二大政党、どちらにも属さない立場を強調して当選した、台北市の柯文哲・市長です。台北市に無所属の市長が誕生したのは初めてですが、柯文哲・市長を当選に導いたのは、まさに、第三の勢力の中心的存在ともいえる、若い世代、つまり、インターネット世代だったといわれています。この世代は、特定の支持政党を持たず、ふだんはちりぢりばらばらなのに、社会的に注目度が高い話題などに関して積極的に意見を出し、インターネットで情報を拡散しながら世論をひっぱっていく、という大きな傾向を持っています。また、ブルジョワを嫌い、正義感が強く、そして何よりも、台湾の主体性を強く主張するのも特徴です。去年の春に、若者たちが、日本の国会に当たる、立法院の議場を占拠して立てこもった大事件が起こりましたが、この事件も、根底には、このような力が存在していました。さて、台湾では、このような力のことを、第三の勢力、と呼んでいるわけですが、さきごろ、この第三の勢力と大きなかかわりを持つ女性、洪慈庸さんが、来年行われる立法委員選挙に出馬することを表明して注目を集めています。
台湾ソフトパワー(2015/03/17) OLから政治の世界へ!洪慈庸さん
- 17 March, 2015