今日ご紹介するキーワードは「金鏟子」。
これは、「金のシャベル」のことです。一体何に使うのでしょうか。
昨日(3/23)の映像ニュースを見た方は、わかったかもしれませんね。
「金鏟子(金のシャベル)」とは一体何に使うのかと言うと…
「子宝に恵まれますように」というお祈り・お守りに使われます。
なんでも「金鏟子,助好孕(金のシャベルは妊娠を助ける)」と言われているんです。なぜかと言うと、台湾語で“急ぐ”、“加速する”と言う意味の“緊”が、金色の“金”の台湾語の発音「ぎん1」と似ていること。そして、“出産”と言う意味の「產子」と、“シャベル”の中国語「鏟子」が似た発音であることから、「金のシャベル」は“順調な妊娠”を代表するアイテムとされていて、台湾では昔から、結婚して早く子供が欲しいと思った時、ベッドの下に「金のシャベル」を置くと赤ちゃんができると言われているそうです。
でも「金のシャベル」なんてどこで手に入れたらいいの?と思いますよね。
それが身近なところにあるんです!
以前、台湾の建設会社で働いていた時、「あぁ、台湾の会社も起工式の際に、日本と同じようにシャベルで盛られた土の山を掘って工事の安全を祈願するのか」と思っていたら、出てきたスコップが、赤いリボンを付けた金のシャベルで、派手だなぁと驚いたことがあります…そう、普通に“起工式用シャベル”として売られているんです。
ただ、その大きな、しかも“金のシャベル”がベッドの下に置いてあるというのはなかなかインパクトあるなと思ったんですが、最近では、お祈り・お守り用として手のひらサイズの“金のシャベル”が売られていたりもします。
さすがに大きな“金のシャベル”は人に贈るのはためらいますが、このミニサイズなら結婚した友達にプレゼントとして贈ってもいいですね。
もしその効果をもっと高めたければ、“金のシャベル”を持って、妊娠・出産の女神「註生娘娘」が祀られている廟へ行き拜拜(お参り)をしてからベッドの下に置くといいそうです。
ちなみに、ベッドの下に置くときの置き方にも意味があって、男の子を望む場合はシャベルを表向きに、女の子を望む場合はシャベルを裏向きにおくといいんだそうですよ。
そして、願い叶って妊娠、出産しても“金のシャベル”はまだ捨てず、出産後は、子供が1歳になるまで寝室に置いて、子供の健やかな成長を願います。
面白いですね。意味を知らなかったら、「なんでベッドの下にシャベルが?しかも金色?」と驚くところですが、“金のシャベル”は妊娠や出産、そして子供の健やかな成長を願う“お守り”のような存在なのかもしれませんね。