きょうのキーワードは二つあります。この二つは、実は似たようなものなので、一緒にご紹介いたします。
一つ目は、「菜繭」。もう一つは、「鶏母狗仔」。
「菜繭」も「鶏母狗仔」も離島の澎湖ならではの食べ物です。きのう12月21日は、二十四節気では「冬至」に当たります。台湾本島では、一家団らを象徴する円いお団子、「湯圓」を食べる習慣があります。
しかし、離島の澎湖では、お団子の「湯圓」のほか、「菜繭」も「鶏母狗仔」も冬至に欠かせないものです。
冬至の日に一家団欒してお団子を食べる前、まずお団子を作って先祖を祭らなければなりません。
「湯圓」、「菜繭」、「鶏母狗仔」のいずれも、もち米を水に浸したあと、石臼で引いて粉にして生地を作ります。それから、この生地に甘い餡や炒めた肉・野菜などの具材を入れて包んでから蒸します。
「湯圓」は真ん丸い形をします。生地の中に餡や具があるものと、ないものの二種類です。
「菜繭」は具材を包んだあと半月のような形を作って蒸します。
「鶏母狗仔」は鶏、イヌ、ブタなどの家畜に見立てて形を作って蒸します。
「菜繭」や「鶏母狗仔」は、お供え物の代替品として作ったのが始まりだそうです。保存もきき、人が食べることもできるとして、澎湖では100年以上前から作られてきました。
澎湖の馬公市には、60年以上の歴史を持つ老舗の朝食店があります。今の店主は、高齢の女性です。この店主によりますと、今年は「菜繭」も「湯圓」も飛ぶように売れていました。
今月7日から売り始めた「菜繭」は、毎日10人近く動員して手作りしていました。店頭に並べると、すぐ完売してしまう人気ぶりでした。3万個近く売り上げたということです。
きょうのキーワードは、離島・澎湖の冬至の風物詩、「菜繭」と「鶏母狗仔」をご紹介しました。それでは澎湖にちなんだ歌をお楽しみいただきながら、お別れいたしましょう。
歌手・潘安邦の「外婆的澎湖湾(おばあちゃんの澎湖湾)」