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きょうのキーワード(2021-11-19)「刈包」:忘年会定番料理

  • 19 November, 2021
きょうのキーワード(金曜日)
台湾式ハンバーガー「刈包」の具材は、人それぞれの好みによって違うが、定番は豚の角煮、たかな、パクチ、ピーナッツの粉など。(写真:CNA)

今日ご紹介するキーワードは、「刈包」です。

「刈包」は、人気の台湾料理の一種です。半月型の白い蒸したパンを横からスライスするように切って、その間に豚の角煮、たかな、パクチ、ピーナッツの粉などの具材を挟んで食べる料理です。その形から、「刈包」は台湾ハンバーガーともたとえられています。台湾では主に屋台や、台湾料理の飲食店で販売されています。ピーナッツ粉の香りに、醤油で煮込まれた豚の角煮の甘じょっぱさ、そして、それらを包み込む、もっちりとした蒸しパン。食材の味が絶妙なバランスをとっており、シンプルながらも、一度食べると印象に残る料理です。そして、その大きさは、ちょうど食べやすい手のひらのサイズとなっていますから、「刈包」は、「台湾ハンバーガー」とも譬えられていて、手軽に食べられる軽食として台湾人に親しまれています。

こんな台湾ハンバーガー、「刈包」ですが、これから迎える年末には大きく活躍するようになります。なぜなら、「刈包」は、年末から旧正月前までの間に行われる、忘年会に欠かせない定番料理だからです。

「刈包」はその形から、「虎咬豬」と呼ばれています。「トラが豚を噛んだ」という意味です。豚の角煮を挟んだ蒸しパンは、まるで口を大きく開いて、豚肉を噛んでいる虎に似ているからに由来しています。「刈包」の虎は、豚肉だけではなく、悪運も食べてくれますので、忘年会の時に刈包を食べると、今まで一年の悪運を断ち切ることができると信じられています。また、虎の他に、「刈包」は、お金がいっぱい入っていて、閉まらない財布のようにも見えますから、大儲けすることも象徴しています。そのため、「刈包」は、忘年会の季節になると、みんなが食べたがる縁起のいい食べ物となったわけだと言われています。

悪運を払い、金運をアップする効果のほかに、「刈包」にはもう一つ、あまりよくない意義があると伝えられています。それは、「嘘」です。商売をする人ならば、客を引き寄せるため、そして商売がうまくいくためには、多少は優しい嘘をついたり、商品の欠点を隠して、その良さばかりアピールしたりする必要があります。そのため、商人にとって、一年の最後に行われる忘年会で刈包を食べることは、「これまで一年間でついた嘘をすべて食べ尽くし、新しい一年に新たなスタートを切る」という意味合いがありますよ。

 

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