台北の街を歩いていると、ペットを連れた人をよく見かけます。私の周りには猫を飼っている人が多いのですが、外では、お散歩をさせるからと言うのもあって犬を連れている人をよく見かけます。
その犬たちの中でもここ数年、特によく見かけるのが「柴犬」。そう、日本犬です。
私が台湾に住み始めたばかりの2014年ごろは、台湾でも海外や日本同様、トイプードルが人気で、街中でよく見かける犬と言えばトイプードル、しかも歩かせてるのではなく、抱っこしていたり、ペットカートに入れてお散歩させている人の姿をよく見かけていたんですが、ここ数年は、柴犬と一緒に、飼い主自身もウォーキングやランニングをする格好で一緒にお散歩している人の姿をよく見かけます。
柴犬といえば、愛らしい顔立ちと、飼い主に非常に忠実な姿が愛されている、日本原産の日本犬の一種で、唯一の小型犬。
その日本の犬を台湾で見かけると、これもある意味、日台交流?なんて思って、私もうれしくなって、知らない人の柴犬に向かって微笑みかけたりしてしまいますが、先ごろ、ネットの掲示板で「なぜ台湾人はこんなにも柴犬を飼うのが好きなのか」というスレッドが立ちました。
そこには、「以前は公園に行くとプードルやマルチーズをよく見かけたけれど、今はどこも柴犬だらけ。おそらく半分くらいは柴犬なんじゃないかな?柴犬は何か人を引き付ける特別な魅力があるの?そうでなければどうしてみんな柴犬に熱狂しているの?」との書き込みが。
この投稿が話題を呼び、多くのネットユーザーが反応。
「可愛いよ。うちは柴犬をもう14年も飼っている」
「周りの女友達はみんな柴犬を飼っている。かわいいからね」
「柴犬を連れて出かけたときだけ、『あ、柴犬だ』って言われる」
などなど、とにかく「可愛い!」と言う意見。
そして、
「小型犬は神経質でうるさいし、大型犬は飼うのが大変だけど、柴犬はちょうどいい」
「他の中小型犬と比べてあまり吠えない」
「サイズがちょうどいい」
…という意見。
さらには、
「柴犬はあまり臭くない」
「柴犬はお風呂に入れたら3日は臭いがしない。プードルは3分でもう駄目だった」
という意見などなど…。
まとめると、“柴犬は、大きくなってもかわいいし、サイズもちょうどよく、臭くないし、他の犬と比べてあまり吠えないので飼いやすい”というものでした。
このような理由から柴犬を飼っている人が多く、台湾のネットでもたくさんの“柴犬”コミュニティーのページが立ち上がっていて、そこで柴犬の飼い主さん同士の交流が行われています。
ただ、そんな人気の柴犬にも悩ましい点が。それは…
一つは運動量が多いこと。
ある飼い主は、「我が家は3匹の柴犬を10年飼っていて後悔したことはないけれど、台北で飼うのはあまり向かない。彼らの運動量が多いの」とのこと。
郊外に比べ、あまり広くない台北の家で飼っていると運動不足になってしまうようです。
そしてもう一つは、抜け毛が多いという事。
「特別可愛い!サイズもちょうどいい、あまり吠えない、臭いもしない、ただ、唯一の欠点は抜け毛の量が多い」とのこと。
柴犬は、短毛種ですが、ダブルコートなので抜け毛が多いそうです。しかも年に2回、季節の変わり目に大量の抜け毛があるそうで、それに悩まされる飼い主さんも少なくないようです。
ちなみに、台湾では夏になると犬や猫が頭と足先、しっぽの先の毛を残して全部刈り上げてしまう「サマーカット」にしているペットたちをよく見かけますが、柴犬は毛を短くしすぎると皮膚を守る役割が果たせなくなってしまうことがあるので、暑そうだからと言って切りすぎるのは禁物なんだとか。
柴犬の毛は本当に見た目、暑そうなので刈ってあげたい気持ちもわかりますが、そんな情報も日本と台湾で共有しつつ、ただのブームとしてでなく、台湾の人たちと、日本の柴犬がこれからも仲良く暮らしていってほしいですね。