ナルワンアワー(金曜日) - 2020-10-09_台湾の回転寿司について

  • 09 October, 2020
  • 駒田 英

 新型コロナウイルスの世界的流行により、3月中旬以降、台湾と日本の行き来が自由にできなくなっています。ビジネスや就学目的については緩和され始めましたが、観光目的の渡航、往来はいつ解禁されるのかは現時点ではわかりません。

 さて、こうした中、いわゆる「日本ロス」に陥っている日本好きの人たちに人気なのが回転寿司です。

 台湾では、1996年に創業、店舗のほか駅構内などで持ち帰り販売も行う「争鮮・スシエキスプレス」がほぼ史上を独占してきました。現在もおよそ230店舗と店舗数一位の座はゆらぎませんが、近年、日本の回転寿司チェーンが台湾市場に参入、現在店舗数ではくら寿司(ずし)が27店舗で2位、スシローが19店舗で3位となっているほか、はま寿司(ずし)も6店舗、がってん寿司(ずし)が3店舗、そして今年に入ってから、金沢まいもん寿司(すし)、寿司の美登里が回転しました。

 この中で、特に注目されているのが、台湾で子会社、アジアくら寿司を設立、台湾証券市場に上場したくら寿司です。

 アジアくら寿司の売上高は2017年の台湾元8億4400万元から、昨年2019年は19億2000万元(日本円にしておよそ69億9330万円)と年々アップしています。

 日本の回転寿司チェーンの人気を受け、業界1位のスシ・エキスプレスに、どのような影響があるでしょうか。

 私立逢甲大学国際経営貿易学科の呉広文・准教授は、一皿台湾元30元(日本円にしておよそ110円)のスシ・エキスプレスは価格面、そして店舗数でなお優勢であり、かつ小規模店舗で人口の比較的少ない都市にも出店でき小回りが効くと、その強みを指摘、一方で、商品の差別化という部分では弱く、新たな顧客を呼び込むしかけを行っていかなければならない、と指摘しました。

 そして、くら寿司とスシローは一皿40元が主で、60元、80元のネタもあり、客単価は400元から450元(日本円にしておよそ1460円から1640円)である一方、スシエキスプレスは一皿30元が主で、客単価は200元から250元であり、異なる価格帯だとの見方を示しました。

 呉・准教授はさらに日本のチェーンは、大型店舗で、店舗数を絞って展開を行っているが、出店コストは高く、ファミリー客など客数を増やし、かつ回転数をあげることで売上につなげていると分析、ゆっくりとした拡大は、人材面、物流面のコントロールもしやすい、と指摘しました。

 アジアくら寿司も、上場記者会見で、出店コストは、1店舗につき、4000万元から7000万元(日本円にしておよそ1億4570万円から2億5490万円)と説明、5年以内に回収できる見通しが立ったことから、本腰を入れて台湾市場を展開することを決意した、と説明しました。

 ちなみにくら寿司では、メニュー展開について、客単価をあげることよりも、台湾の人々に人気のメニューを充実させることを重視、当初の80種類から100種類に増やしたということです。年内には30店舗まで増やすというくら寿司を含め、今後、日本の回転寿司チェーンの台湾市場への進出、展開は目が離せません。

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