インタビュー
サンリオ台湾(三麗鷗股份有限公司)総経理・李明勳
「ハローキティinタイワン、台湾のライセンスビジネス(上)」
台湾の人たちが誰でも知っていて、大好きなハローキティ。このほかにもサンリオのキャラクターは、台湾中にあふれている。そのサンリオのキャラクターを台湾で管理しているのが、サンリオ台湾。その総経理、つまり社長を務めているのが李明勳さんだ。
夢を売るビジネス。李明勳さんの仕事は、おそらく多くの台湾の人たちにとって、羨ましくて仕方がないことだろう。ところが、李明勳さんは、夢とはかなりかけ離れた、ちょっと固いイメージの法律の専門家だ。夢を売るためには、現実的な法律の裏付けは欠かせないのだ。
現在、サンリオ台湾の仕事は、主にライセンス供与にかかわるものだ。1990年代にサンリオ台湾が開設された当初、その任務は台湾での生産委託だった。しかし、その後、台湾での生産委託は減っていく。そうした中で、サンリオ台湾の任務は、ライセンス・ビジネスに移っていった。
台湾でのライセンス・ビジネスはどのようなものなのか。海外市場の中で、台湾はどのような特徴があるのか。サンリオ台湾が世界で初めて始めた企画もあるというが、それはどのようなものなのか。
自らの知的財産権を守るには、自ら努力する必要がある。黙っていて、誰かがやってくれるわけではないのだ。そうした努力のおかけで、かつて隆盛を極めた海賊版は、今ではかなり減っている。現在の課題は並行輸入だという。ライセンスは国・地域ごとの行われるもので、それを越えることはできないのだが、越境ECが盛んな現在、これをどう解決するかが課題なのだという。
台湾のライセンス・ビジネスがどのように進められているのか、その一端が分かるはずだ。
【李明勳(リー・ミンシュン)】
■学歴
台湾大学法学部卒業
日本・中央大学法学研究科博士課程
■経歴
サンリオ台湾(三麗鷗股份有限公司)法務担当
現在は同社総経理
(インタビュー:早田健文)