今日ご紹介するキーワードは「四月雪」。
その字の通り“4月の雪”と言う意味です。
日中はすでに30℃を超える日もある台湾ですが、4月に入ってすぐの数日間は大陸からの寒気と前線の影響で、台湾全土で気温がぐっと下がりました。
しかも4月1日には、3000メートル以上の高い山では雪が降りました!
台湾の最高峰「玉山」では、4月1日は午後2時半ごろから1時間ほど雪が降って、2センチ積もったそうです。
まさに「四月雪(4月の雪)」です。
ですが、台湾でよく言われる「四月雪」とは、本物の雪のことではなく、“花”のこと。
毎年、4月になると「油桐花(アブラギリの花)」が咲き始めるのですが、その花は、大きな樹の上にこんもりと密集して白い小さな花を咲かせ、遠くから見るとまるで雪が積もっているように見えることや、散る時に花びらが散るのではなく、花の形のままクルクルと風に乗って舞い落ちてくる様子から、その姿がまるで雪のようだとして「四月雪」と呼ばれています。
「油桐花」は、台湾第二のエスニックグループ「客家」の人たちが栽培していたことから、主に客家の人たちが多く住むエリア、台湾北部の桃園や新竹、台湾北西部の苗栗、また、台湾中部の山間部に広く植えられています。
今年も早いところでは4月の上旬から、そして多くのエリアではこの中旬あたりから「油桐花」の開花が始まっています。
日本よりも南に位置する台湾では、3000メートル以上の山々に行かないとなかなか雪を見ることができませんし、さらに「四月雪」となると見る機会はあまりありませんが、「油桐花」による「四月雪」は、身近な山々で楽しむことができます。
ちなみに、「油桐花」の見ごろは5月まで続くので、5月になると「五月雪」と言われたりもします。
4月から5月にかけてのタイミングで台湾を訪れる機会がありましたら、ぜひ「四月雪」を楽しんでくださいね。