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ナルワンアワー(月曜日) - 2024-12-30 - 「食」を通じた台湾と日本の交流

  • 30 December, 2024
ナルワンアワー(月曜日)
雲林県の「県立建国国民中学」と日本熊本県八代市の「公立代陽小学校」の6年生はオンライン上で交流を行い、互いにその日の給食メニューを紹介しあった。(写真:雲林県ホームページ)

本日は、「食」を通じた台湾と日本の交流についてご紹介!

台湾も日本の食にもそれぞれ魅力がありますが、今回は学生の時にしか経験できない「給食」についてです。台湾でも日本と同様、給食を提供している学校があります。その中でも、台湾中部・雲林県の南西部に位置する「北港(ほっこう)」と呼ばれる地域にある、「県立建国国民中学」、つまり建国中学校では今月4日、日本熊本県八代市公立代陽(たいよう)小学校の6年生とオンライン上で交流を行い、互いにその日の給食メニューを紹介しあいました。

その後、代陽小学校の生徒たちは雲林県の建国中学の栄養士が考えたメニューの給食を、建国中学の生徒は代陽小学校の栄養教諭が考え紹介したメニューの給食を楽しみました。

オンライン上での交流では、言葉の違いがあれど、通訳の方の話を聞いたり、担任が補足説明をしたりして進められたといい、生徒たちは給食を通して双方の食を学ぶことができました。

この取り組みは台湾で学校給食の改善などに取り組む非営利の民間団体、「台湾大享食育協会(たいきょうしょくいくきょうかい)」が進める、台湾と日本、さらに韓国との間の献立交換プロジェクトの一環として実施されました。日本の農林水産省に当たる台湾の農業部の協力のもと、献立交換プロジェクトが行われており、建国中学では今回までですでに日本と韓国の合わせて4校の小学校と同様の交流があります。

今回、建国中学は代陽小学校に対し、さつまいもご飯、豚肉と大根の煮込み、白菜の炒め物、台湾特有の白身魚、「サバヒー」のスープ、パイナップルのレシピを提供。雲林では冬瓜というウリが特産品なので、代陽小学校ではそれを大根に代替して提供。また、サバヒー、豚肉、白菜、お米もそれぞれ雲林の特産品です。一方、代陽小学校は建国中学に対し、麦ごはん、生姜ダレの唐揚げ、大根の葉のふりかけ、大根サラダ、五種の野菜スープ、みかんといった、熊本の特産品に基づいたレシピを提供。大根の葉を利用することで国連が提唱している「SDGs持続可能な開発目標」に沿った給食に近づけました。この、建国中学で提供された給食は雲林の地元食材を日本のレシピで調理した「台日融合」のものとなり、建国中学の教職員と生徒、さらに近隣の学校などへの提供を合わせたおよそ1200人に提供されました。

今回の取り組みを行う台湾大享食育協会は2022年から献立交換プロジェクトを実施。2022年と2023年には台湾と日本の栄養士7名ずつが交流し、合計16件の給食のメニューと食育のための教材が考案され、これまで双方の生徒や教職員が異国の味を楽しみました。今回の代陽小学校だけでなく、このプロジェクト開始後の3年間で日本各地の学校と交流を行っています。他にも、学校給食のコンテストや講習会といった食育活動を通し食育を促進したり、台湾、日本、韓国の学校給食の対策などを分析し研究したり、食育に関するテレビ番組や書籍の制作による情報発信などを通し、「持続可能な食事」、「多文化」に焦点を当てた児童の飲食を提唱している団体です。

また、雲林県教育処によると、今回日本側から提供されたメニューを含め、全国の給食のメニューや食材、調理法は毎日保護者や他の学校が参考にできるよう、教育部にデータが登録されています。これにより、台湾全国の学校は、他の学校で提供された海外のメニューの情報も得られ、生徒は給食を通して世界各国を知ることができます。

*私からの一言

今後も健康的で環境にも配慮した食事を通じて他国への食の認識を深め、多様な文化を尊重する取り組みが続いていって欲しいと願います。

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