今日ご紹介するキーワードは「毛小孩」。
4月3日、台湾では、ペットの福祉および関連する管理を実施するため、行政院農業委員会が「ペット管理課」を立ち上げました。行政院農業委員会は日本の農林水産省に当たる省庁です。
この開設式典には、自身も6匹のペットを飼う蔡英文・総統も参加。蔡・総統は、「ペットは私たちの家族である。彼らを大切に扱い、しっかりと面倒を見て、動物福祉を実現することが政府の目標だ。ペット管理課はペットのライフステージに応じた管理を行い、政府も『動物保護法』をさらに修正し、アニマルフレンドリーをコアとして、各界と協力し、動物のより良い福利制度を構築していく。将来的には、ペットの出生届を実施し、ペットが譲渡されるたびに変更手続きを行うことで、出生から死亡まで記録を残し、譲渡元から譲渡先への流れが管理できるようになることを期待している」と語りました。
このニュース記事でも登場するのが「毛小孩」という単語。
これは、本来のペットを意味する中国語「寵物」ではなく、“ペットは家族の一員である”と言う意味を込めて、「子供」と言う意味の中国語「小孩」に“毛”と言う字をつけて、「毛小孩(毛むくじゃらの子供)」という言い方をするんです。
ちなみに、台湾は2020年に初めて人口がマイナス成長となり、本格的に人口減少に突入したとされています。
昨年(2021年)の新生児の数は、およそ15万3000人で、これは2020年からおよそ1万1400人も減っているそうです。
一方で、農業委員会のペット登録・管理資料ネットワークの統計データによると、2021年、台湾全体の猫と犬の新規登録数はおよそ22万9000匹に達しました。これは2017年以降、5年連続で増加しているそうです。
日本同様に、子供の数が減り、寿命が延びる中で、犬や猫を精神的なよりどころとする人が台湾でも増えているようです。
ちなみに、“毛”はないけれど、同様に“子供のように思っている”ペットのことは何と言うかと言うと…特に決まりはないようで、“羽”のある“鳥”は「毛小孩」と言う人も多いようですが、魚や爬虫類などになると言わないようです。
でも、どのような言い方をしても、きっとその人の中では“子供のように思って”大切に育てていることでしょうね。